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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
70/84

絶対に確認する!

こんばんは。

サブタイトルが、どうなんだろ??

書きたくて連日書いて投稿するとき、ほんとサブタイトルってどうなんだろって、思う!!


三人称とはいえ、コロコロ視点を変えるなって鉄則もわかってますけど、

勢いで変えてしまいます。


そのうち反省して手直ししていきますので、おつきあいくださる方、いつもありがとうございます。

評価してくれる人なんて神ですねぇ。


誰も評価してくれなくても書きますけど、モチベにはつながってます!!!



         ※


 アセスは頭を抱えていた。

 サナレスが何を考えているのかわからない。


 『私はその言葉だけ、聞きに来た』と言ったサナレスは、言葉通り、じゃあと軽く片手を上げて、ソファから腰を上げたのだ。


「もう帰られるのですか? ちょっとっ……!」

 アセスが引き止めようと間髪入れずに立ち上がったが、サナレスは急いでいるのだと言った。


「あと一刻でも構いません。サナレス、あなたのペースにばかり巻き込まれるのでは、納得できません。私のためにも、少し時間をいただけないでしょうか?」

 サナレスが帰ろうとする方向に素早く回り込んで、アセスがサナレスの歩みを止めると、サナレスは片眉を上げた。

「いいだろう。時間をとろう」


 全くこの人は……。

 アセスは苦笑した。

 長年お飾りだったとはいえ、仮にもアセスはラーディオヌ一族の総帥だ。立場上であれば、もっと儀礼的にこちらを尊重してもいいはずだ。


 けれど、出会った時からまるで変わらない。

 彼は身分や立場を乗り越えて、完全に個人と個人の付き合い方で接してきていた。

 根っからの馬鹿というのなら、理解しやすい。けれどサナレスは天才気質で、それがサナレスという人の心情なのだろう。


 だから眩しい。

 だからいつまで経っても私はサナレスに勝てない。


「水月の宮で、我が氏族の民は多くの命を失った。夜襲をかけるなんて自業自得ですが、私を奪われた敵討ちだと、おかしな方向に先導されてしまった」

「全てわかっていると言わなかったか?」

「ええ。クドイと言われても確認します。貴方は私を疑っていない」

「その通りだ。おまえではないーーヨースケだろう?」


「ええ」

 アセスは首肯する。


「けれどサナレス、貴方は過去からの確執から延々とつづく、憎しみを知らない気がする。虐げられたラーディオヌ一族は、何か些細なきっかけがあれば、ラーディア一族を敵視しようと構えている」

「そうだな」

 サナレスは驚かなかった。さすがは100年以上ラーディア一族を、いやアルス大陸を陰日向になり治めてきた男だと思う。


「ラーディオヌ一族において、今単なる銀の森の魔女の伝説が現実のものになって、今にも魔女裁判を行おうと動いてしまっているのですよ。リンフィーナをっ……、つまりその、魔女だと……」

「だから急いでいると言ったのだが?」

「帰って彼女を護ると?」


 そんな考えもわかっていて、アセスはサナレスを引き止めている。

 一刻を急ぐから、一刻で話をつけるつもりだ。


「リンフィーナが大切なのは、私も同じ考えです」

「おまえは、先程から私が理解した内容をなぞっているだけで、時間を無駄にしていないか?」

 そうですよね!

 サナレスという人を把握していなければ、いちいち癪に触る特性がある。アセスは急いだ。


「今ラーディオヌ一族では、天道士級の術士が魔導に落ちたと問題視し、呪術師会と調査兵団が動いています」

「それ、犯人はおまえのことだろ?」

「ーーそうです」

 知られていることは察知していたが、気分がいいものではない。


「愛馬を待たせている。そろそろいいか?」

 サナレスは完全に今の自分との会話に飽きてきていた。

 だからアセスも、単刀直入な発言を意識する。


「私が張本人なんですけどね、その嫌疑を掛けられているのが、今回の水月の宮の件があって、ラーディオヌ一族の呪術師会は、リンフィーナを標的にし始めてしまったのです」

「ほう」

 やっとサナレスの興味を引いたようだ。

 サナレスがこちらに意識を向けるのがわかる。


「瞬間的にでもリンフィーナの力は、天道士並、いや遥かにそれ以上の魔道の匂いがして、そのような嫌疑が彼女にかかってしまったのだと、私は推測しているのですが、ーー彼女の身に何が起こっているのです?」


 サナレスは視線を少し漂わせた。洞察すると、どこまで自分に話したらいいのか束の間戸惑い、迷ったようだ。


「サナレス!?」

 時折彼は深い思考に落ちた時、全ての動作を止めてくる。


「ああ」

 けれど今回は、すぐに戻ってきた。


「なぜ、リンフィーナが人外の力を得ることになったのです?」

「ああ」

 話せば長い話を、サナレスは一瞬で自分に伝えた。


 リンフィーナが伝説の銀の森の魔女のラバースで、リンフィーナに魔女が覚醒し、この魔女がじゃじゃ馬なのだと。

「じゃじゃ馬って、貴方ねぇ……。表現としては非常に分かりやすいのですが、リンフィーナはこの先どうなってしまうのですか? 我が氏族はリンフィーナのことを既に標的にしてしまっているのです」


「魔女が覚醒しても、大したことではない」

 サナレスは答えた。

「けれど人外の力なのですよね? 私の使役下にいる風の精霊長が、これって前代未聞なんですが、休暇願いを出してきた。彼女には今後いっさい近づきたくはないと」

「ああ……」

 このサナレスの相槌には、ついにそこまできたのかという落胆する様子が見られた。少しはサナレスの感情に触れたようだ。


「もう一度言いますね、どうすれば、私は彼女を救えるのですか?」

 サナレスは、彼にしてはレイコンマ数秒の世界で歯切れ悪く答えてきた。

「おまえは気を揉むな」


 この瞬く間の反応で、現状サナレスにとっても未確定要素が多いことを、アセスは悟った。

「わかりました」

 ちょうど一刻が経とうとする時間に、アセスはサナレスと違う方向を見て、サナレスの進行方向を退いた。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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