最終回:昔書いた小説を恥ずかしく思うのは、成長した証だってさ
「ほっぺについているご飯粒を取って、その取ったご飯粒を食べたら、それは間接キスなんですかね」
そう亜紀は言った
「ほっぺという言葉をひさしぶりに聞いたね」
ずれている達也
ここは教室
二人はいつものようにくだらない話しをしている
「ほおをほっぺと言ったら、この子可愛いと思われるという計算です
ですから、わざとほっぺと言いました」
「思われるって誰にだよ」
「もちろん、達也さんにです
それ以外に思われたって何の意味もありません」
「全くもって思わないぞ
あれか。ほっぺと言うなんて、可愛いらしい
お兄さん、ぎゅっと抱きしめちゃうぞとか言って欲しいのか」
「気持ち悪いです
そこまでして欲しくはありません」
「お前、人がせっかく乗ってあげたのに、傷つくこと言いやがって」
「誰も乗って欲しいなんて言ってません」
「それは産んでくれなんて頼んでないと同じくらい禁句だ」
「達也さんだって、炎夏先輩や山口先輩に言ってるじゃないですか」
「いいか、人を批判するときは自分のことは無視するんだ
そうじゃなきゃ、批判なんてできないからな」
達也の言っていることは、半分正解、半分間違いである
「ということで、間接キスかどうかが問題ですね」
「ということって
日本語おかしいよ」
「まず、間接とは何かですよね
辞書には対象との間に物を隔てて対する状態とあります
辞書を引いたら余計に意味が分からなくなることってありますよね」
「そういう場合、具体的に考えたらいいんじゃないか」
達也はどんどん亜紀の発言、行動に順応していっている
それがいいことかどうかは分からない
「そうですよね
間接キスと言えば、好きな女の子のリコーダーを舐めるが具体的ですね」
「何でそっちの方に持って行くんだ
もっと違うのあるだろ」
「皆が帰った後に太吉は真子ちゃんのリコーダーを舐めるんです」
「誰だよ
太吉と真子って」
「太吉はリコーダーを舐めた次の日学校へ行くと、真子ちゃんが泣いてるんです
真子ちゃんの友達が、ちょっと太吉、あんた真子のリコーダー舐めたのって聞くわけです
太吉はえ、な、舐めてないよと焦りながら答えます
そうしたら友達は反論します
『しらばっくれるんじゃないわよ
見たって人がいるのよ』
太吉は『ふはは、よくぞ気づいたな
そうだ私が真子のリコーダーを舐めたのだよ、明智君』と言います」
「太吉、キャラ変わってるよ
どこぞの犯人みたいになってるよ」
「友達は『まじきもいんですけど
チョベリバ』と言います」
「友達何歳
小学生じゃねえだろ
何でチョベリバ知ってんだよ」
「友達は新しいものが大好きなんです」
「全然新しくねえよ
小学生の間では、もう一回流行ってるのか」
「いえ、美保ちゃんの頭の中だけで流行ってます
いわゆるマイブームです」
「ああ、だから、新しいのか
って、違うよ
もう一回流行っても、新しくはならないからね」
達也は美保ちゃんは誰かとは聞かなかった
「リコーダをナメナメしてやんぜという物語を考えたんですけど、まだ辞書での間接の意味がわかりませんね」
「何だ、そのネーミングセンスのないタイトルは
だから、お前は方向性間違ってるからね」
「次は、ストローのついたジュースですね」
「正直それもどうかと思うが、まあいい」
「太吉は真子が好きなんです
好きと言っても性欲対象としてなんですけどね
女子高生好きの多くは、性欲対象として好きなんですよね
汚らわしいです」
「また太吉でたー
小学生で性欲対象として好きって何だよ
もう、色々と凄いよ、太吉
まあ、二十歳過ぎたお兄さんたちはだいたい亜紀の言う通りだね」
「太吉は真子の口紅がついたストローを盗むことに成功しました
太吉はそのストローを舐めようとしました
しかし、考えました
これを売ればお金がはいる
そうしたら、真子と静かで落ち着いた宿泊施設に行けると」
「静かで落ち着いた宿泊施設って何だ
絶対あのアニメ見ただろ
というか、真子も何で口紅してんだよ
太吉は犯罪者の一歩手前だし」
「太吉はこのストローをインターネットで売るかお店に売りに行くかどちらが高く買ってくれるか考えました
ふと思ったのが、このストローを愛しのエンジェルが使ったという証拠が必要ということです」
「まあ、使ったという証明は必要だな
愛しのエンジェルってなんだ
この分だと、マイスウィートハニーとかも言いそうだな」
「一番いいのは顔写真ですが、お店に顔写真を渡すのは危険です
インターネットではもっと危険です」
「それぐらいの考えはあったんだな
えらいぞ、太吉」
「太吉はそこで美保の写真を使おうと考えました
美保ならどうなろうと構わない
きもいとか言ってきたからなと」
「前言撤回
褒めて損した
もう太吉は犯罪者だよ」
「しかし、美保は不細工ではありませんが、可愛いくもありません
