2話 涼っちのスキル
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一ノ瀬 涼花 16歳 レベル1 スキルポイント0
状態:正常
HP:10
攻撃力:11
防御力:8
固有スキル:「影操作」
スキル:なし
装備:なし
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「影操作」
効果:自身の影を操作することができるようになり、影で物体に触れることができるようになる。(例外あり)
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「ねー2人とも!これって当たりだよね? 当たりでいいよね?」
涼っちは小学生みたいに目をキラキラさせてそう言う。
「当たりどころか大当たりですよ!」
ことりさんは涼っち横で自分のことのように喜んでいる。
やっぱりことりさんはいい人だね。
「私も当たりだと思うよ! けど……」
「「けど……?」」
2人の視線が私が座っている椅子の方に向いた。
「私のスキルみたいにハズレスキルだったりするかもしれないよ。まあ100万分の1の確率だけどね……」
私がそう言うと部屋が静まり返った。
ケーキに刺してあるロウソクの火がゆらゆらと揺れている。
言わない方がよかったかも……
「ほかりんマイナスのことは言わないのー! ふぅ〜!」
そう言って涼っちはロウソクの火を消した。
「もしかして怒ってる……? ごめん……」
「怒ってるからほかりんの分のケーキも私が食べる! ……ちょっと、ことりん!!」
そう言っている涼っちを見てことりさんは必死に笑いを堪えている。
これ怒ってないやつだ!
「私、笑ってなんかいませ、ふふっ……いません! ぷっ……」
「涼っちー、私の分のケーキもほしいのー? あげるよー?」
「こ、今回は許してあげる。でも次は本当に私が食べるからね!」
涼っち頬を少し膨らませてそう言った。
かわいいやつめ!
特別にケーキを少し大きめにしてあげよう。
ことりさんは笑いを堪えることを諦めたみたいでお腹を抱えている。
それを見た涼っちはことりさんの頭をポコポコと叩いている。
部屋の空気がなんか浄化されていってる気がする!
私は部屋の電気をつけてから包丁でケーキを3等分してお皿に乗せる。
3等分って言っても私のは4分の1で涼っちのは大きめの変な形だけどね。
「ケーキ分けたよー! こっちが涼っちでこっちがことりさん」
私がそう言うとことりさんをポコポコ叩いていた涼っちはすぐにケーキを食べ始めた。
「この生クリームの滑らかさに程よい甘さ…………おいしすぎる! 1番高いやつを選んだ私の目に狂いはなかった!」
「本当は私たちの財布にダメージを与えたかっただけでは……?」
「私もそう思います!」
「そうです、ごめんなさい……」
ことりさんを見た涼っちは言い訳をすることを諦めた。
ことりさん強い……
「まあでも涼っちの誕生日だし、アイス1つで許してあげよう」
「アイスなら冷凍庫にいっぱいあるじゃん。【アイテムポーチ】の分ですらまだ無くなってないし……ってほかりんもう食べ終わったの? 早っ……」
涼っちは空になった私の皿を見て少し引いている。
「引かないでよー! 引いた罰として涼っちアイス取って!」
「歩きたくないからやだ。それくらい自分で取りなよ……」
「こういう時に影操作を使うんだよ! 物体も触れるみたいだし、アイスくらい取れると思うよ」
「確かに取れそうな気もするけど、スキルってどうやって使えばいいの?」
「さっきから高みの見物をしていることりさんに聞いてみたらいいんじゃないかな?」
ずっとニコニコしながら私と涼っち会話を聞いていたことりさんに話を振る。
話を振られると思ってなかったことりさんは少し慌ててかわいい。
「す、スキル名を声に出すか心の中で言うかをすれば使えますよー……」
「そうなんだ。ありがとことりん! なら使ってみるね。影操作!」
涼っちがそう言ったと同時に涼っちの影が不自然に伸びた。
この世の理を完全に無視しているけど、スキルの効果だからなんか納得がいく。
「なんか変な感じがする。でもこの影自分の意思で動かせるみたいだよー! ほらっ!」
そう言って涼っちの影が私の体を登ってきた。
けど、影だから触れられた感覚とかは全くない。
「影に感覚とかはあるんですか?」
「影に感覚とかはないみたいだよー。でもこんなんでどうやって物体に触れるんだろう?」
それからしばらく涼っちは影を伸ばしたり短くしたりしていた。
影の操作できる距離は分からないけど、部屋の中ならどこでも動かせるみたい。
でも目で見えない冷蔵庫の下とか壁の向こうとかでは動かしたりはできないんだって。
「あっ、できた! 2人とも見て見て!」
急に大きな声を出した涼っちの方を見てみると手の形をした影でコップを掴んでいた。
「すごいです!」
「それどうやってしたの?」
「空気に影を纏わせるイメージで影を動かしたらなんかできた。重たかったりはしないからなんでも持てそう!」
それからさらに色々試した結果、50キロぐらいの重さのものなら持てることが分かった。
試しに冷蔵庫とかを持とうとしたら影がちぎれてしまった。
痛みとかは全くないらしく、ちぎれた影はすぐに他の影のところに戻った。
このスキルはかなり便利な気がする。
間違いなく私のよりは便利。ずるい。
「ほかりんアイス取ったよー!」
「ありがと涼っち!」
この後、1時間くらい影操作で遊んでから私たちは寝ることにしたよ。




