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百鬼繚乱  作者: やっちら
11/25

万季のこと

 菊井万季。彼女は至って平凡な家庭の生まれである。両親と弟の四人家族で、ごくごく普通の家庭環境の中で育ってきた。性格は明るくて面倒見がよく、学校では多くの友人から相談され頼られるような、しっかり者であった。

 そんな彼女が政景と出会ったのは、小学校三年生の時。家が近所ということもあって仲良くなったのだが、ある時鬼に襲われた。政景と悠子のおかげで助かったのだが、そこで彼らが鬼退治士の力を持つことを知る。

 後から本人に、力があるとバレた時、嫌われることを覚悟していたと聞いて万季は苦笑した。寧ろ、その逆だったのだ。

 万季は政景を好きになった。

 しかし、その想いを政景に伝えることはできなかった。

 その一件以来、政景は必要以上に普通を装うようになる。まず、鬼退治士の力が使えることを周りには黙っていてほしいとお願いされた。政景は切実にそれを願っていたから、万季は子供ながらに彼の気持ちを理解する。いや、同じ年だからこそ、それが知られれば学校でどんな立場になるかを十分に理解したのだ。万季に対しても、自分からは積極的に鬼に関する話はしてこない。他人を巻き込むこと、自分の家系について知られることを、ひどく恐れているようなのだ。そんな彼に対し、告白したところできっと断られる。そう思ったのである。

 そして政景への恋心を持ち続けたまま、高校二年生を迎えてしまった。政景も、自分のことを気に掛けてくれていることは分かっているつもりだ。だけど、彼は決して一定の線を踏み越えては来ない。時間が経てば、いつかは心を開いてくれのではないかと考えてはいたが、そう簡単なものではないのかもしれない。何か、彼を変える切っ掛けが必要なんだろう。しかしその切っ掛けを与えられるのは、恐らく自分ではない。万季はそう考えていた。

「……痛っ」

 人差し指に刺激を感じた。見れば血が、指の腹から丸い雫となって噴き出す。

「ちょっと、大丈夫?」

 隣に座っている友人が裁縫をしていた手を止め、万季を見る。

「うん、大丈夫。ちょっと考え事してたら針、刺しちゃった」

 机の横に掛けた鞄から、常備している絆創膏を取り出して、血の出た人差し指に巻く。

 エプロンに付かなくてよかった――

 万季達が縫っていたのは、文化祭で使うフリルの付いた白いエプロンだ。このクラスの出し物はカフェで、女子用のものを最終チェックし、少し手直しをしていたのだ。

「ねえ。最近さあ、神成君とどうなってるの?」

「え?」

 友人からの思わぬ言葉にどきりとする。

「万季達が一緒にいるところ、見ないんだけど」

 彼女の言う通りだった。あの一件――御三家の人達と出会ってから、何となく気まずい雰囲気になったのだ。心配で悠子に報告したのだが、あの後どうなったのか政景に聞いても「何もない」の一点張りで答えてくれない。

「神成君、放課後は用事があるって言って、文化祭の準備も残れなかったりしてたし」

「……今日はいるじゃない」

「そりゃ前日だしさ。っていうか、そうじゃなくて。いい加減、明日の後夜祭で万季から告白しちゃいなよ」

 彼女の言葉に万季は困惑した。教室の飾り付けをしている政景を見る。大徳寺達と楽しそうにしている姿を見て、胸がチクリと痛んだ。

「告白――か」

 万季は憂鬱な気分で呟いた。



 ――文化祭はあっという間にやってきた。

 万季達のクラスのカフェは中々の人気があり、売上は上々であった。

 万季がお客の注文した珈琲を用意していた時、「みんな聞いて~! めっちゃくちゃ格好いい人に会っちゃった!」と叫んで、女子生徒三人が休憩から戻ってきた。興奮した様子に、周りの皆――特に女子が興味を持ち始める。

