7話 運送業再開!
「どりゃああ!!」
「せいやー!!」
ペレスたち4人はクエストに励んでいた。
今日のは町の近くに湧いたスライム退治だった。
「はい、今日のクエスト料とギルドポイント」
ギルドに戻ると事務員のナチョから金をもらった。
ポイントカードもかなり溜まってる。
「今僕たち何位だ!?」
「エスコベドは・・・あーいま23位だ。あとちょっとで20位以内のランキング入りだぞお」
ナチョが煽る。彼は21位以下の誰に聞かれてもあとちょっとでランキング入りだと答えていた。
案の定ペレスたちは明日のクエストも請けようとしていた。
まったくいいカモだ。そう思ってからナチョは思い直した。
こんなテンプレ回答で釣られるのだ。この馬鹿相手なら自分でなくもっと低賃金の奴でもマニュアルさえ渡せばできてしまう。そうなれば自分は今の立場を失ってしまう。
そろそろ独立して雇う側になった方がいいか。ナチョは思った。
+ + + + +
「4人で8時間のクエストやって1万5千Gかあ。きついなあ」
「週5で働くとして・・・30万Gぐらい?ならやっていけるんじゃ」
青髪普乳のバリタのぼやきに金髪巨乳のグリタが言った。
赤髪爆乳のドリタは疲れて寝てた。
「家賃タダだけど食費と光熱費かかるし。武器の修理代も高いよ」
「修理費やちょっとした薬ぐらいギルドが出してほしいなあ」
バリタにあわせてペレスも言った。ビルバオの戦闘メンバーはたしか修理費をギルド経費で落としていたと思う。
アイテムも支給されるものがあった。ここでは何もくれない。
おまけに健康保険にも加入できなかった。協会と新人ギルドとは請負契約で仕事をするからだ。
三日前にはハチの巣駆除のクエストに参加したひとりが刺されたけど、保険未加入で病院にも行けずそのまま死んだ。
「まあいっか。ギルドポイントもらってるし」
「今日も3200ポイントももらった!そろそろランキング入りだ!」
バリタとグリタが言った。そうだ僕たちにはギルドポイントがある。
もっとポイントを稼がないといけない。今月は特に競争が激しくてあとちょっとで20位のところで競り合ってた。
ランキング入りして1位になればオファーがかかる。
そうすれば金ももっと手に入るしちやほやされるはずだ。
土曜日もクエストこなしてもっとポイント貯めよう!
ペレスがそう言おうとしたとき狭くるしい部屋のドアが開いた。
「ちょっと聞きますがこの中で誰か運送手配の仕事経験ある人いませんか」
「僕あります。最強ギルドのビルバオでやってました」
受付のゴメスが入ってきたのでペレスが答えた。
ゴメスはナチョの部屋までペレスを連れていった。
「あそう。ビルバオ?ああ聞いたことあるギルドだ。経験年数は?」
「運送手配は3年ぐらいです」
ペレスはナチョに答えた。するとナチョがにやっと笑った。
「お前に特別クエストだ。今ランキング3位の6人組がエイバル町が依頼したクエストに4泊5日で行く。その手配をやれ」
よくやってた仕事だからすぐに計算できた。6人だから馬車2台で、5日なら・・・10万Gでいける。
他に言われた備品が2万ぐらい。全部で12万Gだ。
「報酬は15万Gと2万ギルドポイント。その金で全部賄え。どうだ」
「やります!余裕です!」
電話一本で3万Gなんてチョロすぎる!ペレスは喜んで帰っていった。
ナチョは部下のゴメスに言った。
「あいつ自分がまだそこそこ名のしれたギルドにいるつもりなのか」
「15万で余裕ってことはそういうことじゃないですか」
ブゥクマ♪ ブゥクマ♪ ブゥクマ――♪
ブゥクマ♪ ブゥクマ♪ ブゥクマ! デュフフフフ・・・
タンタカラッタ♪ タンタカラッタ♪ ブ――ク――マッ! ピピ――
ボブサッポの『最強ギルド追放』をブ――ク――マッ! してね――!
アハハハハ ウフフフ