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レオニス視点 出会い①

今話も読みにきてくださってありがとうございます。

相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。


一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。

〜レオニス視点〜


あれはティナと出会う前日のことだった。


俺と副団長のカインは、ここアストリエ国王の執務室に呼ばれた。


王宮に入るとカインがため息をつく。


「執務室に呼ばれたって事は魔物の目撃情報ですね。騎士団通したら間に合わないやつ」


「ああ、だろうな」


俺とカインは王宮の侍女と王の執務室の前まで来ると、侍女はドアをノックした。


「陛下、レオニス様とカイン様がお見えです」


「入れ」


侍女の声に陛下が返すと、中からドアが開いた。


「お待ちしておりました。レオニス様にカイン様」


陛下の侍従を務めるルイスが俺たちを招き入れながら挨拶した。


「おお、来たか。急に呼び立ててすまないな」


国王陛下が書類に書き込む手を止めて、俺たちを見た。


「昨日、北の街道でウルフハウンドの大きな群れを見たとの情報が入ってな。知っての通り騎士団を動かすには時間がかかる。悪いが至急魔法師団で調査に行ってくれないか」


この国には立派な騎士団があるのだが、貴族の子弟も多く、調査や討伐に出すには準備に時間がかかる。


そんな時は市政出身者が多く、国王直属の我々魔法師団が都合がいいのだ。


「了解いたしました。準備が整い次第、すぐ出発します」


「ああ、頼む。詳しい話はルイスから聞いてくれ」


そういうと、陛下は書類仕事に戻った。


「お二人はどうぞこちらに」


別室に案内されると、侍女がお茶を持ってくる。


「ありがとう、下がってくれ」


ルイスは侍女を下がらせると、地図を広げた。


「ウルフハウンドの群れの目撃情報があったのはこの場所です。その前にこちらで多数の魔物の痕跡があったとの報告もありますので、群れはこちら向きに進んでいるか、この辺りを広く縄張りにしている可能性があります」


ルイスが地図に場所を指し示す。


「あまり移動しないうちに行った方が良さそうですね」


カインの言う通りだ。


「よし、急ぐぞ。皆を集めろ」


その日の午後には団員全員が出発できる準備が整った。


食料や野営に必要なものはほとんど魔法鞄に入っているから準備に時間はかからない。


「では、出発する」


我々は馬に乗って指定された場所を目指した。



一晩野営し、目的地に近づいたところで、すぐに異変に気付いた。


「急げ! 血の匂いがする」


急に開けた場所に出ると、そこは酷い惨状だった。


「こっちだ! 馬車が襲われているぞ」


かなり大きなウルフハウンドの群れに襲われている荷馬車は横倒れになり、その周りでは戦ったのであろうウルフハウンドの死骸が散乱している。


「まだ生存者がいるかもしれん。気をつけて攻撃しろ!」


大規模魔法は使えない。


団員がそれぞれ、ウインドカッターやアイスランス、ファイアボールで数を減らしていく。


荷馬車の方へ進むと男性が腹を食いちぎられ無惨な姿だ。


彼が勇敢に戦ったのだろう、後でしっかり埋葬してやろう。


荷馬車の中にウルフハウンドが集まっている箇所がある。


もしやと思いカインに声をかける。


「カイン、こっちだ。あそこに生存者がいるかもしれない」


カインと固まっているウルフハウンドを倒していくと、女性の背中が見えた。


「人がいるぞ! 大丈夫か」


が、かなり損傷が酷い。


息はないだろう。


「ダメだ、この人はもう息がない」


女性を仰向けにしようとすると、その下から微かな声がした。


「待て、もう一人いるぞ」


何とか声を出そうとしているのか。


「こっちはまだ息があるぞ」


急いでうつ伏せの女性を抱き起こす。


「生きてるぞ。だか足に酷い怪我をしているな」


俺は魔法鞄から布を出して傷口を強く縛った。


まだ年若い少女じゃないか。


魔獣に襲われて亡くなった俺の妹の姿がチラつく。


「もう大丈夫だ。痛いだろうが少し我慢してくれ。すぐに病院に連れていってやる」


絶対にこの子を助けよう。


何故かそんな気持ちが強く湧いてくる。


その少女は安心したように微笑み、気を失った。


「団長、ウルフハウンドの群れの殲滅が終わりました」


団員のバリルが報告に来た。


「よし、お前たちは他に生存者がいないか確認後、亡くなった人達を弔ってやってくれ」


「はい。その子は……生存者ですか?」


「ああ、だが酷い怪我だ。俺はこの少女を先に病院に運ぶ。カイン! 後は任せた!」


カインが頷いた。


「わかりました。こっちはいいので早く病院に行ってあげてください」


カインの言葉を受けて、ぐったりした俺は少女を馬の背に乗せ、その後ろにまたがると急いで王都の病院に向かった。


何としても助ける。


それにはあそこに行こう。


王立病院へ。


読んでいただきましてありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

投稿ペースは以前より少しゆっくりになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

感想、ブックマーク、評価もよろしくお願いします。


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