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ノエルと買い物②

今話も読みにきてくださってありがとうございます。

相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。


一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。

街に出るとノエルと私はまず洋服の店に入った。


私は両親と旅商人をしていたので王都の街は知っていると思っていたが王都は常に新しい物に溢れているようだ。


「ここが、最近王都で若い女の子に人気の洋服屋さんだよ。さあ、入ろう」


ノエルの案内で、とある洋服店の中に入ると、そこは素敵な洋服や小物で溢れていた。


「わあ、素敵」


私が思わず声を漏らすと、奥から若い女性の店員さんが出てきた。


「いらっしゃいませ。ふふ、ありがとうございます。うちは既製品からセミオーダーまで色々ありますよ」


ノエルさんが店員さんに言った。


「すいません、この子に似合う服どんなのがありますか? 普段着とお出かけ用と欲しいんですけど」


お出かけ?


「あの…ノエル?お出かけする予定はないから普段着だけでいいのだけど」


「ダメだよ。ちゃんと団長から買うよう言われてきているんだからね。これも任務の一環といえばいえなくもないし」


そう言われても、レオニス様のお金で自分のものを買うのは気が引ける。


「ティナ、考えてみて。天下の魔法師団団長の家に客人が来て、家政婦がみすぼらしい格好をしていたらどう思われるかな」


確かに……。団長の家を訪れた人は、団長が家政婦に十分な服を着せられないほど困窮しているか、ケチだと思われるだろう。


「レオニス様はケチではありません!」


「でしょう?それにティナが可愛くしてると団長もきっと癒されるよ。だから色々買おうよ」


少しでも喜んでくれるだろうか。


「それなら……よろしくお願いします」


我ながら簡単に説得されてしまったが、レオニス様の名前を出されると弱い。


それからあっという間にあれやこれや着せ替え人形のように着せられ、気がついたら普段着三着にお出かけ着を一着(ノエルは二着は欲しいと言ったがそこは譲れなかった)さらに下着を数着買ってもらっていた。


「あー楽しかった。勤務中にこんなに楽しい買い物できるなんて。日頃の行いがいいからかな」


ノエルは店を出ると伸びをした。


「あ、ノエル荷物貸して。魔法袋にに入れちゃうね」


私はノエルから荷物を受け取ると、レオニス様にお借りしている魔法袋に入れる。すると、あっという間に服の入った大量の紙袋が収納され、消えた。


「ほんと便利だよね〜。私も欲しいわ」


え?魔法師団はみんな持ってるのかと思っていたが、違うのだろうか?


「団には魔法袋が一つあって、遠征の準備が常に入ってるんだけど、流石に個人にはないね」


そんなすごいものだったのか。


預かっていて大丈夫だろうか。


「あ、団長は自分で作れるから気にしなくて大丈夫だよ。でも団長も流石にレアすぎて誰かに作ってあげるわけにはいかないからね」


ますます持っているのが怖い。


「心配しなくてもその魔法袋は防犯の魔法がかかってるから取られることはないよ」


そんな防犯の魔法もあるのか。世の中には私の知らない魔法が多い。


「ところでお腹すいたね。何か食べにいこう! もちろん団長のお金で」


ノエルがニヤリと笑う。


「え?団長にことわりもなくご飯まで?」


そんなに自由にお金を使って大丈夫だろうか。


「大丈夫、大丈夫。団長めちゃ給料もらってるけど使う暇ないから。たまには使ってあげないとね」


「……」


私が返答に困っていると、ノエルは再び私の手を引いて歩いて行った。


「さあ、美味しいお店教えるからね。行こう!」


そして私とノエルは食事だけでなくしっかりスイーツまでいただいてしまった。


レオニス様ごめんなさい。

読んでいただきましてありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

投稿ペースは以前より少しゆっくりになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

ブックマーク、評価もよろしくお願いします。


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