表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/97

24話 新スキル

「あっ、忘れてたー!!」


 危ない危ない。

 このままダンジョンに入ってたら大変なことになっていたよ。


「どうしたんですか?」


「えっーと、小鳥さんってスキルポイント余ってたりしませんか?」


 余ってなかったら私のスキルポイントを使えばいいだけだから大丈夫だけど、一応聞いておく。


「あのー……スキルポイントってなんですか? ステータス画面に書いてあることは知ってはいるんですが、使い方が未だによく分からなくて……」


 使い方を知らないってことはまだ使っていないってことでいいよね?


「ほんとですか?」


「ほんとのほんとです!!」


 そう言うと小鳥さんはステータス画面を開いて見せてくれた。


  ――――――――――――――――――――――――

 宮倉 小鳥(みやくら ことり) 17歳 レベル20 スキルポイント 280

 状態:隠密

 HP:37

 攻撃力:43

 防御力:48

 固有スキル:「正直」

 スキル:なし

 装備:【氷結の剣】

――――――――――――――――――――――――


 ステータス画面は自分だけしか見れないように表示することも、誰でも見れるように表示することもできるようになっている。

 だからステータス画面を開いただけで周りにいる人に自分の名前が公開されてしまう、なんてことにはならないから安心だよ。


 まあとりあえず、スキルポイントの使い方を教えてあげよう。

 ――って言ってもそんな難しいことをするわけじゃない。

 スキルポイントの表示をタップしていくだけだ。


「琴音さん、これであってますか……?」


「あってますよ!」


 小鳥さんにはスキルポイントを200使ってもらって、念話というスキルを獲得してもらった。

 念話は声に出さなくても頭の中で会話ができるようになるスキルだよ。

 普通の人はこんなスキルがなくても会話できるから取る人なんていないけどね。

 このスキルを獲得してもらった理由はダンジョン内での会話をするためだ。

 ダンジョン内だと圏外になっちゃうから電話を通しての会話ができなくなるからね。


「と、とりあえず1回スキルを試してみます!」


 小鳥さんはそう言って目を閉じた。

 別に閉じなくてもいいはずなんだけど……


 まあなんでもいっか。


「小鳥さん? まだですか?」


「あれ、聞こえませんでしたか?」


 え? もしかしてこれもハズレスキル?

 さすがにそんなことないよね……


「聞こえませんでした。どうしてなんだろう?」


 それからいろいろな方法を試した結果、発動しなかった原因が分かった。

 原因は小鳥さんだけしか念話スキルを持っていなかったからだった。


「まさか2人ともスキルを持ってないダメだったなんて……」


「琴音さんのスキルポイントを無駄に使わせてしまってごめんなさい!!」


 小鳥さん悪いことしてないのに、さっきから謝りすぎだよ。


「元はと言えば私の隠密(スキル)のせいだから小鳥さんのせいじゃありませんよ!」


 私が小鳥さんのスキルポイントを無駄に使わせてしまったの方が正しい気が……


「それなら良かったです!」


「それじゃあ改めてダンジョンの攻略を始めましょう!」


「はい! 足を引っばらないように頑張ります!!」


 私たちは手を繋いだままダンジョンの入口を通り、ダンジョン内に移動する。

 手を繋いで入口を通るのは隠密のせいであって、そうしないとパーティでダンジョンに入れないというわけではないよ。


 ダンジョン内に移動した私たちは手を繋いだまま探索を始めた。

 手さえ繋いでいれば気づかれることはないから安全だけど、私は少し恥ずかしい……

 小鳥さんは全く気にしてない様子だけどね。


「琴音さんに一つだけお願いがありまして……」


 小鳥さんからお願いって珍しいような気がする。

 ――って言ってもまだ会ってから1時間も経ってないけどね。


「私にできることならなんなりと!」


「えっーと、その、タメ口にしませんか? パーティを組んでもらった分際ですが……」


 タメ口かぁ……

 私の方が歳下なのにタメ口って変な感じがする……

 あと私がパーティを募集していたから組んでもらったのは私の方だ。


「あ、嫌なら全然このまんまでも……」


「そうしましょう……じゃなかった。そうしよう! よろしくね!」


 そう言うとことりさんが嬉しそうな顔をした。


「はい! よろしくおねが……よろしく! ことねちゃん!」


 私も小鳥さんも慣れるまで時間がかかりそうだ。

 そんなこと話してながら歩いていると3体のゴブリンが出てきた。


「琴音さん、ゴブリンがいるので気をつけてって、あれ……? 襲ってこない?」


 そういえばこれも普通じゃないんだった。


「ふっふっふ〜! これが隠密の効果だよ〜! すごいでしょ〜!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 念話を自分で取らないで、他人に取らせる主人公笑 隠密で話せないなら、何も調べずに魔法取るよりも念話取れよと思う。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