それだと、高く売れるか疑問です」
「いい加減飽きてきたんだけど
MK5なんですけど」
「しかし、世の中には写真写りをよくする方法がいくらでもあります
それに加えて眼鏡をかけると最高です」
「それは太吉の趣味だろ
ってか、設定作ったお前の趣味だろ」
「太吉は前から思っていました
プリクラで撮った写真は詐欺だよなと
ということは、美保のプリクラ写真があればいいんじゃないかと太吉は思いました」
「確かにプリクラ写真と実物は別人ってことはあるな
凄いよなあの機械」
「そういえば、美保はプリクラを撮ったという話しを聞きました
太吉はそれを盗もうと考えました」
「窃盗罪きたー
もう、太吉の将来が怖いよ」
「太吉はまた皆が帰ったあとにプリクラ写真を探しました
しかし、なんと……ありませんでした」
「そりゃ、持ち帰るでしょ、普通
ってか、疲れたんですけど
バタンキューしそうなんですけど」
「そこで、太吉は真子のブルマを袋から取りだそうとしました」
「はいはいよかったね
ブルマがある時代なんだね」
達也は運動場をぼけっと見ながら、面倒くさそうに言った
「太吉はもう少しと思ったところで、教室の扉が開きました
そこには中肉中背の男がいました
太吉『くそ、機関の追っ手がここまで来るとは』」
「ええー
いきなりジャンル変わってるんですけど
太吉、痛い子になってるんですけど」
達也はあまりの展開にテンション(誤用)が高くなった
「太吉『こうなったら、殺される前に殺してやる』」
「太吉、だめー
今までの犯罪とはわけが違うよ
凶悪だからね
少年法があるから死刑にはなんないかもしれないけど、凶悪には変わりがないからね」
「中肉中背の男は太吉の前まで来てこう言いました
君には変態の素質があるね
どうだい、修行して変態という名の紳士になってみないかいと」
「またジャンル変わったよ
何このいきあたりばったりな設定は
作者、その時の気分で作ってるだろ
ってか、変態紳士になる修行ってなんだよ」
「太吉『もしかして、あなたは伝説の変態マイスターのドクトルさんでは』
ドクトル『いかにも、私はドクトルだよ』」
「変態マイスターってなんだー
従弟制度があるのかよ
マイスターがいるなら、弟子とかいるのかよ
なんだよ、その無駄な制度は」
「ドクトル『どうだい、私とこないかい』
太吉『行きます
僕はあなたのような変態になるのが夢だったんです』」
「どんな夢だよ
夢は持つのはいいことだけど、その夢は先生お勧めしないな」
「太吉『そうだ、マイスターにこれをあげます』
太吉はマイスターに真子のブルマをあげました
ドクトル『これはどうもありがとう
うーん、いい具合に使い古されてて素晴らしいね』」
「完璧に変態だよ
あ、だから、変態マイスターなのか
っていうか、何でこの男小学校に入ってこれるの
あの事件を教訓にしてないの」
「ドクトル『では、行こうかね
我が弟子よ』
太吉『はい』
僕の冒険はまだ始まったばかりだ
これでこの物語は終わりです」
「よくある打ち切りパターンだけど、本当に冒険始まってないからね
というか、始まったらダメだからね」
「どうでした、この物語」
「しりすぼみだな」
「しりすぼみ?」
「ああ、よくある話しだな
最初はノリがよかったり勢いがあって面白いなと思うんだけど、後半はぐだぐだになってつまらなくなるんだよ
例えば、某小説サイトに投稿しているとある作者はさ、毎回6ページぐらいを目標にしてるんだ
だからさ、1ページ目はノリノリでやってるんだけど、ページのばしをするために、いろんな話しをつなげるから、つまらなくなっていくんだよ
まあ、最初から面白くないのかもしれないけど」
「某少年週刊誌にもよくありますよね
作者がそろそろ終わろうかなと思ってるのに、編集が終わらせてくれないんです
そのせいで話しがぐだぐだになって人気がなくって、俺たちの戦いはこれからだと言って終わりになるんですね」
「ああ、冒険はまだ始まったばかりだと同じくらいよくある打ち切りパターンだな」
「パロディとパクリってどう違うんですかね」
「ほら、そう言うのがページ稼ぎって言うんだ
そして、それは前回作者も分からないって言ってただろ」
「最近の漫画って、パロディも多いですけど、自虐ネタも多いですよね」
「例えば」
「偉人を汚すなやPTAからの苦情、または◯◯◯◯ラ・ブホテルです」
「全部同じ奴じゃねえーか
なんで一つなの、最低三つはあげるよ
みんな持ってるのみんなだって三人以上だからね」
「私、伏せ字の意味が分からないんですよね
◯◯◯◯ラ・ブホテルの
◯の部分伏せなくてもいいと思います」
「いや、ダメだからね
PTAから苦情が来ているアニメのスタッフの人たちには怖いものはないのかもしれない
でもね、俺たちは一般人なんだよ
一般ピーポーなんだよ
