7話 骨のダンジョン
翌朝。
7時にセットしていた目覚まし時計の音で目が覚めた。
「ねむ…………」
私は布団から出てうるさい目覚まし時計を止める。
そしてもう一度布団の中に潜り込む。
二度寝といやつだ。
「幸せ……」
おやすみ世界……
ジリリリリリリ!!!
「うるさいよぉぉ…………」
さっき止めたはずの目覚まし時計がもう一度鳴った。
どうして?
「ことねさん、おはようございます」
ことりさんは手に目覚まし時計持っていて、私の枕の方に近づいてくる。
「………………おはよーことりさん。起きたから耳元で目覚まし時計鳴らすの止めて欲しいです…………」
「分かりました!」
ことりさんが後ろについているボタンを押すと目覚まし時計が止まり、部屋が静かになった。
だけど耳元で鳴っていたせいで頭の中にジリリリリリリという音がずっと響いていて、すごく気持ち悪い。
「朝ご飯、早く来ないと冷めちゃいますよー」
そう言ってことりさんはリビングに戻っていった。
おはよう世界……
「ご飯冷めちゃう前に私もリビング行こ……」
すぐにパジャマから私服に着替えて私はリビングに向かった。
「おはよー、ことりさん」
「はい! おはようございます!」
さっきもあいさつしたけど、もう一度あいさつして椅子に座る。
「「いただきます」」
私の朝ご飯はいつもと同じ食パンとコーヒー。
ことりさんの朝ご飯は昨日の夜ご飯の残りのエビチリとレンジで温めたお米。
朝からエビチリ!?
「朝からエビチリってキツくないの?」
「キツいってどういうことでしょうか……?」
ことりさんは不思議そうな顔をしている。
「いや、やっぱりなんでもないよ……」
それから数分でことりさんはエビチリを平らげた。
朝ご飯を食べ終えたことりさんは洗い物をして、洗濯物をして、部屋の掃除までしてくれた。
まあいつも通りだけどやっぱり申し訳なくなってくるよ……
「私は準備できました! いつでも出発できます!」
「私ももう準備できてるよ!」
「では早速ダンジョンに向かいましょう!」
★
骨のダンジョンはスライムダンジョンがあった場所からさらに10分くらい進んだところにあるからまあまあ遠い。
だけど、ことりさんと喋りながら行けばあっという間だったよ。
「とーちゃく!」
「思っていたよりも人がいませんね」
辺りには大学生くらいの人が数人とそれより歳上っぽい人が数人いるだけ。
「夏休みが終わったからね。涼っちもちょうど学校に着いた頃だと思うよ」
「そういえばそうでしたね。ほとんど学校に行ってなかったので夏休みなんて気にしたことなかったてです……」
ことりさんは少し寂しそうな顔をしてそう言った。
呪いのせいで行けなかったんだからそりゃそうだよね……
「ことりさん、早く行くよ〜!」
「……」
聞こえてないのかな?
「ことりさん? 行くよ?」
「…………はっ、はい! 行きましょう!」
私はことりさんの手を引っ張ってダンジョン内に入っていった。
骨のダンジョンの中は暗くはないけど、地面が砂浜のような感じの砂で歩きにくい。
あと、骨が沢山落ちていて怖い。
人の頭蓋骨とかじゃないよね…………?
何も考えないようにしよう……
心を無にするんだ……
私たちはそんな感じのダンジョン内をしばらく歩き続け、3階層までモンスターと1回も遭遇することなく進んだ。
ここまで順調だと、順調すぎて逆に怖くなってくるよ。
「順調ですね! このままサクッとクリアしちゃいましょう!」
「そうだね! このままサクッとクリアしたいね!」
そんなことを話していたら前からボロボロの剣と盾を持った人型の骨がカタカタと音を立てながら歩いてきた。
スケルトンかな思って、鑑定してみたらやっぱりスケルトンだった。
「ことりさんどうする? 無視して進む? 倒す?」
隠密がある私たちは遭遇したモンスターと絶対戦わないといけないわけでもない。
めんどくさい相手だったり、数が多かったりしたら無視して進むなんてこともできる。
今回は1体しかいないけどね。
「私が倒します!」
ことりさんがすごいかっこいい!
「分かったよ。手離すね!」
「はい!」
私が手を離すとことりさんは【キングアックス】を両手で持ちながらスケルトンまで走って近づいていく。
近づいた頃にはことりさんに残っていた隠密の効果が切れてスケルトンに気づかれてしまったけどもう遅い。
ことりさんが振り下ろした【キングアックス】によってはガードしていた盾ごとスケルトンは粉々になって魔石がぽとりと砂の上に落ちた。
色々言いたいことはあるけど、とりあえずことりさんの所に行こう。
「ふっふーん! 私の勝ちです!」
ことりさんがドヤ顔していてかわいい。
「ひとつ聞いてもいい?」
「はい! 何でしょう?」
「今回のダンジョン私がいる必要ってある?」
「ことねさんがいた方が楽しいですよ?」
ことりさんはどうしてそんなことを聞くの? って顔をしている。
「それならよかったよ」
そう言いながら私はスケルトンの魔石を拾って【アイテムポーチ】に入れる。
「どんどん行きましょう!」
「私の分のスケルトンもちゃんと残してね?」
このままの勢いだと、ことりさんが全部倒してしまい、私の出番がほんとに0になってしまう。
さすがにそれは嫌だよ。
「分かってますよ!」
私たちはまた手を繋いでダンジョンを進み始めた。




