#38
7月になりました。現在【アルイド】にて暇潰し中。
今月キングホエール級4番艦キングヴァルが就航した。装備は2番艦、3番艦と同じ。それに伴いキングホエール級1番艦を改修、主に格納庫を縮小して居住スペースを拡充。特にVIPエリアを広く取りVIPルームを4部屋とした。VIPルーム1部屋の大きさも広げて2層2部屋、3層2部屋として3層後部にあった食堂、大浴場を2層に円形エリアに配置、一般部屋も縮小して10部屋(2段ベット2つ、4人部屋)のみとして円形広場半分に縮小した浴場と縮小した食堂・売店を設置した。3層円形エリアは変わらず。食堂は一般用と2層VIPエリアにVIP用厨房を作成してVIPルーム各部屋へ配膳する。中の設備特に魔核や魔石バッテリー、重力制御装置が最新の物に置き換えられて性能がUPしている。また今回格納庫に積んでいるのは地上との連絡用の30人乗りランチのみとなっている。
この改修したキングホエール1番艦の試験飛行兼ねて【アルイド】に来ている。
何か活気がある。商業ギルドがなくなってお陰で国内の流通が活発化した影響が出始めているようだ。良きかな。良きかな。
空の入道雲を眺めながら、ふぅ〜と一息吐く。だいぶ暑くなってきたなぁとか思いながら雑貨屋で冷やかして、魔導具屋に何も考えずに入るとニコ〜っと微笑む高貴な人が手招き、名前確かなんだっけか?まぁ無視するわけにも行かず、その手招きに応じて近づく。
「やっと会えたよレオン君。今日会えなければ諦めるところだったよ」
「はぁ、なんでしょうか?」
「僕の事忘れて無いよね?ノルドだよノルド。覚えているかい?」
「ハイ、覚えています。遺跡の件ですか?」
「それもある。ちょっとこれから用事があるんだけど君もついでに来てくれないか?用事が終わればすぐにお話できるからねぇ。時間は大丈夫かい?」
「はぁ、大丈夫ですがかなり時間はかかりますか?」
「チャチャっと済むよ。もうすぐだよ」
と店のドアが開き、
「ノルド様探しました。また勝手なことをして今日は大事な会合の日ですよ」
「アレンちょうど良いところに来た。レオン君とまた出会ってね。レオン君もついでに連れて行くところだったのだよ」
「ノルド様、あまり勝手なことをされては・・」
「アレン、まぁ良いではないか、さぁ行こう。レオン君ついてくるがいい」
「これ付いていって大丈夫ですか?」とアレンの顔を見ると諦め顔で、
「言い出したら聞かないから付いていって。まぁ大丈夫だと思うよ」
「はぁそうですか」ととぼとぼ付いていく。
歩いて行くと行政館に入って行く。これ絶対面倒くさくなるやつだ。とため息を吐く。
アレンが係員に何事か話すと係員が先頭に立ち誘導し始める。3階建の最上階まで階段を登って通路を奥まで歩くと大きな扉の前に止まり、扉をノックすると中から声が聞こえ扉を開いて中へと入る。
凄い場違い感が半端ない。更に高貴な方がソファーに2人座っており背後に一番高貴っぽい人の後ろには帯剣した騎士が、もう1人の後ろには執事のような人が立っている。素早く4人を鑑定。なるほどなるほど。
ノルドは軽く手を挙げて挨拶すると一番高貴な方の前の3人掛けソファーへ遠慮なく座る。どうしていいかわからずアレンの横へ立っているとヒョイヒョイと手招きする。
「おいでレオン君。今日は君もゲストだ。遠慮なく横に座るといい」
「はぁ」と諦めて言う通りに隣に座る。
「この子。レオン君。僕と秘密を共有する仲だからよろしく」というと、一番高貴な方と横の1人掛けのソファー掛けている方が頭を抱える。
「大丈夫なのか?」と1人掛けに座る方がいうと、
「大丈夫、大丈夫これから話す事なんて些細な事と思えるぐらいの秘密共有している仲だから」
はぁ〜と溜息を吐くと諦めたのか話し合いを始める。
内容は、隣国である帝国の現状。
王国に隣接する帝国領北側8領が共和制の国へと纏まりつつあり、王国に対して秘密裏に同盟関係を求めている。8領が纏まるなら同盟関係を築いても良いと王国は考えている。旧帝国勢力の防波堤として。
帝国の南と西で皇族の生き残りの妾腹2人を頭にして争っている。どちらが勝つかは不透明。
