#68最終話
翌日から勇者達は送還されるまで【トウト】や【ノルトキオ】の観光を始めた。まずはそれぞれに腕輪を渡して10万程チャージ。これで少しは買い物など楽しめるだろう。基本は観光案内の魔導アンドロイドをつけて案内させた。
話の中でステータスオープンを教えた。それを聞いた田中は頭を掻きむしり、
「それは盲点でござった。なぜ拙者は試さなかったのか」と嘆いていた。
やはり称号にはマイナス称号である〈不正に召喚されしもの〉がありレベルキャップが30という物だった。送還されればこの称号と職業やスキルはリセットされる。
2日経つと聖教国と帝国の主要な場所は制圧された。そして首謀者やその取り巻き達は王国に運ばれて処刑される。
聖教国は解体されて今後は王国に吸収されることとなる。帝国領は【8領連合国】が治める事となった。【8領連合国】は名称を変えて【アストミナル連合国】となった。どちらも【ノルトキオ】の支援を受けて魔導化が進む事となる。
【ノルトキオ】各地を観光してその地球と変わらないかそれ以上のものに触れて楽しんだ。四日が経った頃には日帰りでロイヤルホエールを使い宇宙ステーションへと行った。
これには感動したらしく充電が復活したスマホで撮影をしていた。
翌日は幼稚園へと見学に行った。そこでは田中が暴発。小さい猫耳や犬耳の子達に囲まれて絶叫。
「天国でござる!尊いでござる!」と動画や画像を撮っていた。楽しんでもらえて良かった。連れて帰るのはダメ。コラ離しなさい。
機動魔導兵装や可変型魔導兵装の複座の教導機に搭乗。これにも田中は絶叫。
「本物のロボでござる〜!」とこれも動画や画像をパシャパシャ。
最終日前日にそれぞれに魔力波紋を登録した時間停止マジックバッグを渡した。この容量は軽自動車1台分程。
他に真空パックされた角ウサギの綺麗な死体がそれぞれに2体づつ。魔導ランタンも2つづつ。魔石も2つ。こちらの言語で書かれた歴史書を1冊づつ。
あちらに帰ったら政府なり研究機関に渡して異世界の存在を証明できるようにした。
あと俺の我儘で1つお願いをした。上手くいけば良いが。
送還当日、午前中はマッタリ過ごす。
午後1時になった。広場が一瞬輝き魔法陣が現れた。
それに4人が近づいてこちらを振り向く、
「世話になった」
「助けてくれてありがとう」
「元気でな」
「拙者、一生忘れないでござる。ヨヨヨよ」と泣き出す。お前は猫耳犬耳と別れたくないだけだろ。
「ああ、お前らも元気でな」
4人が魔法陣の中央に達すると強く魔法陣が輝き上空へと光が立ち上り4人は光に飲まれ消えて行った。
これでひと段落か。帝国も聖教国も何とかなったからマッタリするかな。さて何を作るか。
「きゃー」「なんだ!」と渋谷のスクランブル交差点の真ん中で光が生じると巨大な魔法陣が地面に現れてその中央に4人が現れる。
「へ?」
「何これ」
「なんでここなんだよ」
「派手でござるな」
すぐに交番から警官が現れて職務質問を受けて一年近く前に失踪した高校生4人だと確認された。
この魔法陣から4人が現れた光景は複数のスマホで撮影されて複数の動画サイトやSNSにUPされた。
突如昼間に起こった不思議現象はテレビや各メディアで取り上げられて4人はあっという間に時の人となった。
保護されて警察に事情を説明した当初は警察も猜疑的であったが提出された異世界の生物の死体や未知の技術で作られた魔導具のランタンを研究施設で確認したところ地球の生物ではなく、ランタンも現在地球で確認されている技術で作られた物ではないとされた。
ここで緘口令を敷く事となったがその前にマスコミに異世界から齎された物がリークされて連日報道されることとなった。
そして更なる燃料投下。田中のスマホにあった小さい猫耳犬耳動画が上げられると爆発的に拡散。初めはCGか?という意見もあったがプロが解析した結果加工した形跡が無いことが判明。
異世界の存在が明るみになる。
