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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
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原点で思うこと

こんばんは。

本日自己研鑽という勉強を諦めて、気の向くままに書いています。


先でフランスに移住するつもりですが、フランスに言っていられるの!?

そこだけ気になります。

            ※

 

 何を置いても衣食住が大事。食料、住環境、衣装の順番で大事だと、サナレスは常日頃から考えていた。

 王族といえど、いつラーディア一族を出て行ったとしても、この時代、この世界を生き抜いていける力を身につけている。

 サナレスには自信があり、取るべき行動のセオリー(行動理論)通りだった。


 人の根源は食べて生命を繋ぐことにある。

 お金がなければ食べられない。

 お金がなければ、家族ですら奉公先に売るような貧しい世界だ。


 貴族だろうが王族だろうが、関係はなかった。

 人は今いる場所を失ったら、身ひとつなのだ。

 食を確保するには、この世界では職に飢えないこと、つまり衣食住を守るための金銭を得ることだった。


 もう、その心配ない。

 サナレスは遊んでていても金銭が自動的に手に入ってくる経路を幾重にも築いてきた。


 開発した物の特許権、金貸しを行う組織の金利取得権、そうした金で秘密裏に雇用した者から得るリベートを考え抜き、すでにどこに身を置いても遊んで暮らせるようにまでなっている。


 親友ルカの子供を引き取って、その子の育成に責任感を感じてラーディア一族を離れられず、やっと自由になれるというタイミングで、リンフィーナを赤子として育て始めた。


 無一文だったとしても、一人でなら旅に出るのは簡単だった。その日暮らしで、野宿ですら楽しんだらいい。

 けれど赤子を連れていては無理。

 衣食住を整えないわけにはいけないと思った。


 病気だった最愛の人ムーブルージェ。

 過去の自分は彼女が病気で、旅する自分の気ままな世界観に、彼女の生活を巻き込むことはできないと、彼女との訣別を決めた。守りたい弱い存在がいると、自分は見果てぬ世界に行くと言う行動ができない。


 捨てようと思っていた、最愛の人と一緒にいる未来。

 でも最愛の人の最後を知って、自らの非情さに後悔し、現実を知った。


 気づいたのだ。

 病気だったとしても彼女が生きているから、自分は見果てぬ大地を夢見ることができた。ムーブルージェ、彼女を失って、どこに自分の居場所があるのだろうかと目の前が真っ暗になり、思い知った。


 過去を振り返っても、あの時の自分の決断は間違いではない。

 愛するものが幸せでいてくれて初めて、自分の幸せが重なり合う。


 わかっていたから、リンフィーナという守らなければならない存在を意識した時、鉄壁の守りを固めようとした。


 ーー今、永い時を経て、自分の積み重ねた力があれば、可能になることもある。

 自分は旅しながらでも、あの時ムーブルージェにできなかったことを、リンフィーナ二できる。どこにいても彼女の生活を守れるようになっている。


 リンフィーナを妹として授かったその日から、どうしてか自分の夢と彼女と一緒にいる未来を両立する方法を模索し続けて、可能にしていた。


 いつも間にか世界の各地に拠点を築いていた。

 その拠点は小さいものだったが、自分が滞在する期間を一定時間取ることができれば、ラーディア一族を捨てても、リンフィーナのために設えた水月の宮を捨てても、同じ環境を設られた。


「ーー温泉をひけるかどうかは風土上の問題があるけれど……」

 そこはリンフィーナに少しの間辛抱して貰えばいい。彼女の暮らしの質を落とすことに抵抗はあったけれど、必要最低条件はクリアしていた。


「殿下、お食事です」

 拠点として購入した館内では、暮らしを落とさない程度の食事が提供される。

「忙しい。後で食べるからそのままにして置いてくれ」

 気が乗らなかった。

 たとえ今、貴族が食べるようなご馳走が用意されていても、サナレスは見向きもできなかった。


 求めているものが違う。

 どれほど安定した生活があったとしても、飢えない食糧が豊かに並べられていても、違う。


 何を食べるのかではなく、

 たぶん誰と食べるか。

 誰と先を一緒にいられるのかなのかもしれない。

 1人でいるのなら、こんな設えは意味がなかった。


 だからずっと空っぽのままだ。

 ムーブルージェを失ってからずっと、空っぽのままなのだ。


 冷えていく食事に背を向けて、サナレスは血清を量産するように実験を続けた。

 妹として育てることになったリンフィーナの温もりが恋しかった。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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