入学式2
入学式とクラスの集合写真を撮り終わると、皆は友達を作って一緒に教室に向かっている。もちろん晴瑠も友達と仲良う話している。駿弥は1人だ。彼はいつもそう。仲良くなっちゃえば楽しそうに友達とふざけあったりするのに、最初の友達を作るのが苦手なんだ。クラスでもずっとひとりですわっている。そんな時だった。晴瑠が来た。
「そーいえば、さっき名前聞き忘れたんだけど…聞いてもいいかな?」
駿弥は少しどもった。
「あ、え、あ、うん。えっと、た、たつみしゅ、しゅんやっていうんだ。えっと、その、よ、よろしく。」
自分でもなんて言ってるのかわかんなくなって急に恥ずかしくなった。
「。。。ぷっ!あはははは。うん、よろしく!駿弥くん!!」
そう言ってずっと笑ってる。
「うるせー」
まただ。後ろの席から。
「んもー、そんな事言わないで、綾斗も話そうよー!駿弥くん面白いよー?」
「俺はいい。」
そう言ってまた寝てしまった。
「ったく、変わんないなー。」
そう言って晴瑠は彼を見つめてため息をつく。
ズキッ。(ん?んんん?今のは何だ?)
胸がぐっと苦しくなるような痛みが一瞬来た。
「どうしたの?」
晴瑠が聞く。(あれ?もう痛くない。)
「な、何でもないよ。」
「そう、なら良かった。すっごい怖い顔してたから。」
「え?そうだったの?変な顔じゃなかった?」
「うん、変ではなかったよ?」
「そっか…」
キンコーン。
「えー。1年A組中山晴瑠、島崎 綾斗。至急職員室に来るよう。」
「え?わたし?」
その瞬間クラスがざわついた。視線がこっちの方に向けられる。綾斗は 放送に気づかず寝ている。
「綾斗!綾斗!あ、や、と!起きて!先生に呼ばれてるよ!」
むく。
「ん。んーーー。ふぁー。」
綾斗は大きなあくびをして起きた。
「ほら!早く!職員室いくよ!」
「え?なんで?」
「何で?じゃないよ!呼ばれたの!」
「えー。俺も行かないとダメなの?めんどくせー。」
「ダメ!ほら行くよ!」
そう言って晴瑠は綾斗を連れて職員室に行った。それから2人は職員室から戻ってくることは無かった。