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奇怪な夢 年越し

作者: 田中太郎

大晦日に学校で卒業生たちが集まる宴会があった。

僕は当時好きだった女の子が来てるかもしれないという期待を抱きながら宴会に参加していた。

もしかしたら、後で会えるかもしれない考えていると、食後はそれぞれ学校の指定された場所に行くようになっていると知った。

本当はまだまだ食後の余韻に浸っていたかったけれども、そういうルールがあるのなら仕方ない。僕は周りの人が離れるのに合わせて席を立った。


夜の街灯に照らされた校内を一人で進んでいく。

僕の指定場所は校舎と裏門のすぐ近くにあるところだった。

ただ、ここに来るまでの間にもこの近くにも、あまり人影を見なかったから少し寂しい。

みんながバラけるように、指定場所が決まっているのかもしれない。

人が近くにいるという痕跡は校舎の小さな入り口の前にある、3,4人分の脱いだ靴ぐらいで、後はちょっと遠くに人がいるという気配だけ。

ちょっと虚しくなって、学校の門の外の様子を見に行く。


気づかないうちにして居場所から遠いところまで来てしまったようだ。

時間に間に合わないかもしれない。慌てて近くの門から校内へ入り集合場所へ急ぐ。

他の生徒を追い越しながら走るが体にうまく力が入らず、思い通り進むことができない。

すると、校内放送が流れてきた。

「年越しが終わるまでは殺されないようにしましょう」

夜の静まった校庭に、単調な声が響き渡る。

僕はそんなことを言われてしまえば、集合場所へ着く前に誰かに殺されてしまうかもしれないと考えてしまう。

人と距離を保ちながら、焦って指定場所を目指す。

校内放送がまた流れて来る。

「相手を殺しましょう」

その声が僕の不安を駆り立てる。

人を殺すのか。僕も殺されるのか。身を守るために包丁か何か持って来た方がよかったかもしれない。一体どうすればいいのか。

と頭のなかで悩んだが、どうすればいいか分からず、安全な場所を探すために、僕は指定場所に急いだ。

すると見知った顔の友人がナイフを持って襲って来た。

校内放送がまた流れて来たが、もう聞き取る余裕がない。

「え、なんで?どう言うことなのの?」

僕は腰が引けたまま、見苦しく笑うように訴えていた。


そこで目が覚めた。

その日は1月の半ばだった。

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