文法について
学校で何年も英語を習っているのだから、英文法が分かると自信を持って言えるはず。しかしそんな人は多くないでしょう。筆者も自信があるとはとても言えません。
しかし、英語を流し読みするだけなら、文法に自信がなくてもいいのです。aとtheの使い分けなんて、できなくていい。ですが最低限の知識はある方がいいです。それは、英語の文法はドイツ語の文法に似ている、という知識です。
英語はドイツ語と同じゲルマン語系の言語です。だから文法はドイツ語とよく似ている。動詞の活用や名詞の性など、ドイツ語よりも簡略化されていますが、土台となる骨格は同じです。しかし、フランス語、イタリア語、スペイン語はラテン語起源の言語で、英語とは別のグループに属しています。
特に日本人には理解しづらい現在完了や仮定法は、ドイツ語のほうが簡略化されていない分、分かりやすいです。
ドイツ語では現在完了は、過去の出来事を、日常会話で話すときに使うそうです。物語や日記は、過去の出来事は過去形を使います。過去の出来事を、今現在の会話の中で話すときに現在完了を使うのです。そう考えれば分かるような気がしませんか?
仮定法についても、ドイツ語の非現実話法を調べれば、同じものだと分かります。仮定法とは、実現されない非現実のことを述べることを指します。語順や動詞の活用など、英語の仮定法とよく似ています。そしてルールが厳格なため分かりやすいです。
抽象的な文章を読むにはこうした知識が必要になりますが、必要なときに調べればいいのです。別にドイツ語を勉強しろなどとはいいません。特に仮定法は遠回しな表現なので、ネイティブの会話に出てきたときは、敬語以外には、たいてい皮肉を言うときです。ポジティブなことはストレートに言うものです。ネガティブだからこそ、ストレートには言わない、というのは全世界共通です。頭の隅っこにでも入れておけばいいでしょう。
仮定法を敬語として使うのは、wouldやappreciateと一緒に使いますが、慣れればすぐに分かるようになります。会話表現ですのでリーディングではあまり必要ありません。
次回は単語、語彙について書きます。
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仮定法の用法について、上では簡単に書きすぎているので、少し詳しく書きます。例としてwouldを取り上げます。wouldについては会話中で用いた場合、「〜だろう」という推量の用法があります。これも仮定法と同じグループの使い方です。
「失敗です」
「失敗してしまいました」
上のふたつの文章は、どちらが丁寧に感じるでしょうか。
「失敗です」のほうが、乱暴な感じがすると思います。過去形にすることで、距離を置いて敬語的な表現になるのは、日本語も英語も同じです。
wouldも同じで、推量とか可能性とか呼ばれる用法は、過去形にして距離を置き、実現可能性を表現します。
実現可能性がゼロなら、非現実話法つまり仮定法です、可能性が少しあれば推量の用法になります。そして100パーセント実現するなら(させるなら)、意志の用法です。このように考えると、会話でwouldがでてきたら仮定法グループか、敬語のどちらかということになります。
(2018/6/10追加)