第29話:別に路線は変わってない
今達也と亜紀はマ◯クから亜紀の家に向かう途中である
二人はゆったりとした歩調で、亜紀の家までの道のりを歩く。
前からずっとそうだったのだが、道ゆく男達からチラチラと視線を感じる。もちろん、それは亜紀に対しての視線である
「何かさっきから視線を感じるんですけど」
「まあ、亜紀は可愛いからな」
達也は黙っていればな
と言うのをもう少しで口から出そうになるのを飲み込んで、努めて笑顔で言う。
男の視線を感じながら、やっと家につく二人
「さ、入りましょう」
そう言って、亜紀はドアを開けて、一人でさっさと入って言った
「あいつって、どんどん一人で進んでくよな
まあ、ここはあいつの家だから当たり前だけど」
達也はぼそっと呟きながら、亜紀の言った事に従う
二人はリビングに向かうと、
「あら、お友達?」
そこには亜紀の母親らしき人がいた
「あ、こんにちは
俺、麻倉達也って言います
……あの、亜紀さんのお母さんでしょうか?」
「ええ、そうよ
あなたが麻倉君ね
亜紀からうるさいぐらい話しを聞いてるわ」
「そんなに言ってないよ」
「あら、そうかしら
いつも達也さん、達也さん言ってるのはどこのどなたからしら?」
亜紀の母はふふっと笑う
「もう、お母さんったら」
亜紀はちょっと焦った顔で言う
「(亜紀の悲しい顔は見た事あるが、焦った顔は初めて見たね
やっぱり、母は強しなのか)」
「達也さん、私の部屋ちらかってますから整理してきますね
お母さん、変な事言わないでよね」
そう忠告してから、亜紀は二階へと上がって言った
「時間がかかるだろうから、座って」
そこには四人掛けのテーブルがあった
「あ、はい
ありがとうございます」
そう言って、達也は亜紀の母と向かいあって座る
「さっきも言ったけど、亜紀ったらいつもあなたの事ばかり話すのよ」
「そう……なんですか?」
「ええ
もう、それは凄い嬉しいって顔に現れているのよ」
「へえー、そうなんですか
……何か二人はやっぱり家族なんだなって思いました」
「うん?
どうして?」
「亜紀さんの焦った顔は初めて見ましたから
それに嬉しい顔って言うのもあんまり見た事ないんで」
「あの子無理して笑ってたり作り笑いをする事が多いからね
でも、私にあなたの事を話してる時、本当に笑ってるのよ」
「それは嬉しい事なんでしょうね」
達也は苦笑いをしながら言った
亜紀の母はそれに気づいたのか、
「亜紀の言っていた通りね」
と言った
「え?
何がですか?」
「あの子がね、達也さんは私の事嫌いって言ってたから」
「え、まだそんな事言ってたんですか?
確かに恋愛感情はないけど、友達としては好きだよって前言ったんですけど」
「あの子は麻倉君が優しいから気遣って言ってるんだと思ってるわ」
「俺は他人から冷たいと言われますし、自分でも優しいなんて思いませんよ」
「私は麻倉君優しいと思うわよ
亜紀の話しを聞いてるとそう思うわ
それに本当に優しい人は自分で優しいって言わないと思うけどな」
「まあ、友達の一人にはお人よしって言われましたけど」
「ほら
やっぱり
冷たいと言われるのは麻倉君が他人とあまり関わりたくないと思ってるからじゃないかな?
あ、ごめんね
失礼な事言っちゃって」
「いえ、大丈夫です
事実ですから
……それにしても、まだ嫌われてると思ってたんですね
凄いプラス思考だと思ってたんですけど」
「あの子はマイナス思考なのに無理にプラス思考に見せてる所があるからね
その点であの子はどこにでもいる普通の女の子なのよ
少し口が悪いだけのね」
あれは少しと言うのでしょうかと問いたくなったが、何とか堪えた
「そうですね
(だいぶ妄想癖がある普通の女の子だけど)」
とも思った
「終わりましたよ」
二階からリビングに来た亜紀が言った
「早く二階に行きましょう」
「ああ
じゃあ、失礼します」
「ええ、ゆっくりして言ってね」
亜紀の母はにっこりと笑いながら言った
はいと達也は答えて、亜紀と一緒に二階へと上がって行く
亜紀は自分の部屋のドアの前で止まって、くるっと振り返る
「お母さんは達也さんに何も変な事言ってませんよね?」
「うん?