 万季も珈琲を用意しながら、何となく耳を傾けてみた。

「私が余所見してて、ぶつかっちゃった人なんだけど、もう超イケメンでね! 『大丈夫?』って言いながら、優しく手を取ってくれて、もうあの笑顔の破壊力はハンパない!」

「マジ!? 超見た~い!」

「どこの高校だろうね。一人で来てたの?」

 大興奮の彼女にわらわらと集まり、質問してくる女子生徒達。

「それが実は、すっごい可愛いロングヘアの女の子と一緒にいたの!」

 悔しそうな彼女の言葉に「彼女持ちかよ~」と落胆する女子生徒達。男子は「可愛い女の子」という言葉に興味を持ち始める。

「そんなに可愛いの?」

「いやでも彼氏持ちなんだろ」

 男子の質問に、彼女は考え込む。

「う~ん、かなり親しそうに見えたけど、もう一人めっちゃ強面の男子も一緒にいたんだよね。三人で来てるみたいだったから、もしかしたら、ただの友達……かも?」

「美男美女に強面男子ってなにその組み合わせ。ちょっと探して来ようかな」

「でもなんか近寄りがたい雰囲気があったよね。独特な空気っていうか」

「あ~、確かに。別世界の人達みたいなね」

「なにそれ、めちゃめちゃ気になるんだけど!」

 女子達は「次会ったら、連絡先聞きなよ!」などと楽しそうにはしゃぎ出す。

 とても楽しそうな様子に、万季も思わずクスリと笑ってしまう。その三人というのは一体どんな人達なんだろうと気になってしまった。

 しかしいつまでも彼女達の話を聞いてはいられない。珈琲の用意ができたので、お客さんのもとに持って行こうと後ろを振り返る。すると目の前には人が立っており、危なくぶつかりそうになる。

「わあっ……と!」

 万季は何とかその場で踏み止まった。持っていた珈琲は無事に死守できたのでほっとする。

 一言文句を言ってやろうと見上げれば、その目の前の人物は政景だった。何故か硬直しながら騒ぐクラスメイト達を凝視している。

「ど、どしたの、政景?」

 万季の言葉に政景はハッとした表情になる。

「……いや、何でもないよ」

 またか――万季の心が再びチクリと痛む。

 政景はそのまま踵を返して「三人か――」と呟きながら教室を出て行ってしまった。



 万季は一仕事終えて休憩時間を貰ったが、ついでに溜まったゴミを焼却炉に持って行こうとグラウンドに出た。

 午後になり、人混みもピークを過ぎてはいたけれど、まだまだ学内は騒がしい。焼却炉周辺はさすがに静かだった。

「静、疲れてない?」

「大丈夫」

 誰もいないと思っていた焼却炉の近くで話し声が聞こえてきた。

 近付いてみると、同年代くらいの男の子二人と女の子が一人。その中には見覚えのある顔が二つ。

 一人はとてもほんわかした笑顔を女の子に向けている優しそうな男の子。もう一人は眉間にシワを寄せて、怠そうにしているちょっと怖い男の子。

 間違いない、この前政景に会いに来た御三家の人達だ。

「誰だ」

 突然、金髪の男の子がこちらを向いたので万季は驚いた。隠れているつもりはなかったが、何となく気まずい。

「あれ、万季ちゃん」

「楼の知り合い?」

「あ、静は会ったことないよね。政景くんの幼馴染だよ。ねえ?」

 然も知ってるかのような楼の問い掛けに、とりあえず頷くしかない。静と呼ばれた子はきょとんとして、万季を見た。

 すごく可愛い子――

 ふわふわの黒髪に、透き通るような肌。花柄のピンクのワンピースがとても似合っている。深緑色の大きな瞳で見つめられながら、さっきクラスで話題になっていたのは、この三人のことなのだろうと考える。確かに、目立つ三人組だと納得した。

「この子は藤ノ宮静っていうの。よろしくしてあげて」

 楼の紹介に、静は慌てたように一礼した。

 藤ノ宮――御三家の中心の一族ではなかったろうか。万季も静につられて一礼すると、楼は何やらわざとらしく「ちょうどいいや、万季ちゃん」と言ってパンっと手を叩いた。

「少しだけ静と一緒にいてくれない? 実はボク達、鬼退治士としてここに来ててさ。あ、心配しないでね。もしもの事態に備えてってことだから。とりあえず学校を一周して悪鬼の気配なんかを調べたいんだよね。静は久し振りの遠出で疲れてるみたいだし。どうかな? ほんの数分だからさ」

 淀なく説明されて気圧されつつ、万季は「か、構わないけど」とどもりながらも答えた。

 楼は大袈裟に喜ぶと、「翔兵、行くよ」と言って、金髪少年の襟首を掴んで引き摺っていく。そのすれ違い様、その翔兵に睨まれたのは気のせいだろうか。呆気に取られながら彼らを見送り、あっという間に静と二人きりになった。

「あの、万季。付き合わせてしまって、ごめんなさい」

 横から顔を覗き込まれ、「いや、そんな」と慌てて首を振る。

「ゴミ、捨てないの?」

 言われて気付く。そういえばゴミを捨てに来たのだったと。万季はすぐそこの焼却炉にゴミを投げ入れた。そしてゴミ袋を持っていた手をはたき、彼女に向き直る。

「さて。えっと、静ちゃん……だっけ。あなたも鬼退治士なの?」

「ああ……違うよ。術はほとんど使えないの。……使えるんだけど、使うなって言われてて」

「どうして?」

「……体が弱くて」

 困ったような笑顔で答える静。少しはぐらかされた気がする。きっと複雑な事情があるのだろう。

 正直、鬼退治士についてはほとんど知識がない。御三家のことだって一般常識とまではいかないし、ましてや神成家の存在など鬼退治士の一族か、コアな鬼退治士マニアくらいしか知る者もいないだろう。そんな万季に、術を使えない理由を説明してくれたところで、きっと理解できないに違いない。彼女もそれを考慮してくれたのだろう。だから「そうなんだ」とだけ言って、深く立ち入ることはしなかった。

