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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
48/84

調味料とか

うっ。続き、その他足す作業しています。

お付き合いよろしくお願いします。

       ※


 調味料、この時代主に薬味といえばラーディオヌ一族の存在を無視できなかった。

 多分ラーディア一族の皇女で、ラーディオヌ一族のアセスという人のコネを使えば、正直調味料を手に入れることは不可能ではない。


 でも、この状況でアセスを頼っていいのか!?

 そう考えると思考が堂々巡りしてしまい、ただ前に踏み出せないまま俯いてしまった。


 だってさ。

 最初アセスは初恋の人だった。

 それが思わぬ幸運というか、サナレスがアセスを自分の婚約者に選んで、自分達は結ばれるかと思った。

 でもいろいろなことがあってアセスと自分は婚約を解消し、結果リンフィーナはサナレスを選んだのだ。


 それなのに、アセスを頼っていい?

 それは虫が良すぎる考えに思えて、リンフィーナは躊躇した。


 いくらラーディア一族の民が飢えているからといって、オートミールを食料として供給するために必要だからといって、ラーディオヌ一族総帥のアセスに「調味料ください」と言えるほど、リンフィーナは恥知らずではない。

 なんとかすると言った手前、なんとかする方法論を考えあぐねていたが、アセスに頼るというのは違う気がして、結局のところ久々に変装してラーディオヌ一族にお忍びを計画し、ラーディオヌ一族の民里から必要なものを買う他ないという考えに至った。


 ラーディオヌ一族の民は漆黒の民。夜の髪と瞳のものが大半で、部外者が混じり込んだら、それは目立つこと間違いなしだ。


 アルス大陸を含めた世界情勢が不穏な時、他の国の民を警戒するのは当たり前で、ラーディオヌ一族にあって今や兄弟氏族であるラーディア一族の民に対しても、肯定的ではないように思えた。先日サナレスがアセスのことを慮ってラーディオヌ一族の王族を事実上更迭したことも相まって、ラーディオヌ一族がラーディア一族に反感情を持っていることは感じ取っていた。


 うっ!

 この状態で、ラーディアの民、しかも貴族丸出しの銀髪の容姿で、おいそれとラーディオヌ一族に調味料を買いに行けないことはわかっていたので、リンフィーナはまた自らの髪の色を変えるという行動に出た。


 そんな方法、今まではないと思っていたけれど、キコイアイン一族の地に行って初めて体験できたこともあったのだ。

 髪の色は変えられる。

 特に色素が薄い銀髪は、色とりどり、様々な髪色に変色することが可能だと知った。

 染料を教えてくれたのもラーディオヌ一族の民、ナンスという少年だった。


 再び銀髪から黒髪に髪を染めたリンフィーナは、サナレスに苦言を述べられることを予想しながら、アセスではなくナンスを頼り、使者を送った。

 体裁を構う暇もなくて、ナンスならば大丈夫かと判じ、「とにかく食糧難で、せめて調味料が欲しい。買い物に付き合って!」というような内容を赤裸々に伝達したが、思いの外返信は矢のように早かった。


『お困りのようですね。いつでもラーディオヌ一族を案内いたします。迎えは必要ですか?』

『ううん。頼み事だからこちらから行くわ。明日の夕刻、ラーディオヌ一族関所西門まで来てもらえる?』

『御意』

 なんすらしからぬ言葉で即座に承諾され、リンフィーナはほっと一息ついた。


 ラーディオヌ一族で物資を調達するために買い物する。それだけのことなのに一人ではやはり不安で、案内役が必要だった。リンフィーナは引き受けてもらえたことに感謝し、タキから必要な調味料の類について聞き出してメモをとった。


偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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