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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
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急ぐ気持ち

再びこんばんは。

今晩少し書きたい気分です。

こんな感じで、週一よりは多いかな? 書いていくので、応援、反応よろしくお願いします。

(誤字、重複表現など、そのうち直します。)

        ※


「ひどい……」 


 外に出て風を感じながら、リンフィーナは息を呑んだ。

 想像通りの惨事に自分はただ、言葉を無くして立ちすくむ。


 仮設で建設された二階建ての建物は、リンフィーナが確認したときには、すでにその全貌がなかった。

 バラバラに壊れ、中にいた近衛兵達は唖然として外に出るもの、下敷きになってうめいているもの、それを救助するもので様々だ。


「ねぇ! 無事!? ーーじゃないよね」

 不幸中の幸いといえば、サナレスが二階建てにしておけば死者は出ないと言っていた通りになったことだった。骨折や血を流すものがいても、所詮二階建てなので無傷とは言わないが、おそらく死者はいない。


 鍛えた兵士たちだ、二階建ての建物であれば例え怪我をしても、死なないだろう。

 そういった兄の言葉の厳しさは的を得ているが、やはりこの状況を前に容認できるものではなく、リンフィーナは心の中で謝罪と共に手を合わせた。

 間に合わせで作った住まいは完全に倒壊し、何人かは負傷しているし、運の悪い兵士は折れた柱が体に突き刺さってうめいている。


 兄様ーー。

 死なないって言ってたけど、運が悪ければ一瞬で心臓貫いていたかもしれないよ。この辺りの判断をするサナレスは冷淡だ。


「怪我が少ない者は、お願い。怪我している人を瓦礫から出してちょうだい。余震ーー、つまりまた揺れるかもしれない。だから建物の外に連れ出して。後無事な人3名、今から名前言う人は野営用のテントを貼ってちょうだい」

「猿姫!」

 だからその呼び名やめてってば。


 指示をする自分に、近衛兵でも頭の回る3名が寄ってきた。

「テント貼るのは、言い方悪いけど非力な3名にして。それで瓦礫避けて救助するのは力に自信のある兵士にして。ごめん、ちょっと指示が曖昧だけど、私の言葉をサナレス兄様からの指示だと思って、この場は従ってくれる?」

 ああ、兵士の名前を実は全部覚えている。だからこのときに動ける兵の中で、非力な3名の名をすぐに口にできた。


「かしこまりました猿姫!」

 だからーー!


 猿姫という呼び名も、もうどうでも良くなった。

 指示を出した後、振り返った自分が見たものはもっと衝撃的だったからだ。


 ラーディア一族が光を失い、その代わりと言ってはなんだが、おそらくは嬉しくはない火の手が上がっている。


 嘘……。


 夜にラーディア神殿の灯火が消えることなんて、まずあってはいけない。

 ラーディア神殿はアルス大陸の平和の象徴で、サナレスが電気を引いてから、その灯火が消えることはない。


 象徴が消える!

 あってはいけないのだ。


 高台にある神殿は、水月の宮からでもいつでもその光で確認することができた。遠くにあっても象徴がそこにあることを感じて、民は安心することができた。


 まさか、光が消えた!?


「サナレス兄様!」

 リンフィーナはそばに居ない兄を、思わず呼んでしまった。

 大変なことになっていて、その事態は兄の不在に起こってしまい、とても自分の手には負えない。


「ーーあなた!」

 リンフィーナはまだ年若い兵士を呼び止めた。

「クリュウ、お願いがある」

 手が足りていない時にごめんなさいと謝罪するが、リンフィーナは神殿の方向から目を逸らせなかった。


「はい猿ーー、姫様」

「私は、今からダイナグラムに向かう。お前、ラーディオヌ一族の様子を見てきてちょうだい」

 兵士に対して、お願いはしても命令などしたことはないリンフィーナだった。けれどこのときばかりは、強い口調になる。


 その様子に押されてか、年若い兵士クリュウがその身を正した。

「承知しました、皇女リンフィーナ」


「人手が足りないの。だから今から1人で行って確認してきて。そして明日の正午に、報告に戻って」

 私も戻るから、と付け加える言葉は消えてしまった。

 そのまま近衛兵に救助の指示を出した後、無我夢中で馬屋にかけて行き、リンフィーナはラーディア一族王都ダイナグラムに向かう。


 あそこは大神ジウスがいる場所で、サナレス兄様が発展させた。

 兄様が自分の自由と天秤にかけてまで守ってきた場所だ。

 だから、絶対に沈んではいけない。

 本能が馬を走らせた。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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