だから、伏せ字は必要なんだよ」
「例えばですよ、ブリはテリヤキとは限らない
これは魔法陣グルグルの引用です
この文章の魔法陣グルグルは伏せ字にしなくていいですよね」
「それは亜紀が言っている通り引用だからだろ
引用は法律で認められてるし、出典を明かさなきゃいけないから」
「では、トイ◯らスはどうですか
これ有名で褒めようと批判だろうと悪口だろうと、伏せ字にしても分かりますよね」
「それは伏せ字が一字だからだよ
ト◯◯◯スにすれば、伏せ字の意味はあるよ」
「そこまでして会社名だす必要ありますか
某有名企業で十分でしょ」
「もうね、おじさんにも分からないんだよ
魔法◯グルグルや魔法陣グ◯グルにしても分かるから、◯◯◯グルグルにしたんだ
でもね、これだと伏せ字の意味がないんだよね
魔法陣◯◯◯◯だったらある程度意味はあるのかもしれないけど、それってどうなのってなるんだ
もういっそのこと、そのまま出そうか悩んでたら、間違ってそのまま投稿しちゃったんだ
ええー、やばくねと思ったんだけど、面倒だからいいかと考えて、そのままにしてあるんだよ
こ、これはあくまで例えなんだからね
べ、別に実話じゃないんだからね」
「達也さん、キャラ変わってますよ
それにそういうのは二次元だからいいんです
三次元だと気持ち悪いだけです」
「人間に限らず何でもそうだが、日々変わっていくもんだよ
お前、あれだろ
どうせ、萌え系の参考書で勉強してんだろ
このオタクが」
「周りがオタクばかりの達也さんに言われたくありません」
「炎夏は違うだろ
あと、里奈先輩や未来ちゃんも違うだろ」
「里奈先輩?
作者が名前も存在も忘れてそうなキャラは除外です」
「そんなこと言ったら未来ちゃんやあおいちゃんだってそうだろ
というか、お前は何言ってんの」
「大丈夫です
未来やあおいは名前は忘れていましたが、存在は覚えていたと思います
しかし、達也さんの未来はオタクじゃないはもっともかもしれません
あおいにはそういう設定がありましたが、未来にはありましたかね」
「設定って言うな
なんだよ、さっきから作者とか設定とか意味分からんこと言いやがって
あれか、作中でそういう設定なんですと言っている漫画を見て、それ面白いなとでも思ったのか」
「原作の漫画で言ってるかどうかは分かりませんけど、私は漫画をアニメ化したの見て面白いと思いました」
「確かにそれは面白かったのかもしれない
でもね、使い所を間違うと全く面白いないどころか、しらけるんだよ
今の完璧間違ってるからね」
「読み返してみたんですけど、あおいはオタクだと思うような描写はありました
しかし、未来はそのような描写はありませんでした」
「何を読み返したの
ねえ、何を」
「ですから、オタクは、私、あおい、山口先輩、藍沢先輩の四人ですね」
「えっ。何で炎夏が入ってんの」
「藍沢先輩は名前がギャルゲーに出てきそうだからです
だって、炎夏って書いて「ほのか」と読むんですよ
ふつう、「えんか」でしょ
もう、宴会で塩化ナトリウムでも食べてなさいよって話しです」
「名前批判か
別にいいんじゃねえの、ほのかと読んでもさ」
「そうですよね、
達也さんは、自分さえよければいいんですもんね」
「確かにそういう部分もあるかもしれないけど、 本人が何とも思ってないなら、別にいいだろってことだよ」
「じゃあ、不本意ですけど藍沢先輩は除外しますか
そうすると、三人になりますね」
「そうすると、周りがオタクばかりは違うよな」
「まあ、作者が設定を忘れるなんてことはよくありますからね」
「まあな、かの有名なコ◯ン・ド◯ルも設定を忘れてるからな」
「どこぞの作者なんて言動が矛盾してますからね」
「あれは矛盾してるんじゃないと思うよ
あれ、俺何でこんな書いたんだろうやこんなん嫌いだわ、あるいはこれってあれと一緒にされるんじゃねえと思って、なんとか修正しようとしてるんだと俺は思うよ」
「しかし、修正しきれなくて、余計おかしくなると」
「それは否定しないな」
「その作者はヒロインのキャラ設定のうちの一つを今でも消したいんですよね」
「後書きにそんなこと書いてあったな」
「それをなんとか修正しようとして、わざわざページをさいてなんとかあれとは違んだよというところを見せているんですね」
「そもそもあの人にシリアス物は無理だろ」
「文才ないですからね
三作品の中で一番人気があるやつだと下手でもなんとかなりますけど、シリアス物のだと一目瞭然ですからね
なのにシリアスを書きたがる」
「あの人、そういうのも好きだからな」
「自己満足ですね」
「自己満足って悪い意味で使われることが多いよな
でもさ、自分を満足させることができない奴に他人を満足させることができるのか
まずは、自分が楽しむことが必要だろ」
「しかし、そういうのは黒歴史と言われます」
「黒歴史?
