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220511 狙って駄作を作ることとかベタとか基本とか

 先日Prime Videoである映画を見ました。その名も「必殺!恐竜神父」。どうですか、この頭が痛くなるハイセンスな題名は。あらすじは、両親を事故で失った青年神父が傷心の中訪れた中国でひょんなことから恐竜に変身する力を身に着けてしまいます。強大な力を得た神父は娼婦と協力して街の悪党を倒していくのですが、その影にチャイニーズ・ニンジャ軍団が潜んでいることを知り……、といった感じです。

書いてて馬鹿らしくなるほどのポンコツ映画です。勿論中身もヘッポコポンコツ、なのですが、そんじょそこらのヘッポコポンコツとはわけが違うのです。見ていくとわかるのですが、この映画、狙ってポンコツをしてるんです。つまり、ハチャメチャな脚本も気の利かない台詞回しもちぐはぐな展開も隠そうともしない低予算な映像もそれらすべて意図的に行っているんですよね。あまりの酷さに最高に楽しめました。ちなみに監督は撮影当時映画を学ぶ学生だったそうです。


 それで思ったのですが、この「狙ってポンコツをする」ことって結構難しそうですよね。それをするには、物語の中にポンコツの鉄板やベタ、あるあるというものを組み込まないといけないですから。ポンコツに対する深い理解とセンスが必要になると思います。そう思うと、監督すごいな……。


 それにしても、この「創作物の中に狙ってある要素を組み込む」という行為はハイレベルなことだよなあ、などと思います。よく王道を外した作品ってありますけど、それって王道を十分に極めているからできるんですよね。これを書いていて以前テレビでとある芸人さんが言っていた「王道ができてこその邪道やろ」という言葉の意味を改めて理解できた気がします。


 王道を理解すること。ベタを恥ずかしがらずにやること。鉄板ネタをしっかりと擦ること。これができるようになりたいなあ、と思います。邪道とか、実験的とか、そういった横道に逸れたというか斜に構えた作風ってかっこいいし、惹かれてしまいますよね。でもやっぱりまずは基本の「キ」から取り組むようにしたいなあ、と思います。守破離なんて言葉もありますし。自分のやり口や我流の方法論を語る前に先人たちの知恵を借りていきたいなあ、と思いますね。なんならパクるぐらいの勢いで。そうしていく内にきっとオリジナルなスタイルが確立されるんだろうな、されるといいな、などと思ったところで、終わりにしたいと思います。

読んで頂きありがとうございました。

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