思い出すのはーー。
こんばんは。
この物語、筆者主導というより、いよいよキャラ主導に乗っ取られてきています。
ここまでで、何だこの長編、と思われる方は、
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
に戻っていただければ、サナレスからのことはご理解いただけるかと思います。
なるべくわかりやすいようにしていますが、今の所主人公4名で進めております。
ーーいや、オタクシリーズ入れるとその倍になりますね。
ああ。
何とぞ、わかりやすく書きますのでおつきあい、感想、反応、生きがいにします。
よろしくお願いします。
※
アルス大陸を自由に旅したい。
書物で読んだ大陸はアルス大陸だけではない。
灼熱の大地イドゥス大陸。そして極端に文明が発達しているキシル大陸。
他にも訪れていない大陸がある。
100年生きてきたサナレスでも知らないことばかりだった。
見たこともない氷の大地、南国の蛮族達、地平線が見える海。
書物でしか読んだことがないそれらの世界は、サナレスの冒険心をそそり、いつかは行ってみたいと憧れ続け、王族としての責務を果たしながら、出来うる限り知らない世界を散策してきた。
けれど自分の見識の狭さを今になって恥じていた。
人は死んだら終わる。
どうしてそう思い込んでいたんだか。王族貴族の寿命は、人によってそれぞれだったというのに。
その死した魂がどこに行ったのかまで、科学者であるサナレスは今の今まで考えもしなかったのだ。
アセスの方が、死後の世界が存在すると、先に確信を持っていた。
そして二度と帰れなくなる危険性を犯してまで、その先のことまで考えていた。
サナレス自身は魔道士シヴァールによって冥府に叩き落とされた。そこでソフィアに出会った事実があっても、どこか不確かな世界について目を背けてしまっていた。
「ずいぶん頭が硬くなったものだ……」
後悔先に立たずという言葉が最も嫌いな言葉だったが、今回のこと、穴があったら入りたかった。
リンフィーナの希死念慮にばかり意識がいってしまい、反省点が山積みだった。
「そんなんじゃ、ジョーカーなんて手に出来ないはずだ」
アセスが居ないとリンフィーナは情緒不安定なままで、一方のアセスは自分の命を軽んじる常習犯だ。
サナレスはとにかく二人は一緒にいなければならないと判断した。
嫉妬していないかと言えば嘘になる。
どれほど自分が真摯に向かい合っても、リンフィーナはいつもアセスの危機的状態に自分自身を見失っていた。
ーーサナレスが慰めた時間ですら、その鬱憤を酒で紛らわしていたと知り、けっこうショックを受けた。先刻眠らせていたリンフィーナは、アセスの前で覚醒した。
育て親としては複雑な心境で、身を引いた方がいい頃合いを知らされている。
ただリンフィーナに健やかであってほしい。
嫉妬したとしても、その思いが優先する自分は、育て親の愛情を払拭できない。
そしてムーブルージェ。
過去に愛した女性に気を取られていた。
死が二人を分つまで。
つまり100年前、私達は「死」によって全てを諦めてしまったが、冥府の存在を知らなかった。
もしかすると、冥府をすり抜けて、彼女がまた別の世界に転生していたら、自分は彼女や親友ルカに巡り合えるのだろうか。
馬鹿みたいな期待が膨れ上がると、アセスを咎められないほど、サナレスの中にも「死」への誘惑が広がっていった。
死んだら、終わり?
人として選ぶ権利はあると思った。
でも死んでから次の世は、「異世界転生」なの?
死の誘惑はいつも、とても身近にある。
人って、それを選べばいつでも死ねる。
戦争を経験し、肢体不自由になった戦士は「殺してくれ」と頼んでくる。
死を選べない状態の物の懇願を聞き入れたことがあるサナレスは、「自害」を、選べるということですら切り札だと思っていた。
何度も転生するうちに、異世界で会えるのか?
ムーブルージェに。
そしてルカに。
ラーディオヌ一族での騒動から身を隠し訪れた先は、星林の神殿だった。
サナレスは廃れた神殿跡地に寝転がり、天を仰ぐ。
ラーディア一族の王位継承者。
第三皇妃の嫡男。
リンフィーナの養育係。
引き受けてきたものは数知れず、思い返せば天井が回り出しそうだった。
世界を旅することも、冥府も、今のサナレスにはどうでもいいことだった。
リンフィーナの気持ちがアセスにあると、何度も何度も再確認して痛感した今、ムーブルージェが恋しかった。
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
「脱冥府しても、また冥府」
シリーズの9作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




