東砂漠のオーク
東砂漠のオーク。
そう……それは例えるならば薔薇の花。
もしくは天空に浮かぶ雲のよう。
いつ如何なる存在が彼らを脅かそうが……
気高く、そして麗しい花となるのだ。
魔王。
この世界を脅かす存在として人間に立ちはだかる、我々のヒーローである。
「ゴフ!ゴフゴフ!」
「ゴフ?ゴフー、フゴフゴ?」
「ゴフゴフ!!」
東砂漠の洞窟と呼ばれるこの洞窟には、オークが住み着いていた。
……これは、そんなオークたちの物語である。
・・・・・・・・・
「ブゴ、ブゴゴフ、ブゴー……。」
「ブゴゴゴ……。ゴゴフブゴー、ゴゴフブゴゴフゴ。」
「ゴフゴフ。ブゴー……。」
人間ほどではないが、知性を持つオーク達。
とても広い洞窟には沢山のオークたちが住んでいる。
友を、仲間を、そして家族を守るため……今日も二匹のオークが門番に勤しんでいる。
だが最近は、魔物を脅かす勇者一行の話は聞かない。
魔物新聞でも勇者ネタを取り上げられないのだ。
「ブゴフ、ゴフーゴフゴフ?」
「ブゴ、ゴフゴフブゴフゴブゴー。」
「ゴフフ……。」
やれやれと首を横に振る、一匹のオーク。
そんなやり取りをしていた二匹のもとに、部隊長オークがやって来た。
「ブゴ、ブゴフブゴフ?」
「ゴフーゴフゴフ!ブブーゴフ!」
「ブブーゴフ!」
「ブブーゴフ。ゴフフ、ブゴフブゴフ。」
「ゴフ!ブゴゴブゴゴ、ブゴフブゴフ。」
「ゴフ……ブゴブゴ。ゴブフ、フゴブ、ゴブブゴブーゴフゴフ。」
「ゴフゴフ。」
「ゴフ。…………ゴフ、ブゴフブゴゴゴ。ブゴ、ゴブーブ、ブーゴフ。」
「ブゴーゴフゴフ!」
「ブゴーゴフゴフ!」
そして、ゴフー部隊長は帰っていった。
……優しい方だ。ゴブーブとブーゴフはそう思った。
「ゴーフ、ブゴゴゴフフゴフゴフー。」
「ゴフ!ブゴゴフーゴ!」
リフレッシュ出来たのか、張り切るゴブーブとブーゴフ。さあ、集中集中!
「……ブゴフ。」
「ゴフゴ!?」
しかしそう長く集中力は続かない。
まだ昼前だというのに。
再び退屈な時間がやってくる。
やがてどちらかともなく、互いの家族の話になった。
「ゴフフー……ブゴフブゴフー。」
「ゴフゴ!?ゴブブフゴフゴ、ゴフブゴフブゴゴフ!?」
「ゴッフッフッ……。ゴフフブゴーフブゴー、ゴフゴフブゴフゴブブフフー!」
「ブゴフ……。ゴフゴー……ゴフフブゴブゴゴフーブゴフブゴー……。」
「ゴフ?ブゴゴフ、ブゴゴフ。」
「ブッ……ゴフゴフ……。」
「ブフッ。」
「ブフッゴフゴ!」
「ブゴッ!ゴフフブゴゴフゴブ!?ブゴーブゴフフゴフブゴ!!」
「ゴブーゴ!!ゴブフゴブー!!」
こらこら、喧嘩しないの。
「ゴブフ!!」
「ゴブフ!!」
ヒートアップしちゃってまあ。
……そんなこんなで、今日も平和な一日が過ぎていくのでした。
序盤でゲシュタルト崩壊しました。
また別の魔物でもやれたらいいね。
それでは、またどこかで。
Thank You。