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脱冥府しても、また冥府  作者: 一桃
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向き合うとき

こんばんは。コロナが増え、日中テレワーク、夜小説書くとかしていると、肩こりますね。

バブ入りのお風呂が手放せない。


炭酸水って、ほんといいの。

温泉でも炭酸水あれば、そこ目がけて一直線。人ってすごいもの開発するよね。


さて話は変わって、この章に入ってずっと序章から抜け出せずにいます。

先日ドローンの飛行免許取りに行きましたが、ブーンって言いながら同じところでホバリングしている感覚。


操縦苦手だった。お付き合いくださっている方、ありがとうございます。

反応等励みになりますので、よろしくお願いします。

         ※


 リンフィーナは思う。覚悟ではなく、ただ至極当然のこととして思う。 

 たぶん自分は兄サナレスが、王族殺しの殺人鬼だったとしても全く構わなかった。


 だってサナレスはサナレスだから。


 兄の本質は違うと知っているから。


 サナレスはずっとただ自由でいたい人だった。サナレスが変わったとしたら、自分を含めた環境のせいだから、またこの先の環境が変われば兄は本質に戻ると思っていた。


 ただその気持ちを伝えるより先に、サナレスが自分の前から居なくなってしまいそうで不安になる。

 このところのリンフィーナは、目を覚ましてすぐさま、兄の姿を探している。


 水月の宮にいるなら、サナレスは必ず研究室にいるはずだった。

 リンフィーナはこの日も地下の研究室に降りていった。


 研究室の中には、兄だけではなくリトウ・モリの姿もあり、リンフィーナはそこにちゃんと兄がいたことでホッと息をついた。


 ガラス越しに2人の姿をじっと見つめていた。

 サナレスは何の部品なのか、組み立てたモノをまじまじと眺め、リトウの方がおそらくは病原菌の研究を引き継いでいた。


 2人は会話することなく各々の研究に夢中になっており、まるで自分とは別のところにいるみたいだ。それくらい自分とサナレスがいる空間には、隔離という物々しいガラスの層以上に壁がある。


「ああ、リンフィーナさん」

 最初に目が合ったのはリトウ・モリだった。

 その拍子にサナレスがこちらを見て、物言いたげに眉根を寄せる。

 近寄ってきたサナレスは、自分の格好を指差して着替えて来なさいと合図した。


 悪夢にうなされたリンフィーナは、夜着のまま突っ立っていた。

 ただいち早くサナレスがここにいるか確認したかっただけなのだ。


 確かに貴族の姫がする格好ではない。サナレスの渋い顔を見て恥ずかしく思ったが、せっかく見つけたサナレスと少しでも離れていたくはないと思った。


 ええい。知らない振りをしてしまおう。

 リンフィーナはこれでもかというぐらい頬を寄せ、指先に力を入れ、冷たいガラス越しに張り付いて、全力で中に入れて欲しいと主張する。

 その様子にサナレスは天を仰いで呆れ顔だが、リトウの方がくすと笑って近寄ってきた。


「どうぞ」

「先生っ……」

 リトウが封鎖した研究室の扉を開いたので、サナレスが血相を変えた。


「サナレス、大丈夫ですよ。ウィルスは適切に閉じ込めている。あなたが管理するこの環境はとても完璧だ」

「それでも……」

「あまり何もかもを隠してしまうのは感心しません。彼女はきっと知りたいんですよ。我々がーー、いえあなたが何をしているのか、気になって仕方がないようだ」

 痩せた体に溺れるほど大きな白衣をきて、亀裂の入った丸い眼鏡を鼻の頭からずり落ちるのを防ぎながら、リトウはそう言って笑いかけてくれた。


「はぁい。安全安全。どうぞ、リンフィーナさん」

 予想外のリトウの行動で、リンフィーナは実験室の中に入れてもらえた。


「私は少し休憩しますよ、またぶっ倒れたら館の方々に迷惑をかけますしね」

 あくびと伸びを同時にしながら、リトウは自分の横をすり抜けていった。通りすがりに「聞きたいことを聞かないままというのはしんどいですよね」と少し微笑みながら。


「神対応!!」

 リンフィーナと同時にサナレスは批判的な声をあげた。

「先生っ!」


 慌てたサナレスは彼を追ってリンフィーナの横にきて納得できない様子だった。


「兄様! サナレス!」

 こんな機会を逃せないとばかりに、リンフィーナはサナレスの服の袖を必死に掴む。

「兄様、私ね……。ずっと兄様とアセスに守られる存在でしかなかった。でもーー、もうそれは嫌なの。そんな関係では満足できないの。だから隠さずに全部話してほしい」

 言わないのは、知らなくてもいいことだと過保護な兄が判断したからだ。


 けれどね、ーーもう何を聞いても。

 現実を受け止める。


 それは自分のことだけに必死だった子供時代の感情とは少し違う。たとえ自分が厄介事の種だったとしても、それを認め、何とか対処して、周囲の人へのーー大切な人へのリスクを低くしたい。


「サナレス、私は頼りないかもしれない。まだまだ迷惑をかけるかもしれない。でもサナレス兄様が突然いなくなって、ラディを失って、アセスが死んでしまったんだと思って、いろんなことがあって、全部知りたいと思うようになった」


 話して。

 不思議と落ち着いた心で、リンフィーナはサナレスのエメラルドグリーンの瞳をじっと見つめた。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「脱冥府しても、また冥府」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー

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