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第弐章 ≪少年と少女 前編≫

 ここはどこなんだろう。やけに真っ暗な場所だ。お兄ちゃんについてきたはいいけどはぐれてしまった・・・。こんなことだったらお兄ちゃんの言うとおり家で待ってればよかった。


 「碧兄ちゃん・・・、葵姉ちゃん・・・どこぉ・・・?」


 怖い・・・。ここにはたくさんいる。ここに居てはいけないことはなんとなくわかる。

でも、どうしたらいいかわからない。



 お兄ちゃん・・・助けて・・・。







                          霊 第弐章 ≪少年と少女 前編≫










 僕たちは屋敷に足を踏み入れた。懐中電灯で照らされた屋敷の中はかなり不気味なもので今にも何かが出てきそうな感じだ。はっきり言って今すぐここから抜け出したい気分だ。



「なんかほんとに幽霊屋敷みたいだね☆」

「だね☆って・・・」


 美琴は満面の笑顔を向けてそう言った。こいつは昔からそうだった。突っ込まなくていいことに首を突っ込み、僕はそのとばっちりをうける。


 この性格だけは何年経っても変わらないらしい。


「で、これからどうすんだよ。この屋敷、だいぶ広いみたいだから全部見て回るってわけにもいかねーだろ?」


「そうよねぇ・・・・。じゃあもうちょっと奥まで進んで、それで何もなかったら引き返そうか」


「何かがあったら困るって!!」


「んじゃ行くか。」


「そうだね」


――無視かい!!!!


 まるで僕の声がまったく聞こえていないかのように二人は僕のことを無視して先に進み奥の部屋に入っていった。


「ちょっと!!おいてくなよ!!」


 僕はそう叫んで二人の入った部屋に駆け込んだ。しかしそこには二人の姿はなかった。


「あ…れ…?」


 僕はもう一度部屋を見渡す。しかし誰も見当たらない。


――こここここ、これってまさか神隠しってやつか!?


 予想外の出来事だ。こんなとこで一人取り残されるなんて・・・。これほど恐ろしいことはなかった。


「お、おい。おふざけならやめろよ。」


 僕の震えた声が部屋に浸透する。しかし誰も出てこない。



「お兄ちゃんはどうしてこんなところへ?」


 ものすごく小さくて不気味な声が後ろから聞こえてきた。この声は美琴のものでも拓斗のものでもない。

 ということは・・・・。


 僕はゆっくりと後ろを振り返る。そこには着物を着た小学生くらいの背格好の少年が立っていた。



「ん?お兄ちゃん、どしたの?顔色が悪いよ?」

「い、いや・・・別に・・・」


 どしたのって・・・。こんな不気味な場所で着物を着た少年が立っていたら顔色も悪くなるってもので・・・。ていうかこれってやっぱり・・・。


「あのー、一つだけ聞かせてもらってもいい?」

「何?」

「君って、幽霊?」


 自分で言っておいてなんて間抜けな質問なんだろうと思った。もし幽霊だとしても自分から「はい、幽霊です」なんて言う幽霊はどこにもいない。


「うん♪」


 ここにいた。自分から幽霊と名乗る幽霊がここにいた・・・。なんてバカな幽霊だ・・・。


――って、そんなこと考えてる場合かー!!

 と自分の中で突っ込みを入れる。そう、それどころじゃない。本当に幽霊なんていたんだ・・・・。


――そういうことでもなく!!

 もうよくわからない・・・・。この場合どうすればいいのだ?


 「まぁ、幽霊って言っても完全な幽霊じゃないけどねー」

 

 「へ?」


 「ほら、僕には足もあるし、お兄ちゃんにも触れられる」


 確かに、この子にはちゃんと足があるし今、僕の服の袖をつかんでいる。だが、いまいちわからない。幽霊に完全も不完全もあるのだろうか・・・。

――うーん。幽霊の世界って僕らの考えているよりずーっと奥深いんだなぁ・・・。

 僕はひとり、心の中で感心していた。


 「まぁ、そのことは置いといて・・・。お兄ちゃんはここで何してるの?」


 「うーん。肝試し?」


 もはや肝試しになっていないような気がする。


 「肝試し?ってことはさっきの人たちはお兄ちゃんの友達か。」


 そうだった。今はいなくなった二人を探してたんだった。あまりにもフレンドリーな幽霊なせいで頭の中から消えていた。ごめんね二人とも。


 「その二人ってどこ行ったかわかる?」


 少年は僕の質問には答えず指で床を指した。僕は少年の指の先に視線を移す。今まで気づかなかったそこには大きな穴があった。二人はこの穴に落ちたらしい。

 

「この穴は深いねぇ・・・。たぶんこの屋敷の地下まで続いてると思うよ」

 

 少年はそう言いながら穴の中を覗き込む。確かにかなり深そうだ。こんな穴に落ちて二人は大丈夫なのだろうか。まぁ、拓斗はともかく、美琴は大丈夫だろう。丈夫だけが取り柄のようなやつだから(笑)

 まぁ、本人に言ったら間違いなく半殺しにあうだろうから言えないけど・・・。


 「で、どうする?助けに行く?」

 「まぁ、行かないと半殺しにあっちゃうから」

 

 冗談抜きで殺られるだろう。おもに美琴に・・・。


「なら行くしかないね。んじゃついてきて。僕も地下に用事があるから。」

 

 こうして僕はフレンドリーな幽霊についていくことになった。でも一つだけ不安なことが・・・。


「ねぇねぇ、これ、一応ホラー小説なんだけど・・・。ホラー目当ての読者さんたちが怒っちゃわないかな?」

「しかたないでしょ。作者がホラーは苦手のチキン野郎なんだから」

「なら書かなきゃいいのに・・・」

「チキン野郎のくせにホラーゲームやるやつだからね・・・」

「この先不安だ・・・」

「大丈夫!次ぐらいから怖いよ!・・・たぶん」




 不安なことばかりだけどこの先大丈夫かぁ?


はいw怖いの苦手なのにホラーゲームばっかりやってるチキン野郎ですwバイオハザードとか零とかやりまくってますwww好きなゲームは零〜紅い蝶〜ですw


さて、今回は全くもってホラー要素がないですねwこれからちょくちょくこういう場面があると思いますんで覚悟しててくださいなww

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