6話 プレゼント
涼っちがにやにやしながら戻ってきた。
「結構高く売れたよー! はい、お金とレシート」
どうしてにやにやしているの?
「まさか取って……」
「ない!」
即答……
渡されたレシートを見ると3万円と書いてあって、涼っちから貰ったお金もちゃんと3万円ある。
ゴブリンナイトの魔石が1個で1500円だから、牙はそれの20倍もするんだ……!
「涼っちありがと! 協力してくれたお礼に1割あげるよ!」
「さっきのは冗談だって! 別に友達からお金なんて貰わないよ!」
確かに涼っちの言う通り。
私だって友達に協力してもお金なんて貰わない。
まあ私の友達は涼っちとことりさんしかいないけど……
…………自分で言ってて悲しくなってきたからこの話はやめよう。
「涼っちもいい感じの武器探すの手伝って! てか涼っちも武器買った方がいいと思うよ。木刀だとすぐに折れちゃうから」
「探すの手伝ってて言われても私武器とか全然知らないよ? ことりんの方が詳しいんじゃ……」
「い、いえ、私も全然です……【氷結の剣】もセールで50%offになっていたから買っただけで……」
【氷結の剣】って半額でも25万くらいするんじゃなかったっけ……
アイスを大量に買ってきたりもしてたからことりさん実はお金持ちだったりして……
「まあとりあえず色々見てみようよ。何か見つかるかもしれないよ!」
「それもそうだね。いい武器見つかるといいなー!」
★
それから色んな武器を見て回った。
短剣、普通の剣、スリングショットみたいな飛び道具。
他にも面白そうなものが沢山置いてあって気がついた時には夕方になっていた。
「色々みたけど私はやっぱり短剣にしようかな。スリングショット、あれだけは絶対に買わない……!」
スリングショットの試し打ちができたからやってみたんだけど、跳ね返ってきたゴム弾が頭に直撃するとは思ってなかった。
めちゃくちゃ痛かったし、2人に笑われたし最悪だったよ。
「ほかりんがあんなに打つの下手だとは思ってなかったなー。思い出しただけでも笑いが、ふふっ……」
「涼花さん、笑ったら、ふっ……いけませんよ……!」
2人とも酷い。
涼っちも酷いけど、ことりさんの方がもっと酷いよ。
「2人とも最低! あれ、めちゃくちゃ痛かったんだからね?」
「隠密がなかったら絶対面白い写真が撮れたのに……ほかりんはなんで自撮りしなかったの……?」
涼っちは笑いすぎて涙が出てきていた。
「涼っちの顔ににスリングショット打ってもいいかな? いいよね?」
「ごめんなさい……もう笑わないはずでふっ…………」
よし、帰ったら土に埋めてしまおう!
「涼っちは買うの決まったの?」
「私は何も買わないよ。ことりさんが【氷結の剣】をくれるんだって!」
「そうなの? なら私の分の支払いだけお願い!」
そう言って私は買いたいものとお金を涼っちに渡す。
「払ってくるから2人とも外で待ってて」
「うん!」
ことりさんと話しながら待っていると紙袋を持った涼っちが店からでてきた。
「はい、お釣りと買ったやつ。なんかネックレスみたいなやつもあったけど、あれ何?」
お釣りの5000円と紙袋を受け取る。
短剣が結構重たい。
「あれは私とことりさんからの誕生日プレゼントだよ! 改めて……いくよ、せーの!」
「「誕生日おめでとう!」」
私は紙袋の中から小袋を取り出して涼っちの手に握らせる。
「2人ともありがとっ! 早速だけど、つけてみてもいいー?」
「うんうん、つけてつけて!」
涼っちは小袋に入っている小さな箱からネックレスを取り出して首にかける。
三日月のネックレスで三日月部分は魔石で作られている。
「三日月かわいい! どう? 似合ってる?」
涼っちレベルの顔だと似合わないものを探す方が大変だと思う。
「びっくりするくらい似合ってるよ!」
「かわいいですよ!」
「これは一生大切にしないと!」
こんなに喜んでもらえたらこっちまで嬉しくなっちゃうよ。
「もう暗くなってきてるし、早く帰ろっか」
「今日の夜ご飯は豪華なのがいーなー」
「なら私が頑張って作りますね!」
家に帰ってきた頃には7時を過ぎていたからことりさんは急いで夜ご飯を作ってくれた。
涼っちがリクエストしていたエビチリだ。
私にはちょっと辛かったけど、涼っちが喜んでいて、それを見ていることりさんも喜んでいたから良かったよ。
夜ご飯を食べた後、涼っちは明日から学校が始まるから家に帰った。
ベッドが1人で使えるようになって嬉しい反面、涼っちがいなくてなって少し寂しかったりするよ……