ああ、今日の天気とかイスラエルとパレスチナの話しぐらいだね」
「何でそんな嘘つくんですか?」
「ごめんなさい」
亜紀は全くと言いながら自室の部屋のドアを開ける
「(北朝鮮の話しの方が良かったかな)」
何か根本的に間違っている達也は亜紀に続いて部屋に入る
「アルミ缶の上にある蜜柑」
達也は決してくだらないダジャレを言った訳ではない
本当にアルミ缶の上に蜜柑があるのである
「何でこんなのがあるの?」
「達也さんにダジャレを言わせる為です
案の定言いましたね」
亜紀は嬉しそうに言った
達也は呆れた顔をしながら、ドアを閉めようとすると、
「あ、開けといて下さい」
「え?
何で?」
当然のように疑問に思う達也
「ごめんなさい
まだ男の人と二人だけで密室にいるの怖いんで」
「そ、そっか
じゃ、じゃあ、しょうがないよね」
亜紀はごめんなさいと謝るが、達也は別に謝る必要はないと言う
その後は、静寂が辺りを包んで、気まずい雰囲気になる
「と、とにかく座ろっか」
達也は何とか言葉を口に出す
達也がそう言ったので、二人は床に座る
なおも、重い空気が辺りを包む
「あれ?
そう言えばさ、ホテル行った時に二人で部屋にいたけど、あれはいいの?」
「あそこは大きかったですけど、ここは狭いですから」
「そうなんだ」
達也はそう言ったが、少し疑問に思った
「(そう言う問題なのか
まあ、された事ないから分からないし、された後どうなるかも人それぞれだけどさ
でもさ、俺の布団に入ってきたよな
あれは良いのか?
そもそも入ってない?
小夜ちゃんも枕じゃないのって言ってたしな)」
達也は頭が混乱している
「これ見せたくて、家に呼んだんですよ」
亜紀が何か物を達也に見せてきた
それはゲームソフトであった
タイトルは英語で書かれている
一般人なら最後の幻想
ちょっと知っていれば、最後の夢
ファンならば、
究極の幻想と訳す物である
「これ?」
達也は頭が混乱しているのに、いきなりソフトを出されて更に混乱した
「これがこのシリーズの中で一番好きなんですよ」
達也に構わず突き進む亜紀
「そ、そうなんだ」
「やっぱりこの魅力は人間が人間を救うって所だと思うんですよ
ほら、主人公って人間としては何か欠けてる所があるじゃないですか
それをヒロインが人間にするって言うのか、戻すって言うのか、それが好きなんですよ
もちろん、それは一方的じゃなくて、ヒロインも主人公に支えられるって所が良いんですよね」
亜紀はさっきの静けさはどこへやらと言う程、マシンガントークをする
「何かそのゲームを俺があたかも知っているような話し方なんだけど」
達也は混乱状態から抜け出せたらしい
「え?知らないんですか?
