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4話 ギルド追放

ギルドの掲示板の前でざわついていた。

ペレスがそこにやってきた。掲示物を読む。


「なになに。今後消耗品と通信費運送費は陸軍本部ドキュメントセンター購買係が値決めと注文書発行を全て行う・・・なんだって!?」


ペレスは大慌てで購買係に行った。

同期のサンティ・ガルシアにくってかかった。


「なんで購買係がやるんだよ!消耗品とか運送費は業務課の権利だろ!」

「俺に言うなって。会計からのお達しだ。他の機材とまとめて値決めした方が安くなるからだとさ」


しっしと追い払われた。まずいまずいまずい。

これじゃあもうステーキも海鮮丼も食べられない。


それどころか帳簿にない借りがペレス商会はじめ5社にあった。

予算余ったクエストに付け替え処理しないとばれる・・・。


「あのお購買係長、僕実は前から購買係に行きたかったんで・・・」

「いらん。ひとり募集しているが欲しいのは経験者か有能な新人だ」


ペレスは部屋から追い出された。


+  +  +  +  +


「ミケル・ペレスはいるか」

「は、はいい!」


経営管理本部経理部長付のマルティに呼ばれて僕は返事した。

連れていかれたのは小さな打ち合わせ用の部屋だった。


「要件はわかっているな。お前が今年の頭にはじめた不正についてだ」

「ふ、不正?なんのことですか?」


マルティは舌打ちすると扉の外に声をかけた。

入ってきたのはマルク商会の担当者だった。


「不正を指示したのはこいつで間違いないな」

「はい。この人に命令されたり持ち掛けられました」


ちょ、なに言ってんだこいつ。ふざけんじゃねーぞ。

お前だってステーキ300g食っただろボケが。


「ドワーフ退治で最低252万はかかる業務をさせておいて、注文書はまだ216万分しか出していないんだな」

「そうです。他にも消耗品25万と通信費14万が未処理のままです」


「かと思えば上乗せ発注でキックバックを指示されたと」

「現金のキックバックはなかったですけど、食事代をこっちの交際費で処理しろと言われました。もう何度もです」


マルティはぬっと顔を近づけてきた。


「他にも数社から注文書をもらっていないのに仕事させられたと聞いている」

「そ、そんなわけないじゃないですか。大体注文書ももらわずに仕事請ける方が悪い・・・」


ばん、と机を叩かれて思わずビクっとした。

マルティは顔を真っ赤にして怒鳴ってきた。


「お前のせいでビルバオの信頼が落ちたんだ!期ズレもあるから決算修正までしなくちゃならん!」

「横領については言うまでもねえ!てめえは懲戒解雇だ!」


無茶苦茶なこと言ってきたので僕もキレそうになった。

横領なんて言ったってたかがステーキちょっと食べただけじゃねえか。


大体この僕がうまくやり繰りしてたから安値で仕事を任せられてたんだ。

ビルバオが強いのは全部僕のおかげで・・・


そう言おうとしたけどその前に守衛が入ってきてずるずる引きずられた。

玄関先で外に投げ出されて門を閉じられた。


こうして僕はビルバオを追放された。

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