剣と魔法の世界かと思われたがまたまた田中のスマホから動画と画像が投下される。
先鋭的な魔導艦や機動魔導兵装が写り、トドメとして可変型機動魔導兵装が飛行形態から人型形態に変形して機動する姿が見られると更にヒートUP。異世界すげーとなった。
4人はマスコミに追われる事となったが1年もすると少し沈静化。
この日4人は東京はF市に来ている。比較的近くに競馬場がある。
JRから乗り換えて単線のローカル線に乗り終点駅で降りる。住所を何回も確認して辿り着き。少し古めの一軒家の前で表札に“猪狩“と書かれているのを確認。4人は安堵して溜息吐く。
天音が代表して呼び鈴を押すと中から「は〜い、少し待ってね」と声がする。
ガチャっとドアが開くと中から70才近くと思われる女性が出てくる。
「あら何かしら?」と女性。
「あの私は天音と言います。実は息子さんの猪狩裕也さんから手紙を預かっています」
「?。息子は18年前に亡くなっているのよ」
「はい存じています」
「あら、あなた達どこかで見た事あるわね」
「あはは」と4人は顔を見合わせる。
周りを確認すると「まぁここでは何だから玄関に入って頂戴」
「はい、お邪魔します」と4人は少し広めに作られた玄関へと入る。
そこで異世界での出来事を順に話すと
「あーあなた達テレビに出てたわね」
「はい、出たい訳では無かったのですが仕方なく」
「そうなの、じゃあ裕也はその異世界に転生というのかしら?転生して生まれ変わって生きているというのね」
「はい、それでこれを預かってきました」と手紙とアクセサリーを2つマジックバッグから取り出す。
「信じられないけど」と手紙を受け取り中身を取出し読み始める。
すると「お父さん!ちょっときて頂戴!」
「何だ!うるさい」とどかどかと奥から70歳を超えているが元気そうな男性が出てくる。
「どうした?」
「これを読んで頂戴」と手紙を渡す。
『父さん母さん元気か?
俺だ裕也だもう17年前になるか突然死んじまってゴメン。会社で2徹してアパートに帰って風呂に入った所までは覚えているのだけど、どうやら溺れ死んだのかな?
迷惑を掛けたゴメン。
何故かわからんけど地球とは違う世界に転生した。生まれ変わったらしい。
それも前世の記憶が蘇った時はスラムで死にそうになっていて孤児だったんだ。もちろん産んだ親の顔もわからない。
だから俺に取っては前世の両親が両親だと勝手に思っているんだ。なんか勝手にゴメン。
なんか謝ってばかりだな、ハハ。
何とか信じられないかも知れないけど神様のサポートもあって何とか生きていくことが出来たんだ。
ちょっと偉くなったんだぜ。まぁそれは良いか。
一緒に渡したペンダントだけど健康や身を守るお守りみたいな物なんだよ。着けてくれると嬉しい。お願い着けて。
ちょっと気になるのはアパートに残したベットの下の物とかどうなったかな?捨てていてくれていると助かる。中身は見たか?見たよね。はぁ〜必ず捨てていてくれていると祈っているよ。お願いします。
そんなこんなでなんとかやっています。
勝手に親だと思っているのはホントに御免なさい。姉さんは元気だと思うから何も用意してないけど子供は大きくなったよね。
色々書いたけどくだらない事で死んだけど、父さんも母さんも長生きしてくれ。
まあ、とりあえず
異世界で元気に生きてます 』
最後までお付き合い頂きありがとうございます。一応、この物語はここで完結となりますが・・・・ええとですね、この68話が書き終わったのが3月の初めでして3月の終わりに某公開が5/21に公開延期になった某アニメの予告2を見まして・・・そのセリフをどうしても使いたくてその後を勢いで書いてしまいました。なので後7話程続きます。ですが予定ではここで最終話と決めていたのでメインストーリーはここで完結とします。
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