#29
7月に入り保養施設も完成。気温も高くなり【トウト】内の全ての商店・売店で水着の販売が始まる。学校敷地内には25mプールと子供用プールが作られて一般にも開放された。
保養施設は休みとなると泊まり客が訪れて営業を始めた。評判は上々で大展望温泉やレストランでのバイキングなど好評だった。昼時に女子ターゲットのケーキバイキングツアーとかも良いかも。
新たな子達も必死に勉強や錬金術の訓練・狩りなどを行い周りに馴染始めた。
8月になりこの月から12月頭までの計5回の打ち上げで宇宙ステーションを打ち上げて宇宙空間で組み立て作業を行う。今回の計画では宇宙ステーションの維持管理制御機能の構築と少人数が居住できるスペースと生命維持機能の構築で最低限の規模となる。それが終われば順次拡張していく。
12月終わりに有人船を打ち上げる。今回は俺1人と宇宙ステーションで活動する魔導アンドロイド6体で宇宙に行く。宇宙活動用魔導ドロイドは今回8月の打ち上げ時に10体、その後打ち上げ毎に5体運ぶ。合計30体となる予定。主に船外活動や危険な作業を行う予定。
年末年始は宇宙で過ごす予定だ。
10月になり農作物も収穫された頃に錬金術を訓練していたドワーフ達に取得可能スキルに錬金鍛治が追加されてお祭り騒ぎ。魔導工学も学び初めて訓練用教材も工作してステップUP。いくつかのプロジェクトに見習いとして参加し始めた。
エルフ達は薬草栽培や地球の知識を応用した薬品作りや知識を吸収し始めて抗生物質といったこの世界でなかったものも作る事に成功する。人体構造や細胞といったことも知識として吸収。実際に顕微鏡などで確認して認識できるようになり、今までの回復魔法では治せなかった怪我や病気も知識により治療することが可能となった。ここ【トウト】の医療技術は飛躍的に進歩した。
11月に入り中旬になる頃、キングジュリノに乗り巡回していたトールから亜人種の集落を見つけて接触中だと連絡があった。
見つけた集落3つ、近くに集落を作りそれぞれ熊獣人族、狼獣人族、ドワーフ族の3種族が寄り添い助け合い暮らしていた。比較的大きな集落で3つの集落を合わせた人数は468人になる。
生活は祝福も受けられず困窮しており、すでに他の亜人種が暮らしていてドワーフ族も暮らしていると聞き集落全ての人員を連れて行って欲しいとなった。このことから急遽キングバレンも現場に向かわせて2艦で【トウト】まで運んだ説明は【トウト】に暮らす亜人種達も交えて行い。納得してもらい誓約をかけた。
その後は新たに長屋を増築して突貫で対応。なんとか11月中には長屋へ収容することが出来た。後はナビにいつもの通り丸投げ。よろしくお願いします。
12月の頭、宇宙ステーション第1期計画最後の打ち上げが終わり宇宙ステーションの完成が間近になる。
数日で宇宙ステーションは完成。機能のチェックが始まり全て問題なくクリアする。
12月中旬に去年から建造していた大型飛行艦が完成。大きさはキングホエール級の5倍。試験はまだだが宇宙にも行ける。
名称はロイヤルホエール。ロイヤルホエール級1番艦となる。
収容人員は2000人。内部は8層となり全長はキングホエール級の6倍となる。格納庫は8倍となる。
魔導重力制御機構に浮遊石、推進に魔導パルス式引力推進機構にて推進する。速度は机上ではマッハ9で航行が可能。
内部に引力発生機能を搭載していて船内は擬似重力にて宇宙空間でも活動可能。これは初期の宇宙ステーションでも居住区に採用されている。
管理制御は大型魔核20基による並列制御にて管理運用される。圧縮型空間魔力補充魔石バッテリー搭載数は1000基。潤沢な魔力により探知索敵範囲は1万㎞を超えて同時ロックオン誘導可能数100目標となる。魔導誘導式ライトボルト100門装備、射程は1000㎞。近接武装として30㎜魔導バルカンバレット200門となる。魔導全周5重ハニカム結界。生命維持装置複数装備。想定は宇宙空間のためこのスペックとなっている。今考えられる技術を全てを注ぎ込んだ艦艇となる。
艦載機は現在開発中。
今回は魔導アンドロイド100体と魔導ドロイド200体を乗せて大気圏を突破して宇宙空間に出て周回して帰還する無人ミッションとなっている。
カウントダウンが始まり、音も無いままロイヤルホエールは急上昇。すぐに視界から消える管理制御室に行き現状を確認する。すでに周回軌道に乗り周回を始めたと報告があった。順調だ。
この後は数周周回して不具合がないか確認して帰投となる。予定は3時間後。
3時間が経ち外で待っていると帰りも音も無くスーッと降りてきて帰投完了。無事にテストは終了。この後は点検して不具合箇所が見つからないかチェックして来年に予定している有人飛行テストに控える。
今日は12月30日。有人ロケットの打ち上げの日。
古代文明では分からんがこの世界で初めて宇宙へと行く。
宇宙服に身を包みロケットに乗り込みその時を待つ。
バイザーから準備完了の報告がある。
カウントダウンが始まる。
60、59、58、57・・・・・
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1
『大型スラスターブースター始動、打ち上げ開始します。マスター良い旅を』
その声とともに軽いショックを感じて浮遊感が起きてガツンと強烈なGを受けて打ち上げられたのを感じる。
時折感じるショックとともにブースターを切り離した趣旨の報告がバイザーに聞こえる。
最後のブースターを切り離した時には重力を感じなくなり窓から見える景色は青く光る惑星を映し出す。
これが俺たちの住む星か綺麗だ。素晴らしい。
『ナビ、この星に名前はあるのか?』
『ハイ、古代文明では“アーロス“と呼ばれていたようです』
「アーロスか」と呟くとその青く光り輝く星に魅入られてしばし見惚れる。
すげーな。ホント転生して良かった。こんな体験ができるなんて。スラムで死にそうだったのが嘘みたいだ。
神様に感謝!
『周回軌道に入り宇宙ステーションへの接触軌道へと5分後に軌道変更します』
この間も刻々と移り変わる星の表面を眺めてその眼に焼き付ける。
『・・・4、3、2、1。軌道変更します。』
と少しの間スラスターが動き若干の振動が感じられた。
『20分後に宇宙ステーションへと接近。ドッキングシークエンスへと移行します』
20分後宇宙ステーションに接近。15分で宇宙ステーションとドッキング。
魔導アンドロイドが先導してハッチを開けて中へと入っていく。前室へと入り宇宙服を脱ぐと魔導アンドロイドの先導のもと居住エリアへと辿り着く。
重力がある。安心するね。自分の部屋には大きな窓が設置してある。これは本来ならモニターとするべきだが肉眼で見たいとわがままを言って設置してもらった。一応危険な光線はカットする結界が働いているため光量も調整される。
窓から見る【アーロス】は幻想的で綺麗だ。現在見える地表は夜側で暗いがそれもいい。
昼側に回った時に魔導タブレットで撮影。丸く地表と宇宙が分かれている画像を撮り、ナビにお願いして船外からの【アーロス】全体が丸く写った画像を撮ってもらい、魔導タブレットを持つ全員に2枚の画像と文を送付。
一言、「私達が住む星“アーロス“」と送付。
今年も色々あった。住民も増えてこうして宇宙まで到達した。来年はどんな年になるのだろうか?
楽しみだ。
では良いお年を。
お読みいただきありがとうございます。
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