帝国領北側暫定共和国との取引。共和国側は貴重な鉱石類を出し、王国側は小麦などの食料を出す。これも取引成立する可能性が高い。
共和国も商業ギルドの排除。足元を見て食料の値段を吹っ掛けてくる商業ギルドを信頼出来ない。排除して王国を見習いたい。
以上の事を話し合った。
すると1人掛けに座るお方が、
「それだけではない。問題なのは帝国から山を越えて逃げてくる民達だ。特に亜人種達は今回の騒ぎで奴隷となっていた者も集団で逃げ出している。100や200程度ならなんとかなるがこれが今や2000、3000と増えている。更に増える情報もある。これがなんとかならなければ共和国との取引も出来ない可能性がある」
「国境でなんとか留め置いてはいるが限界だろうな」
「なんか良い知恵はないかい。そうだレオン君何か無いかい?無いだろうなぁ」
「無いこともありません」
「!、どういうことだい?」
一度全員を見渡した後、
「ここにいる方達は信頼できる方達ですか?それが分からなければお話することはできません」
「レオン君と言ったか?信頼と言っても色々とあると思うが少なくとも私達はお互い信頼しあって今ここに集まって話あっているんだ。それじゃダメかい」
「では初めに。私の名前はレオンと言います。14歳の公の身分としては冒険者ギルド所属の見習い冒険者です」
「そっかなるほど、では僕からノルド・ミルドア。ミルドア子爵領領主で現在は【ルミノルド】の領主と言った方がわかりやすいかい」
「ふむ、では次は私かなここ【アルイド】管理するオースティア伯爵領領主、アレクシス・オースティアだ」
「最後は私だね。隣街【フェルエド】を管理するダイモルド男爵領領主、ラスティン・ダイモルドだ」
「ああ次はアレン、君からお願いするよ」
「ハイ、ノルド様。では改めまして私はノルド様にお仕えするアレンです」
「次はワシかな。ここ【アルイド】騎士団長を勤めるレオナルドだ」
「では失礼して、私はダイモルド家に仕える執事長をしておりますサンチェスと申します」
「これで全員かな。それでレオン君話を聞かせてくれるかい?」とアレクシスは話を切り出す。
「それではいくつかの話を開示いたします。それにあたり付随する話もします。少し長くなりますが宜しいでしょうか?」
「構わんよ。私達は今日ここ【アルイド】に一泊する予定だからねぇ」とノルド。
「分かりました。話をさせていただきます。皆さんの信用を得る為に1つ秘匿されている情報を開示します。よろしいですか?」
その言葉に全員頷く。
「それでは皆さん“ステータスオープン“と唱えて下さい」
すると小声で全員“ステータスオープン“と唱えると、
「な、なんだこれは!」「!」「ま、まさか!」「そんなバカなことが!」とかそれぞれ声を出して話だす。
「皆さん。落ち着いてください。“ステータスクローズ“と唱えると消えます。どうですか?」
と全員揃って“ステータスクローズ“と唱え消してはまた“ステータスオープン“と唱え確認している。数分して頃合いと判断して話だす。
「職業は10歳になると教会に行き洗礼を受けると、職業と生活魔法を授かることができるとされていますが、実は7歳になれば誰でも“ステータスオープン“と唱えればステータスを開示することが出来、表示された職業を選択することが出来ます。スキルは選択した職業固有のスキルが付与され、ステータスにSPというところに数字があると思いますがそれを消費して自由に選ぶことが可能です。それではSPの所へ意識を向けて見てください」
全員「おお」とか「むう」とか唸る。
「皆さんのステータスに取得可能スキル一覧が見えますでしょうか?」
全員頷く。
「スキル名の横にある数字が取得するのに必要なSPになります。更に皆さんの中にはレベル5を越えている方もいると思いますが、職業2を設定すると更にその職業に関連するスキルが追加されます。また日々の行動でも取得できるスキルが追加されることもあります。ここまでよろしいですか?」
全員が一斉に頷く。
「ではここからは少し話が逸れるように感じるかもしれませんが聞いてください」




