#51
7月。タイト商会は商業都市の北にある王国最大の港街【ドルダニア】と王都西にある迷宮都市【モルトア】に予定通り出店。魔導化も進み順調に予定を消化している。
【ノルトキオ】では【トウト】と港町間の鉄道敷設工事が完了。月末から運用開始となり8月の海シーズンには賑わうだろう。
帝国はと言うと東陣営と西陣営は小競り合いを続けてはいるが膠着状態となっている。
【8領連合国】ではタイト商会と【ノルトキオ】による魔導化への準備が進み8月の完全運用に目処が立ってきた。
【トウト】の寮の食堂で久しぶりにマッタリしていると、
「おう、大将!」「大将、チ〜ッス」
とロキとガロが挨拶してくる。
「大将お願いがあるんだが良いか?」
「なんだ?」
「ほら、前に魔導セイバー作ってもらったろ。アレなんだが魔導歩兵用の物も用意できねえかと思ってよ」
「同じタイプの魔導セイバー持ってる全員か?」
「おう、そうだ」
「分かった。用意しとくよ。装備する場所は腰の背面で良い?」
「良いぞ!サンキューな大将!」
と出ていく2人。
『ナビ頼めるか?』
『了』
『マスター、あの2人からカラーリングも専用にしたいと申請がありましたが?』
『良い良い。それも頼む』
『了』
王都直轄領にある遺跡で見つけた書籍から気になる文章が見つかったとナビから報告。それは先史古代文明の前に滅びた文明があったらしいと。
そしてこの文明が魔法文字を作り上げたのではないかという文章だった。先史古代文明の首都に秘匿された資料があったとあったが今回の遺跡では確認できなかった。何を秘匿する必要があったのか気になるところ。
去年から建造している星間魔導大型艦の進捗状況だが開発していた航行技術にブレイクスルーがあり来年半ばには完成することができる事となった。これは楽しみ。さすナビっす。
開発していた航法とは船体前方に異次元空間を展開して、そこに落ち込み続けることで船体の殆どを異次元空間と現界と狭間を進み障害物を透過して進むという技術となる。異次元空間と現界の狭間という曖昧な領域に留まり続けることが困難を極めたが何とか克服。これにより計算上は光速での移動が可能となる。凄いね。ナビが。
ブレイクスルー出来た要因としては異次元住居を使っている時にナビが現界にいるドロイドと通信が可能だった事から魔力が異次元空間に対して介入、浸透できる事が分かったことからだ。まぁ、それができないとそもそも任意の異次元空間を作成・出入などできるはずもなく、今回は現界との境界を自由にコントロールできる技術の開発に繋がった。さすナビ。
現在の技術だと設備がかなりの大型となり空間拡張を使ったとしても、今回建造している魔導大型艦にしか装備できない。これからは小型化の研究が望まれる。
多分、この技術が進めば任意の地点を結んだ空間移動が可能になる可能性が出てきた。動いている惑星のある固定された座標をどうやって取得するかがわかれば可能だろう。
【トウト】の街中を歩いているとホント色々な店ができている。学校、スーパー、コンビニ、書店、図書館、魔導車整備工場、焼肉屋、牛丼屋、定食屋、ホテル、魔導設備工事屋、ファミレス、海鮮料理屋、麺類などなど多様だ。
魔導鉄道も出来てホントに地球の日本と変わりないような風景だ。
魔導テレビ放送もチャンネルが増えて、ニュース・アニメ・ドラマ・バラエティ・映画など様々なコンテンツを提供している。
魔導フォンも作られて徐々に浸透してきている。これも腕輪と連動して相手との通話と簡易メールが可能。魔導スマートフォンも開発中である。
少し大きめの公園のベンチに座り休憩。
子供達が遊び走り回り楽しそうだ。あぁ、この平和な光景が続けば良いなぁ。しみじみ思う。少しはマシな世界に近づいただろうか?
まだまだだな。まぁ、頑張ろう。




