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「キョウちゃんまだヤバいことになってんねー、今日も来れないの」

「ああ、うん。面倒臭いし、待つしかないんじゃね」

「ちぇー、キョウちゃんいないとつまんなーい」

「言いながら楽しそうだけどな」

「へへ」


 俺が取り巻かれている状況に面白半分で口を突っ込もうとしているのだろう、スタジオの美術品の人形の手を動かして訊いてくるカンタに俺も、その状況をさもアホらしく思っているように、タンブラーに口を付けて野菜ジュースを飲みながら言葉を返す。うん、今日の野菜ジュースもなかなか上出来だ。


「そういやさ、そろそろデュエット曲作らないとヤバいんじゃね」


 フラフラと下手くそなリフティングをしながらやって来るミチヒサにテーブルを囲んで座っていた一同が顔を上げた。


「カンタとマサシがよく組んでるからナシっしょ、俺とミッチも結構やってるし、バラバラにした方がよくね」

「俺は結構フラフラしたり一人で歌ったりしてるけどな」

「だってアレじゃん、キョウスケは自分の世界がしっかりしてるから。なんというか、触れにくいんだよね」

「わかる、なんか、ちゃんとキョウちゃんに歌ってもらって丁寧に扱ってほしい。だからこそ歌いたいなー、ズルいなーって気持ちもないわけじゃないけど」

「な、そう」


 スグルとカンタに唐突に褒められてしまいびっくりするしかなく目を点にしてると、ミチヒサが、


「ならそこ三人で歌えばいいじゃん。てことは俺はマサシとか」

「そうなるかな」

「ちょっと待って、俺キョウちゃんの世界に勝てるかわかんない、何なら優しい曲書くマサシとキョウちゃんスグルでやった方が良いと思うけど」

「たしかし」

「てか勝たなくてもよくね」

「たしかし。でもそれは賛成だわ」

「じゃあ俺は、ミッチと、ってことで」


 ミチヒサに体重をかけるように肩を組んで、カンタは歯を見せて笑った。流石、歯磨き粉のCMをやっているだけあって、カンタの歯は人一倍白く見えた。

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