何だそれは」
「本当に今の子は何でもすぐに聞いてくる
少しはググるぐらいしてください」
「ググるっていうと、グー◯ル先生怒るよ
廊下に立たされちゃうからね」
「情報が古いです
これだから情弱は困ります」
「もういいよ
こうなったら、ヤ◯ーで調べてやる」
達也は携帯を取り出したそして、ヤ◯ーで「黒歴史」を検索した
<黒歴史とは、アニメ作品『∀ガンダム』に登場した用語。物語中では、過去に起きた宇宙戦争の歴史の事を指す。
転じて、無かったことにしたい、あるいは無かったことにされている過去の事象を指すスラングとして用いられることもある>
Wikipedia出典
「スラングとして言えば、無かったことにしたい過去のことか」
「その通りです。
例えば、若かりし過去や思い出せば、恥ずかしいことやってたなという過去ですね」
「しかし、黒歴史と思うってことは成長した証なんじゃねえのか」
「そういう場合もありますが、それは一つに過ぎません
昔と今とでは考えが変わった
その時は徹夜のテンション(御用だ御用だ)だったから、冷めたら恥ずかしくなった
なんとか黒歴史から脱出したいけど、今でも黒歴史を作っている
前よりは成長したから
このように様々な理由があります」
「まあ、恥ずかしいと思っても、思っただけなら何も変わんねえからな」
「黒歴史があること自体は恥ずかしいことではありません
誰にでもありますし、人は皆そうやって大人になっていくんですよ
問題はその黒歴史をどう扱うかです」
「俺なら面倒だからそのままにしておく」
「それでは成長できません
ダメ人間まっしぐらです」
「いいじゃん、ダメ人間
ダメ人間は世界を救うんだよ
それに自分をダメ人間と認めると楽だよ
亜紀も認めて楽になろうよ」
「人間はすぐに楽な方に流れます
ですから、流れに逆らうことが大事です
自分をダメ人間だと思うなら、まずは平凡になればいいんです
昨日よりは今日、今日よりは明日、そうやって少しでもいいですから、平凡に近付けばいいんです」
「よりましになるんなら、それでいいじゃんという考えか」
「そうです
天才に努力して勝てないから努力なんて無駄だと言う人がいます
しかし、それは間違いです
努力しても勝てないから天才と言うんです」
「そもそも、俺には天才に勝つ必要性が分からない
どんな世界に住んでるのかな」
「私は1か0の二分法を危惧しています
経済学は将来を完全に予測することはできない。だから、経済学は机上の空論であると言ってしまったり、生きたくても生きることができない人がいるのにと言ったり、学校に行きたくても行けないない人がいるのにと言ってしまうからです」
「確かに、それは別問題だからな」
「ですから、オタクかオタクではなく、オタクであり、オタクでない存在ということです」
「何言ってんの
全く意味分かんないんだけど」
「神であり、神でない存在みたいなものです」
「やはり意味が分かりません
神であり、神でない存在って何
オタクのでもいいんだけど」
「だから、ヤフるぐらいしなさい」
「ヤフるなんてほとんど聞かないよ」
「何ですぐ突っ掛かってくるんですか
コンプレックスでもあるんですか
あ、ごめんなさい、背が低いのがコンプレックスですもんね」
亜紀は鼻で笑った
「劣等感という意味でのコンプレックスは誤用だよ」
達也は努めて冷静に言った
「誤用指摘厨は黙っててください」
「亜紀って、時々意味分からん言葉言うよな」
時々なのだろうか
「これ以上言うと、誤用指摘厨がうざいので、これで終わります」
「俺達の学校生活はまだ始まったばかりだ」
ご愛読ありがとうございました。
ハーネット先生の次回作にご期待ください
うん、ごめん、黒歴史と言いたかったのと打ち切りがしたかっただけなんだ。
今のところ、後悔も反省もしてません。亜紀のレイプされた設定には後悔してますが。また黒歴史を作るかもしれませんが、シリアス物はやめにしようと思います。戦闘物も無理ですね。
少ないながらも読者のみなさま、読んでくださってありがとうございました