こんな名作を」
「そりゃあ、やった事はあるけどさ
まずやった事があるかどうか聞かない?」
「やった事あるなら良いじゃないですか」
「(亜紀に言っても無駄だったか)」
毎度のように、諦めが早い達也
「後、二人が純粋に想いってる所が良いんですよね
誰かを好きになる時ってこんな感じなんだろうなって」
「あれはただのバカップルだと思うけどな」
「でも、この名作はなぜかネットでは凄い叩かれてるんですよね」
「まあ、このゲームはヒロインで決まると言っても過言ではないからな」
ヒロインのうざさ加減にリモコンを投げてテレビを壊しそうになった奴だっているはずだ
「それもあるかもしれませんけど、私はシステムが面倒くさいって言うのが一番だと思うんですよ」
「ああ、確かに
俺は全員レベル100にして凄い苦労したし
レベル上げた方が苦労するって何だよって思ったよ」
「後魔法を取るのが面倒くさいですからね」
「これで名作と言えるのかな?」
「本当に達也さんは分かってないですね
面倒くさいからこそやりがいがあるんでしょ
簡単のをクリアしたって何も面白くありません
難しいからこそ、クリアした時に達成感があるんです」
「そう言う考え方もあるか」
「だから私は名作だと思ってるんです
そして私はあの二人のようなカップルになりたいと思ってるんです」
「え?
あんなバカップルになりたいの?
ああ言うの見てると、無性に腹が立つんだけど」
「そんな事言ってると、主人公に斬り殺されますよ
ヒロイン命なんですから」
「あの武器って撃てないんだよな」
弾丸は飛ばなくて、発砲の振動で攻撃力が増えるそうだ
「いいですよね
何が何でもヒロインを守るって言うのは
素敵だと思います」
話しが噛み合ってない上に、堂々巡りである
「ちょっとあれは異常だと思うけどな
亜紀ってこう言う普通のもやるんだな」
「普通って何ですか?
私にとってはギャルゲーも普通です」
「さようですか」
「そう言えば、達也さんってみゆきちゃんと血繋がってます?」
「繋がってますけど、何か?」
「ほら、よくあるじゃないですか
血が繋がってない妹と恋愛するのって」
「よくねーよ
それはお前が持ってるゲームぐらいだ」
「いえ、血が繋がっててもする事はありますね
禁断の恋と言うのですね」
「(さすが妄想少女
ちょっと気持ち悪い)」
「達也さん、本当にみゆきちゃんに恋愛感情持ってないんですか?」
「何度も言いますが、持ってませんよ
って言うか、普通持たないでしょ」
「分かりませんね
達也さん、普通じゃないですから」
「俺は自分を普通じゃないと思っている
でもな、本当に普通じゃない人は、自分で普通じゃないとは思わないよ
自分は普通って思ってるよ」
本当の変人は自分を変人と思っていない
自分は一般人と何も変わりはないと思っているのである
狂人もまたしかり
「それもそうですね
でも、本当良かったです
達也さんがみゆきちゃんに恋愛感情持ってなくて
もしそうだったら、私に勝ち目はないですから」
「恋愛に勝ち負けってあるのかな?」
「まあ、勝つと思うな
思えば負けよと言う歌詞がありますからね」
「それは元々の意味と違うと思うが」
「そうですね
じゃあ、達也さんの言う普通じゃないゲームしますか」
そう言って、亜紀にとっては普通のゲームソフトを出した
「いや、結構です」
「何でですか?
これ面白いのに」
「それは趣味の押し付けって言うんだよ」
自分の好きなのを他の人にも好きになって欲しいと言う気持ちも分からないでもない
しかし、嫌いなのを押し付けられるその人の気持ちも考えて欲しい
もし、それでも分からない人がいたら、対策として、その人の嫌いなのを押し付けるのである
嫌がっても嫌がっても押し付けるのである
なお、これは周囲の人間からの痛い視線とその人との人間関係が壊れる可能性大なので、それでも良いなら、止めはしない
「それもそうですよね
それにこれはバッドエンドがメインですから、達也さんは嫌いでしょうね」
「何でそんなの持ってるの?
亜紀って、バッドエンド好きだったか?」
「私もハッピーエンドの方が好きなんですけど、これはバッドエンドの方が好きなんです」
「どんなのなの?
