9話 成り上がり1位達成!
ドワーフは丸太を持って凶暴な目でペレスを見ていた。
長い牙が恐ろしい。
獲物を品定めしているかのようにペレスを見ていた。
赤黒い舌が恐ろしい。
「つ、つよい!」
そんなふうに思った瞬間ドワーフは丸太を振り回して走ってきた。
巨体のくせにとんでもなく速かった。
直径95センチのすごい太い丸太だった。
こんなもので叩かれたらぺちゃんこにされる。
「ボロウィンドォォォ!」
青髪普乳美少女のバリタが風呪文を唱えた。つむじ風が吹いた。
だが、ドワーフは煽られながらもまだこっちに走ってくる。
大ぶりの一撃目を何とか避けてドワーフはぐるんと回転した。
だが、そのまま二撃目で決めにくる。
「ケインボルトォォォ!」
金髪巨乳美少女のグリタが雷呪文を唱えた。雷が落ちた。
だが、ドワーフはしびれながら二撃目を当てようと腕を振りぬく。
だが、しびれて狙いが定まらなかったのか避けなくても当たらない。
だが、ドワーフはまだ諦める様子がなかった。
「フレイムトングエェェェ!」
赤髪爆乳美少女のドリタが火呪文を唱えた。火炎の舌が出た。
だが、ドワーフは燃やされながらまだ丸太を振り回している。
ペレスはバトルアックスを構えた。これで倒すしかない。
だが、この凶暴なドワーフ相手に僕は勝てるのか。
だが、ドワーフはペレスが迷う間に三撃目の丸太を打ち込んできた。
だが、ペレスたちはそれを寸でのところで躱した。
ペレスはハンマー投げの容量でバトルアックスを投げつけた。
だが、ドワーフは身軽にそれを避ける。
メイン武器を手放したのを見てドワーフはニチャァと笑った。
だが、ペレスは特にそれを拾いに行こうとはしなかった。
代わりにドワーフがアックスを拾い上げると突っ込んでくる。
だが
瞬間、ペレスを中心に円形の魔法陣が浮かび上がる。
光の線が潜水艦のソナーのようにぐるりと一周する。
丁度時計の文字の位置に12のダガーが現れた。
向かってきたドワーフがそのひとつを踏みつけた。
「ギャアアアァァァ!!!」
あまりの痛さに飛び上がり横に逸れていく。その先のダガーも踏む。
転倒した背中に3時と4時方向のダガーが同時に刺さった。
ドワーフは絶命した。
+ + + + +
「よし!今日のクエストでランキング3位になったぞ!」
「すごいですペレス様!あと少しで1位です!」
凶暴ドワーフ狩りのクエストを終えてエスコベドは3位になった。
そこに事務員のナチョがやってきた。
「今1位のセトゥバルと2位のマルティモが町のお抱えになって抜ける。
片道分の運送手配をしておけ」
また引き抜きがあった。最近は2位でも引き抜かれる。
つまり1位と2位が抜けるからエスコベドは・・・
「やったぜ!ついに僕たちが1位だ!」
「長かったです!ここまで苦労した甲斐がありました!」
すっごい努力をしてここまでたどり着いた。
ペレスはナチョに言った。
「どうだ!僕が1位だぞ!最強無双チーレムだぞ!」
「どこからか引き抜きの声がかかったら連絡するからな」
ナチョはそう言って去っていった。




