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まだ砕けてないのかしら…
ドキドキ…
駅に着いたら、正木さんがいるのかな…
やあ、おはよう!なんて
笑顔で言ってくれたりして…
でも、見当たらないなぁ…
やっぱり、勘違いだったのかな、、
人混みに揉まれて電車内に流れ込む。
ああ、やっぱり、勘違いだったんだ…
そうだよね、
こんなものよね…
後ろから、大きい手が出てきた。
思わず、声をあげそうになる。
「おはようございます」
で、でたー、真顔の正木さん!
私の身体を覆いこんだ。
暫くすると、大きな手のひらが私の前髪辺りを撫でている…
はあー、いい香り…
何で、こんな幸せな時間…
何も話さないけど…
何も話せないけど…
このままでいい…
ああ、この短い時間…
また、駅に着いたら、真顔でじゃ、と言って
行ってしまうのかな…
それでもいい!
それでもいいの、これだけでじゅうぶん生きて行ける!
この甘い時間は明日も続くのかな…
もうすぐ、駅に着く。
もう、お別れ。
さようなら、私の甘い時間、愛しい人。
扉が開いた。
押し出された私達。
大きな手が伸びて、私の首後ろを掴んで引き寄せた。
早足で歩き出し、ホームの端の方に来た。
そのまま、立ち止まったまま動かない。
私はがっしりと正木さんの腕にホールドされている。
どう、なるの…?




