同盟国への裏切り
こんばんは。
今日は徳島に行ってきました。
こんな時勢だから、県外に行くことが減っているので、少し新鮮。
海を渡るっていいよね。
※
「皇女リンフィーナ、ご報告申し上げます」
アセスのことが気になるという個人的な思いから使者に出した近衛兵は、声を振るわせ、水月の宮に陣を構えた自分の前に片足をついた。
興奮気味の兵士の言葉を待つより先に、リンフィーナは自分が気掛かりになっていることをまず問うた。
「我がラーディアとラーディオヌ一族は兄弟氏族。ラーディオヌ一族の総帥……アセス様はご無事か?」
「ーーはい! 皇女がご心配される必要はなく、ラーディオヌ一族の総帥は玉座に戻られご健在です」
ああ、とリンフィーナは神に感謝したけれどーー、それを知らせてくれた、自分が縋りついて感謝の意を述べたい相手である臣下は小刻みに震え、斜め下を向いている。
「よい。何があったのか全て申してみよ」
リンフィーナが言葉を促すと、臣下は悲痛に顔を歪め、振り絞るように言った。
「恐れながら、皇女が情けをかけていらっしゃるラーディオヌ一族は、すでにラーディア一族との同盟を反故にする意志を表明されました。大神ジウスが鎖国し、お隠れあそばされたことを理由に、同盟国である協定を破り、この機に乗じてラーディオヌ一族の勢力をアルス大陸に示そうとする兆しがあり、ラーディオヌ一族では士気が高まっています」
え?
完全に虚をつかれ、何テンポも遅れて問い直したかったが、神妙な臣下の様子に無理やり感情を合わせるように持っていく。
アセスが、ラーディア一族と敵対関係になる?
露ほどもそんなことを考えていなかったので、何かの間違いではないかと、まさかの事態に戸惑ってしまう。
「ラーディオヌが同盟を破るなどという不遜な行動、そのようなことを口にするなんて、ーー確たる証拠はあるのですか?」
「ーー証拠などございません。ただ私が見聞きしてきたことだけをお伝えする他ございません」
けれど、と目の前で首を垂れている臣下が心底口惜しげに言う。
「私の目には、ラーディオヌ一族の総帥はこれまでの様子ではなく、国益などを考えることもなく、気が触れたとしか……、いえ……、強硬な手段に出ているとしか思えません」
「それはーー? なぜ、そう考えるのです?」
「ラーィオヌ一族の王が不在の間、王はヨースケ・ワキという金融商人に国を任せていたようです。王が帰られた後も、おそらく政権はヨースケというものに渡っているようで。ラーディオヌ一族では今、民衆がラーディア一族に敵対しております。またーー古くから王族であるアルス一族貴族でさえ、ヨースケという者が王の片腕として働きかけ、政権を更迭した様子です」
「ーーそれだけでは同盟国であるラーディア一族に反旗を翻したことにはならないでしょう?」
兵士は搾り出すような声で、「いいえ」と言った。
「皇女様がラーディア一族の王であるアセス様に何を期待していらっしゃろうと、私が見てきた様子から、ラーディオヌ一族はもう止まりません。おそらく近日中に、ラーディアに攻め入ってくることかと……」
そんな?
「止まりません、姫様。この地は危険ですので、ダイナグラムに戻られた方がよろしいかと」
そんなこと、現実だろうか?
偽りの神々シリーズ紹介
「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫
「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢
「封じられた魂」前・「契約の代償」後
「炎上舞台」
「ラーディオヌの秘宝」
「魔女裁判後の日常」
「異世界の秘めごとは日常から始まりました」
「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」
「脱冥府しても、また冥府」
シリーズの9作目になります。
異世界転生ストーリー
「オタクの青春は異世界転生」1
「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」
異世界未来ストーリー
「十G都市」ーレシピが全てー