「万季は政景と幼馴染……なんだね」

 顔色を窺うように尋ねてくる。

「政景って、すごく優しいね。わたし、政景のおかげでこうして外に出られるようになったんだ」

「政景のおかげで?」

「うん」

 にこりと嬉しそうに微笑む少女に、またチクリと胸が痛む。

「もしかして最近、政景はあなたのところに行ってたの?」

「……そう。鬼退治士になんか、関わりたくない癖に」

 すこし自嘲するような口調だった。しかし、そういうことだったのか。何か術を使って彼女を助けているということだろう。

「ねえ、万季は政景のこと好きなの?」

「へ!?」

 突然話が切り変わり、万季は激しく狼狽した。静は真顔である。

「え、えっと……」

 何と答えればいいのか。万季が言葉に窮していると、

「わたしね――政景のこと好きになったみたい」

「……っ!」

 他人事のような言い方に、一瞬反応が遅れる。意味を理解した途端、今度こそ万季は言葉を失った。

 その様子を見て、静は尚も「万季は?」と顔を覗き込んでくる。

 あたしは――

「好き」

 気付けば口に出していた。

「あたしも、政景が好き」

 ……『も』ってなんだろう。ずっと昔から政景を見てきて、ずっと昔から彼のことが好きだったのに。

 彼女よりも、ずっと前から。

「あたしは――あなたよりもずっと、ずっと前から、政景のことが……好き、なのっ」

 涙が出た。泣くつもりなんてなかったのに。

 静は少し驚いた様子で万季を見つめ、優しく――本当に優しく微笑んだ。

「うん、教えてくれてありがとう」

 静はワンピースのポケットから白いハンカチを取り出し、万季の涙をそっと拭ってくれた。

「ごめんね、泣かすつもりはなかったんだけど。……大丈夫、二人の邪魔をするつもりはないの。こんなに大事に政景を想ってる人がいるって、わかったから。それで満足」

 少し罪悪感に襲われる。ムキになった自分が恥ずかしい。ここまで不安になるなんて思わなかった。

「わたしのは、ただの幼稚な初恋。叶える気もない」

 そういう彼女は、なんだかとても大人っぽく見えた。でも、本当に彼女はそれでいいのだろうか? もちろん、彼女を応援することはできないのだから、自分勝手な言い分にはなるのだが。

「万季に会えてよかった。……あ、あの……あのね」

 急に静が手を合わせて、モジモジとし始める。

「わ、わたし、女の子とお話するのって、あんまり機会がなくって」

「う、うん?」

 何だか可愛い仕草に涙も引っ込む。

「い、いきなり万季を困らすようなことを言った挙げ句に、何を言うんだと思うかもしれないんだけど……よ、よければ、その……と、とも――に」

「え?」

 後半が消え入って聞こえなくなる。だけど静は「ごめん! やっぱいいや!」と苦笑して首を横に振った。

 なんだろう。……もしかして――『友達』?

 万季がもう一度言葉を掛けようとしたその時、

「!?」

 ズシンと、体全体に圧力のようなものを感じた。とても重く、恐ろしい気。

「万季!」

 静に大声で呼ばれ、思いきり腕を引っ張られた。足が縺れて転びそうになりながら何とか踏ん張る。すると、さっきまで立っていた地面がボコッと大きな音を立てて凹んだ。

「なっ!?」

 万季は驚き、腰を抜かしてしまう。静は前に出て上空を見上げた。

「……やっと、会えた」

 嬉しそうな声は、信じられないことに静の見上げた上空から聞こえた。体が震える程の気を感じながら、万季も空を見上げる。

 この焼却炉の近くには木が数本生えているのだが、その中でも一番大きな木の幹に人が立っていた。

 それは白い着物を身に付けた、全身真っ白い人。

 いや、あれは人ではない。鬼だ――

 万季は思う。額に存在する角を見て。

「最近感じていた視線は、あんただったの?」

 静は白い鬼を睨み付けるように言った。この気に臆しない彼女に、やはり鬼退治士の血を引いているのだと再認識する。

「そうか、気付いていたんだね――静」

 この恐ろしい気を放っている者とは思えない程、優しい口調だった。

 綺麗――

 場違いにもそう思ってしまう程、その鬼は美しかった。肌も透き通りそうな程に白く、髪の毛も雪にように白い。まるで雪女という名が相応しいような容姿。

「君に会いに来るまで、少し時間が掛かってしまった。あの屋敷は結界だらけで、僕は近付くことができなかったんだ。ずっと見ていたよ、静」

 見た目からでは判断できないが、その鬼は男のようであった。鬼に性別があるのか、そんなことも万季は一切知らないのだが。体が鬼の気のせいで全く動かない為、どうでもいいことを考えてしまう。

