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短編

作者: RK

 それは最早手に入らぬもの。


 いつの間にか手放してしまったもの。


 縋りついていたものは既に遠くにある。


 闇の中に揺蕩う小さな光は隔絶されている。


 出口を求めて盲目に進む。


 立ちふさがる壁をこじ開け、道を塞ぐ蔦を払う。


 帰りたい。


 その一心で駆け抜けて来た。


 走って走って走って。


 見えた光に手を伸ばして。


 掴み取ったそれは掌から零れ落ちる。


 青く美しく澄んだそれは残酷だった。


 掬いとったそれを暫し見つめる。


 それは冷たく、指の隙間から流れ出ていく。


 それでも拒絶することはなく、ただ真実のままを映した。


 ここはこんなにも優しく受け入れてくれる。


 青から赤く染まる景色をただ眺め、その身を任せる。


 流れ出る赤は何時の間にか止まって。


 微睡みがゆっくりと訪れる。


 包み込まれる感覚に、やっと帰って来れたのだと思い至る。


 眠りに落ちる。


 安らかに。


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