表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/97

12話 ダンジョン周回

 「まずは【スライムの短剣】の確認からしていこう! とか言っても他にもらった報酬なんてポーションと魔石だけだから確認する必要ないけどねー」


【スライムの短剣】はスライムでできた短剣ではなく、スライムの模様が入った短剣だ。

 これが欲しかったから私はクエストクリアを頑張っていたんだよ。

 そこまで強い武器じゃないけど、前使ってた木刀よりは強いんじゃないかな。


 私は【スライムの短剣】を手に持ち、ステータス画面を開いて能力を確認する。


『スライムキラー:スライムに対しての攻撃力が増す』


「ネットに書いていた通りだね。でもスライムに対して攻撃力アップなんて必要ないよね……」


 こんな簡単に能力が確認できるなら、ガラスでできた短剣の能力も確認できたんじゃないの? って思うかもしれないけど、それはできないよ。

 ダンジョンで手に入れた装備はその場で装備することはできるけど、ダンジョンをクリアするまでは名前や能力の確認ができないようになっているからね。


 確認も済んだことだし、スライムダンジョンをもう1周しよう。

 今日は日が暮れるまで周回(まわ)るつもりだよ。


 ダンジョンに入るとすぐにベビースライムと遭遇した。


「君には【スライムの短剣】の能力を試す実験台になってもらうよ〜♪」


 短剣でベビースライムを一突きすると魔石変わった。


「弱すぎるからいつもとの違いが分からないよ〜!!」


 蹴って倒しても短剣で倒してもなにも変わらなかった。

 なんなら蹴った方が効率がいい気がする。


 結局私は短剣を使わずダンジョンを周回(まわ)った。


 ★


 私は6周目を終え、ダンジョン入口に転移する。


「そろそろ暗くなってきたし、今日はもう帰ろっか」


 クエストのために急いでクリアした最初の2周と違って、遭遇したモンスターを全部倒してクリアしていたら思ったよりも時間がかかってしまった。

 けど、そのおかげでレベルが2も上がり、レベル6になった。


 帰る前にいつも通り魔石を換金する。

 魔石(小)とスライムの魔石が6個ずつで2400円。

 ベビースライムの魔石が143個で7150円。

 合計9550円もした。

 今度こそ貯金するよ!


 家に着いてスマホを開くとLEINの通知が50件以上たまっていた。

 涼っちかまちょかな?

 でも涼っちとLEINするのは嫌じゃないからいいんだけどね。


『まだ〜?』


『早く帰ってきて!』


『私を1人にするな!!』


『泣いた』


 そんなすぐに泣かないでほしい。


『今家着いたよ〜!』


 私がそう返信すると、いつも通り10秒もせずに既読がついた。


『お疲れ様〜! 明日もダンジョンクリア頑張ってね! 私今から用事あるから、またね〜!』


 暇人の涼っちが用事?

 世界にはまだまだ不思議なことがいっぱいだ。


 その後、私は夜ご飯をちゃんと食べて11:00には寝た。

 もちろん食後のデザートにアイスは食べたよ。


 翌朝。

 灰のダンジョンに行くか、スライムダンジョンに行くかで私は悩んでいた。


 灰のダンジョンの方が経験値もお金もおいしい。うまうまだよ。

 でも前みたいにサラマンダーと遭遇してしまう可能性がある。

 確率としてはほとんどないんだろうけどそれでも怖い。


「もう少しレベルが上がるまでは安全なスライムダンジョンにしようかな。死んじゃったら元も子もないからね」


 そんなわけで今日もスライムダンジョンを周回(まわ)る。

 見つけたベビースライムは全部倒す。

 魔石も拾う。

 念の為に持ってきてはいるけど効率が悪いから【スライムの短剣】は使わない。


 ★


 今日も日が暮れるまでスライムダンジョンを周回(まわ)った。


 ――――――――――――――――――――――――

 穂刈 琴音(ほかり ことね) 16歳 レベル8 スキルポイント 70

 状態:隠密

 HP:19

 攻撃力:18

 防御力:20

 固有スキル:「隠密」

 スキル:なし

 装備:【スライムの短剣】【成長の指輪】

――――――――――――――――――――――――


 前よりもレベルもステータスも高くなったけど、状態のとこはやっぱり隠密のままだ。


「早くこんなスキル解除して会いに行きたいよ……」


 ならもっともっと早くレベルを上げるしかない。


「よーし、なら明日はゴブリンダンジョンに行こう。Dランクダンジョンになれば経験値の量もだいぶ増えるはず!」


 ゴブリンダンジョンはDランクダンジョンの中では弱い方だ。

 けど、Eランクダンジョンと比べたらレベルが違う。

 レベル8の人がゴブリンダンジョンに行くのなら2人以上で行くのが普通と言われている。

 でも私には隠密がある。

 ハズレスキルだけど一応固有スキルだ。

 そこらのスキルとは強さが違うよ。


「絶対にクリアするぞ〜!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