「どうしてかな――僕はまだ目覚めたばかりで、君のことを見つけてからも日は浅いはずなんだけれど……もっとずっと前から静のことを知っている気がするんだ」

「わたしは――あんたなんて知らない」

 静が冷たく放った言葉に、鬼はどこか悲しげに微笑んだ。

「そうか。でも、そんなのはどうでもいいことなんだ。静、僕と一緒に行こう」

 鬼は木の上から軽やかに地面へと降り立つ。

「ふざけんなよ!!」

 瞬間、日本刀を携えた翔兵が勢いよく躍り出た。白い鬼へ赤い刀身を振り上げる。

 が、見えない壁によって弾き返され、翔兵は体を強く地面へと打ち付けた。

「翔兵!」

 静の呼び掛けに、翔兵は「何でもねぇ!」と叫んで体を起こす。しかしかなりダメージは受けているようだった。

「ああ、そこに隠れている君も、変な動きはしないほうがいい」

「……バレてたか」

 校舎の陰から苦々しい表情で姿を現す楼。

「君達のことも知っているよ。静をたぶらかす悪い奴らだね」

「ちょっとちょっと、ひどい言い種じゃない?」

「事実だろう」

「それは、てめぇだろうが!」

 翔兵も立ち上がり、刀を構えた。

「ねえ、静。君はおかしな術を掛けられているね。他人の力が混ざっている……すごく不愉快だ」

 一瞬の内に静の目と鼻の先に移動した鬼は、手を彼女の額に翳す。

「!?」

 瞬間、静は意識を失ったのか鬼の腕の中に倒れ込んだ。

「な!? てめぇ、何しやがった……!?」

「案外、強い術だな……。完全に解けなかった。まあいいか」

 鬼は静を抱き上げ、再び木の上に軽やかに飛び上った。

「待て! ……ぐあ!?」

 追いかけようとする翔兵に鬼が手を翳すと、強い風が巻き起こり、翔兵は吹き飛ばされた。

 楼も、ましてや万季も成す術がなく、鬼を見上げる。

 その時、誰かが駆けてくる足音が聞こえてきた。

「な、何だ!?」

 政景だった。

「静は連れて行くよ」

 しかし鬼は構わず彼女を抱きかかえ、冷たい視線をこちらへ向けた後、異常な跳躍力で学校の天辺に飛び乗った。そのまま離れた建物の屋根を伝って飛び逃げる鬼を、ただ眺めることしかできず、鬼はあっという間に姿を消してしまった。

 茫然としたままの政景と目が合うと、驚いた表情でこちらに駆け寄り、腰を抜かしたままの万季の隣にしゃがみ込んだ。

「大丈夫か!? 一体、何があったんだ……!?」

 万季はあまりの出来事に頭が混乱していたのだが、政景の顔を見て平静を取り戻す。何か言わねばと頭を回転させていると、

「見たまんまだよ。静が連れ去られた」

 楼が険しい表情で言った。すると鬼に吹き飛ばされた翔兵が、少し苦しそうに呻いて立ち上がる。

「……おい、政景! お前、静の居場所わかんねえのかよ!?」

 ガラガラの声で怒鳴り付ける。

「もしかして、あいつは力流の術を解こうとしたか?」

「多分、ね。完全には解けなかったって、奴は言ってたけど」

「ああ……中途半端に解かれた。おれも少し衝撃を受けたけど、静はこの比じゃないはずだ」

 確かに彼女は突然、意識を失ってしまっていた。

 政景は目を瞑り、黙り込む。

「……静の力、まだ感じる」

「わかんのか!?」

「ああ。追いかけるなら急がないと。完全に解けなかったとはいえ、もうあまりもたない。解けたら居場所を感じ取れなくなる」

「……巻き込んで申し訳ないけど、政景くんも来てくれる?」

 少し困った顔の楼に、政景は「ああ」と頷いた。

 万季は政景の腕を掴む。不思議そうな表情でこちらを振り返る政景。

「静ちゃんを……助けてあげて」

 何とか声を振り絞る。

 万季には、ただそう懇願することしかできない。だけど、それでも言いたかった。

 政景は微かに笑みを見せて、「大丈夫」と声を掛けてくれる。

 そして鬼のもとへと向かう彼らの背を見つめ、万季は切実に静の無事を祈ったのだった。

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