ワクチン
こんばんは。
GWも終わって日常に戻り、私のルーティンが始まっています。
朝起きてストレッチ、朝食と昼食作ってシャワーしてロードバイクで仕事に行き、帰ってきてユーチューブ見ながらご飯を食べて、勉強してから小説を書く。
こんな些細な日常を楽しんでいます。
※
血清の採取と問診による治療を終えた頃には、もう空が白み始めていた。
サナレスは集めた血液を持って、臨時的に港町に購入した館に戻った。宿屋をとってもよかったのだが、未知の病気について研究しなければならず危機管理の観点からおいそれと宿に居を構えるわけにはいかなかった。
またサナレスの容姿はこの界隈ではかなり目立っていた。
医師の姿に扮するため常に白いフードを目深にかぶって出歩いたが、浅黒い肌の者が多いこの国で、金髪青緑色の目の長身の男などそういるものではなかった。
「殿下、食料を運んで参りました」
「ああ」
交感神経が優位になっているのか食欲は湧かなかったが、館に身を隠している間アイリが食料を調達して配膳した。
「状況はどうだ?」
研究室で作業しながら問いかけると、アイリは申し訳なさそうに答える。
「病気の不安がある者には、免疫を投与することに賛同を得ることができましたが……、一般の民にはまだ受け入れられておりません」
「そうか。直に完成するから、では患者の家族から投与していこう」
「注射が打てる医師や兵士を集めました」
「ああ、よくやった。では医師や兵士にも先に投与しよう」
アイリが表情を強張らせている。
未知のものが怖いのは当然だった。
「あのーー、では私達もあの患者らの血を体に入れるのですか?」
「ーー正しくは血ではないが……、その通りだ」
「ーー。」
アイリは言葉を詰まらせた。
「なんだ、不安か?」
「いえ、そんな気遣い恐れ多いです……」
そう言いながらも、アイリの表情は不安に眉を寄せていたので、サナレスは彼女の目の前で自分の身体に今出来たばかりのワクチンを注射した。
「殿下!!?」
慌てるアイリに対してサナレスは「これで少しは安心して打つことができるだろう?」と肩をすくめた。
「人の魚人化ってのも、長い間かけて沈殿されてきた汚物のようなもの。もしくは生きていく上での進化かもしれない。このワクチンを打ったからといって、一足飛びにどうにかなるわけではない。医師や兵士であるなら理解すべきだな」
サナレスはそう言って注射器一式を彼女に渡した。
「私はまだ少しやることが残っている。この館をしばらくは離れるが、いいね?」
確認するように彼女を見つめると、アイリは少し喉を上下させ、頭を下げた。
「仰せの通りに!」
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
「脱冥府しても、また冥府」
シリーズの9作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




