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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
18/84

人って結局1人だし

こんばんは。

変わらず書いております。


相変わらずテレワークで、なんだか仕事のエンジンがかかるようなかからないような。

おかげさまで、夜にエネルギーが残っていて、こうして描きたいものも書けています。


応援、反応、よろしくお願いします。

前書きでしか宣伝できない、無知な私。

        ※


 おそらくは自分の何十倍もの人生経験があり、人に無関心なサナレスを唸らせ、兄が腹心にしてきた元人の王は、じっくりと自分を品定めしているようだった。

「いいんじゃね? 無理ーーいや言い方が違うなぁ。無茶したい人ってのは嫌いじゃねぇ」


「それで何をしたらいいっていうのよ!?」

 半ばヤケクソになる自分に、ギロダイは心底嬉しそうに笑う。

「あ? さっきから言っているだろ。無茶すればいい」


 むううううう!

 だから具体的にどうしたらいいのかわからなくて、リンフィーナは地団駄踏んだ。

 それがわからないから何をしたらいいのか聞いてるっていうのに、歴史を生きた猛者はやはり意地が悪い。


「無茶ってなに? 今ダイナグラムに入いれたばかりなんだけど、そっからどうすればいい?」

 大神ジウスに助けを求めるのは違うと言われたことだけは覚えていて、リンフィーナは焦る。

 ジウス様を頼らなくて、だれを頼れっていうのだろうか。サナレスは今居ないのだ。


 母であるセドリーズ様のご助言をもらうのか。それともダイナグラムに戻って兄を待つか、ーーそれとも……。

 逡巡する思考でいっぱいになり、俯いて奥歯をぎゅっと噛み締めている。最近の悪い癖で、解決できない問題があると必要以上に歯を食いしばっていた。


「簡単なことだろ?」

 リンフィーナを愉悦するようにギロダイは言った。

「あんたは、どうしたいの?」


 え?

 聞くまでもないのに。思わず薮睨みしてしまうリンフィーナは、少し唇を尖らせて反応した。

「この火事を鎮火したいに決まっているでしょう? 今にもダイナグラムの歴史が燃えそう。そんなのは耐えられない!」

 ギロダイに聞かれて、振り絞るような声が出た。ここで話している時間ですら、一分一秒が大切で、時間を無駄にできないと思っていた。


「それだけ本音を口にできるなら、無茶するってのはさ、ダイナグラムを燃えさせているこの現状を変えることだろ? 変えろよ」


 ああ。

 そうできたら、と心の何処かで思っていた。


 火を消すことが、今最優先。

 それは簡単なことで、わかっていたのだけれど、自分の力量ではできないと決めつけている。


「無茶をするって事はさ、できないことでもやってのけるってことなんだけど。いや、やろうとするってことなんだけど、それくらいわかるだろ? ーーそれできないなら、あんたはサナレスの妹姫様だから姫様らしくしていればいい」

 なんて意地悪な、そして心にぐさっと刺さるきつい言いようだった。


 ははは……。 

 だよね。何処かで未だ自分を甘やかしている自分がいることを指摘され、乾いた笑いが漏れる。


 だよね。

 私はダイナグラムが、ラーディア神殿が燃えるのがいやで、そして水月の宮に滞在するサナレスの近衛兵を守りたくてここに来たのだ。

 それを大神ジウスだけを頼るなんて、なんて世間知らずで、甘やかされた子供のすることだろうかと恥ずかしくなる。


『お前は、そのままでいい』

 サナレスは唇の端を上げて微笑む。『無理に強くなる必要はない』と。


 自分はいつもサナレスの幾重にも用意された庇護のもとにあって、その庇護はサナレスからアセスにバトンタッチされることが決まっていた。


 けれどーー。

 自分は、兄がふんわりと敷いてくれた花畑のような道を歩めないことを知る。サナレスがお膳立てした道の先がアセスであったことに、自分の気持ちが待ったをかけている。


 そっか。人って結局1人なんだ。

 土壇場で誰かに助けを求めても、人って1人なんだと知る。


 真綿に包まれるような過保護さで育てられても、それが一生続くわけではないし、自分を守ってくれようとする兄ですら、今1人で行動し、何をしているのかわからないのだから。

 1人でいる時間は現実だ。


「やってみる」

 どれほどの力があるのかわからなかった。魔女ソフィアはどうやらサナレスがいない時は、大人しく自分の中で燻っていて気まぐれを起こさない限り力を貸さないだろう。


 地道士リンフィーナ。属性は風。

 そのちっぽけな力で何ができるのか、本当に自信なく不安だらけだけれど、ダイナグラム内に起こった火災、そして神殿を包む炎を鎮火させよう。強い決意が沸々と湧いて出てきた。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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