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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
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食べ物はつまり調味料2

前章?から引き続き長くなっています。

最新小説の影響か、食とかレシピ思考がうるさいんだなと考察されます。


反応、ブクマを励みにしています。

お付き合いよろしくお願いします。

        ※


 サナレスが食糧庫に備蓄していたオートミール。ここにきて麦の品種が違うだけのものだと知って、リンフィーナは無駄な外来語に騙されたことに小さく落ち込む。


 そしてさらにゲンナリした。

 麦パンケーキ、麦おにぎり、麦粥、麦煎餅。

 ナンスが貧民だった頃に食べていたという食べ方の全てを試し、流石にお腹がいっぱいになって飽きてきた。


「どれもこれも食べられますわよね……」

 言いながら眉根を寄せているタキの、言わんとすることは理解していた。

 ハチミツやバターという旨味を足して初めて、美味しいと言えるレベルにはなるけれど、単体で工夫しただけでは美味しいと言えない。


「サナレス兄様はこういった食べ方、ひと通り知っていたのかしら?」

「だと思うよ。戦時中はよく食べられた食材だし、殿下って確かエヴァの時代を生きたひとでしょ? いくら王族だといっても、多分知ってるよね」

「だったらこれ、今水月の宮にいる民に出してもあんまりかな?

「古くからいる近衛兵は、サナレスが知っているようにこのオーツ麦のこと知っているでしょうしね」

「そう……だよね」

 肩を落とすリンフィーナに向かって、ナンスは言った。


「だからこそ、ラーディオヌ一族から運んできた調味料が役に立つのかも」

「そうですわよ! そのために調味料がいると言っていたんですもの。原点に戻っただけですわ」

 ナンスもタキも全力で励まそうとしてくれている。いつの間にか同志のように息があっていて、リンフィーナは少し救われた。


「わかった。そうだよね。そんな簡単にオートミールを制することができるなら、サナレス兄様がとっくにやってる。本来の仕事、調味料で工夫しよう」

リンフィーナは改めて決意を口にした。


「想像するに、調味料って甘い、辛い、酸っぱい、渋い、塩っぽいとかをかけ合わせて作るんだけど、甘いってのは合うんだよね」

「おにぎり風にした時の塩っぽいのも合いましたよ」

 料理好きのタキは思うところがあるらしく、何かを掴んでいるようだった。


「甘辛い。塩味とかは合うと思います。だからそういうふうに調理した食材は全て合うのでは? ご飯として見立てるなら海苔とか梅も合うかも。それに蒸す、揚げる、煮るでいうと、蒸すと揚げるが適していますわよね」

「蒸す? そういう調理方法は知らないなぁ」

「魚や肉のすり身みたいにして、中華風に蒸してみてはどうかしら? 味付けの調味料には困らないわけですし。野菜とすり身にするのは?」


 すり身?

 サナレスが好きそうだと、嬉しくなった。途端に元気が戻ってきて、リンフィーナはすり鉢を用意した。

「うんタキ! 中華風天心にしてみよう! 薄皮が作れれば餃子にしてもいいよね?」

 中華はパワー食で、今お腹を空かせている民には好印象のはずだった。


 きっとギロダイは焼いた肉で勝負する。だったらこっちもパワー食を用意しておかなければ勝てないと思った。


「だったら僕は数種類の油を作るよ。漬けダレになると思う」

「私は皮を捏ねますわ。リンフィーナ様はネタを作るのに、この袋いっぱいオートミールをふやかして捏ねてもらえます?」

「わかった!」

 その作業、味付けでもないし、肉体労働の範囲だからね。

 リンフィーナは甘んじてその役割に着手した。


偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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