0の魔術師のお話し
お気に入り、ありがとうございます^ ^
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
なんと、ありがたいことにこの世界は私のいた世界と料理の種類がほとんど同じ。
今目の前にあるのはロールキャベツとスープとフランスパン。
ロールキャベツにフランスパンっていうのが納得いかないだけで、すべて口にしたことのある食べ物です。
0の魔術師ではあんまり料理自体をじっくり見せないから、こんなのだったのか、と親近感が出た。
やはり作者は同じ日本に住んでいるだけあるな。きっと日本料理を思い浮かべながら食事シーンを描いたのだろう。
ありがたやありがたや。
子ども用の可愛らしいお皿に乗った料理をもくもくと食べている間、お母さんはずっとお花に水をやっている。
それを見ながら私はこの0の魔術師のお話しを思い出していた。
0の魔術師にはもちろん主人公がいた。南 雷牙がその主人公にあたる。
雷牙は友好的で、赤い目、そして赤髪の髪を後ろで束ねた一般的な顔の男の子。まぁ主人公だから、すば抜けてイケメンではなく、よくありそうな性格と言うか……。仕方ないよね。私は結構好きなんだけど、雷牙。
そして雷牙とずっと一緒にいることになるであろう人物が、さっきお母さんとの会話にでた新葉 ザクロだった。
ザクロはとりあえずイケメン。ほんとにイケメン。まじでイケメン。金髪の肩にかかるほどの長髪と、シルバーの目をするザクロは、顔でも性格でもモテた。
これは漫画の世界と私の世界両方でモテてた。イベントでコスプレする人も、ザクロのコスプレがダントツ多いらしい。衣装も綺麗系だったから余計かも。
この二人はお互いを高め合い、良き友となり、学校を卒業し、国一番の魔術師になることを目標とする。ちなみに国一番の魔術師は神導士と呼ばれている。
そしてその神導士、この世界の今の神導士の名前が、蘇羽 瑠依。
この瑠依が己の力をふるい、世界の主導権を握ろうとするのを、世界の魔術師達が抵抗する。
雷牙とザクロもそれに抗うけれど、途中でザクロの妹、ゼクロがそのせいで殺され、復讐のために神導士も魔術師達も殺そうとする。
いわば醜い三角関係みたいなかんじかな。
もっと色々あるんだけど、ざっくり簡単にまとめたらそんなかんじ。
本当にこの漫画はなかなか奥が深い。
漫画に出てきた何人かの良い人やイケメンは作者によって殺されたし、親子愛、兄弟愛、恋愛、すべてが絡む珍しい漫画だった。
ただね、思うんです。
私の立ち位置ってなに?なんなの?
学校で出てくる雷牙達と仲良くなる女の子の一人でもないだろう。だって私は千秋なんだし。そんな子は0の魔術師には登場しなかった。
……でも待てよ。
私はこのお話しを知ってる。なら人が死なないように、相手の作戦に先回りできるように、全て促せばいいんじゃない……?
もしそれができるとすれば、それこそ神導士やそこらの魔術師より更に強い魔術師だけだろう。
それか、いわば軍の指揮官になるか。魔術を使う騎士、印騎士の指揮官は相当な手練れ。きっと指揮官になれば自分の兵隊達を自由に動かせられる。
でも私は指揮を命ずるような人じゃありません。むいてないです。
だから、強くなります。
そして、ザクロの妹が死ななくていいように、雷牙の友達が死ななくていいように、全力を尽くしてみよう。
とりあえずゼクロさえ死ななければあんな酷い戦いにはならないんだしね。
とにかく学校に行くこと。
なんとかしてザクロ、雷牙、そしてゼクロとは関わりを持ちたい。
そうすれば先が楽だ。
いきなり現れても、誰だこいつ、となるだろうけど、仲のいい存在なら私の言うことすることに信用を持ってくれるだろう。
……転生しましたとは……言えないな。
でも!未来を知るのは私だけ。
私ならどうにかできる!皆が死ぬようなことはないっ!!
私がなんとかするしかありません。
なんか燃えてきた。
「なにニヤニヤしてるのー?気持ち悪いわねぇ」
「……」
私の母は少しキツイようです。
まぁ、ここは漫画の世界。深く考えなくていいはず。あ、そうだ。
私帰れるんでしょうか?