#56
3月になり東の大陸を目指してキングホエール級1番艦で飛び立つ。今回使用するキングホエール級1番艦は空間拡張により各種装備が増して航続距離や収納格納能力が格段に増強されている。その試験飛行・試用も兼ねている。
あまり急ぎの旅でもないので高度7000mを時速500㎞で移動。東の大陸まで7500㎞を約15時間で到達する予定。まずは衛星から確認された比較的大きな港を目指す。
朝9時に【ノルトキオ】から飛び立ち、特に何もトラブルもなく24時には東大陸の港上空に到達。迷彩・魔力隠蔽・認識阻害をかけて朝まで上空で待機する。
朝7:00、少し離れた場所に降りて港町に近づく。特に門を潜る時に呼び止められることもなく町に入れた。
耳をすませば言語は【アストミナル大陸】と同じ、文字も周りを確認すれば同じと分かった。不思議。
流石に貨幣は違い魔石を幾つか売って貨幣を手に入れる。デザインは違うが石貨、鉄貨、銅貨、銀貨、大銀貨、金貨までは確認できた。大体は同じような価値だ。
色々情報収集したところ、この大陸は【ミルドラ大陸】。この国は【フラントン王国】。
この大陸の冒険者ギルドの支部があったので登録してみる。
受付に行き登録をお願いすると水晶に手を置き鑑定されて登録。登録には銀貨1枚掛かった。
職業が錬金術師だとわかると珍しがられた。どうやらこの国では魔導具作成や開発が盛んに行われているらしく、錬金術師はほとんどが王都で働いているらしい。
特にこの国の第三王女が錬金術師らしく、馬が要らない移動用魔導具や現在は空を飛ぶ魔導具を開発中ということだった。
ふむふむ。なるほどなるほど。
一度キングホエールに戻る。港町沖20㎞地点まで行き迷彩・魔力隠蔽・認識阻害を解く。高度を200mで飛行しながら港町上空を通過。そのままこの国の王都まで姿を見せながらゆっくり進む。途中500mまで高度を上げて上空で停止して夜を過ごす。
朝また高度200mまで下げて姿を見せつけながら王都へとゆっくり進む。地上では混乱しているらしく王都へ向かう街道を馬が全速力で駆けていくのが見える。
それから五日掛けて王都城壁手前に到着。城壁上には投石器が並び城壁前にはびっしりと兵と騎士・魔法師が並ぶのが見える。2万人位かなこの短時間では集めた方じゃないかな。
「ナビ」
「はい」と近くから声がする?へっ?と振り向くと綾波○イがいる。唖然としていると、
「私は3体目」とか言い出す。それはスルーして、
「何をしているんだ?」
「同行します」そうですかそうですか。もう一体魔導アンドロイドを連れて小型飛空挺で整然と並ぶ軍勢の前に着陸して降り立つ。
すると豪華な鎧を着た騎馬兵がこちらに駆けてくる。
「其方達は何者だ!」と騎馬兵。
「私はこの大陸の西にある【アストミナル大陸】にある【ノルトキオ】国を治めるレオン・ノルトキオだ。空に浮かぶ飛空艦でこの大陸へ視察に来た。代表者はお前か!」
「私は【フラントン王国】第一騎士団団長ワーレン!貴公らは敵対する気はないのだな!」
「もちろんだ!単にまだ見ぬこの大陸まで視察に来た!この国とも友好を結びたいと思っている」
「分かり申した。協議するゆえしばし待たれよ!」と戻っていく。
ナビと魔導アンドロイドは机と椅子を用意してお茶を入れる。レオンはゆっくりと椅子に座りマッタリお茶を楽しむ。
30分経った頃、3騎の騎馬兵に囲まれながら2人が馬に乗り近づいてくる。
10m手前で止まると、
「私はこの国の宰相ヴァルター・ヴィンドル。こちらは王太子のクラウス・フラントン様だ。」
「私は西の【アストミナル大陸】にある【ノルトキオ国】を治めるレオン・ノルトキオだ。お茶を用意したこちらへ来られよ」
お茶を飲みながら歓談。明日王城へと招かれることとなった。上手くことが運んだ。
翌日午後、迎えの馬車が飛空艦の真下まで来る。それにナビと共に乗り王都の城門を潜る。王都内を見つつ王城へと入り謁見の間に通されて【フラントン王国】国王のディートリヒ・フランクトンに謁見。その後は客間に通されて歓談。終始和やかに過ごしてこの日は王城へ泊まる事となった。
翌朝は朝から王城内にある王立錬金工房を見学、【フラントン王国】では最新の魔導車を見たり、開発中の魔導飛行機も見学することができた。
遺跡から発掘された魔導モーターを元に試行錯誤して作られた動力が使われておりその苦労が窺える。動きはするものの稼働時間が短くパワーも小さい魔導飛行機の動力には使えないものだった。辛うじて魔導車の動力としてなんとか使えるレベル。
錬金術師達と話していると、
「その方達が西の大陸から飛んできた者達か?」と15、6才の少女が声を掛けてきた。
「これはアマーリア王女様」と錬金術師。
「はい、そうです私が西の大陸から来た【ノルトキオ国】を治めるレオン・ノルトキオです」
「これは失礼した。私は【フラントン王国】第三王女アマーリア・フラントンです。錬金術を嗜んでいます。あの城外に浮かんでいる船は如何様にして飛んでいるのですか?」と錬金術師も交えて話になり明日にキングホエールに見学乗船することとなった。
この日も王城へ泊まり翌朝にキングホエール見学となる。
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