それ?」
「主人公かヒロイン、どちらかが死にます
正確に言えば、主人公は殺されて、ヒロインは自殺または事故死または病死します
更に言えば、友達もどんどん殺されていきます」
「聞いてる限りでは良いと思えないんだけど」
「それは、これはギャルゲーと言われてますが、実は推理物だからです
ヒロインに色々あって、その為に主人公またはヒロインの友達を殺していって、ヒロインが犯人であると突き止めないと主人公が死にます
突き止めても死ぬ場合もありますが
もしくは、これもまたヒロインに色々あるのですが、さっきも言ったように自殺または事故死または病死します」
「かなり省いた説明だな」
「しょうがないじゃないですか
ちゃんとした説明だと、一日かかります
それでも良いんですか?」
「いえ、結構です」
「これってハッピーエンドもあるんですけど、どうしても矛盾していると言うか、雑に作られてるんですよね
だからこそ、バッドエンドが面白いんです
人を殺したり自殺するのには共感できませんけど」
「そうかな
そのゲームをやった事がないから内容は分からないし、人を殺しするのは確かに共感できないけど 自殺と言うのは分からなくもないよ
俺自信、積極的じゃないけど死んでも良いって思ってるから
条件付きだけどな」
「どうしてですか?」
自然と亜紀の声が尖る
「生きる理由が無いから
かと言って、死ぬ理由も無いがな
まあ、だから生きてるんだろうな」
ジャック・リゴーは次のように書き残している
生きる理由はないが、また、死ぬ理由もない
人生への軽蔑を示すべく我々に残された唯一の方法は、それを受け入れることである
人生は、苦労して捨てるほどの価値もないと
余談だが、ジャック・リゴーは自殺した
「駄目です」
そう言うのと同時ぐらいに亜紀が達也を抱きしめる
それも、何かに耐えるように力強く
「あの、痛いんですけど
ってか震えてるよね」
亜紀はわなわなと全身が震えている
「震えてません」
亜紀は大声を出し、前よりも抱きしめる力が強くなる
「余計痛くなったんだけど」
「我慢して下さい
そんな事より、死んじゃ駄目です
死んだら、何もできませんよ
無なんですよ
確かに辛い事もいっぱいあるかもしれませんけどそれが生きてるって事なんです」
亜紀は声を震わせながらもはっきりと達也に伝わるように言う
「(何かありきたりなセリフだな)」
しかし、達也には届かなかったようだ
「あのさ、俺死んでも良いと言ったけど、死にたいとは言ってないからね」
「え?」
亜紀は達也から離れて達也の目を見る
その瞳は涙で濡れていた
「(泣いてらっしゃる
俺何か悪い事した?)」
「どうゆう事ですか?
死にたくはないけど、死んでも良いって
同じじゃないですか」
「いや、違うだろ
死にたいって言うのは積極的な発言だろ
それに対して、死んでも良いって言うのはもし何々なら死んでも良いって言う消極的発言じゃん」
「そんなのおかしいです」
「おかしい?
これについて、お前におかしいと言う権利なんてあるのか?
じゃあ、お前はこう言う事思った事ないのかよ」
「死のうとした事はあります
父親にされたちょっと後に」
「ごめん」
達也は気まずそうに言った
「いえ、いいんです
……達也さんは生きる理由はないと言ってましたけど、私にはあります
それは他人の為に生きると言う事です」
「奉仕活動でもしろって事?」
亜紀がかすかに首を振る
「違います
その人の支えになると言う事です」
「意味が分からないんだけど」
「私が死んで何とも思わない人もいれば、私が死んで悲しむ人もいます
私はその悲しむ人を悲しまさせたくないんです
だから生きる事によってその人を支えたいんです」
「やっぱり今いち意味が分からないんだけど
まあ、それは俺はそう言う考えがないからなのかな
でも、何でそう言う風に思うようになったの?
あ、ええっと、話したくないなら、話さなくて良いよ」
「大丈夫です」
亜紀は大きく息を吸ってはいてをしてから話し始めた
「今でもその事は覚えてます
忘れる事はできません
私が父親にされた後は言葉にできない程の苦しみでした
ふいに父親にされた事や言葉を思いだしたり、ちょっとした事でびくびくしたり、人と話すのが怖かったりと
私はそれに耐えられなくて、死のうとしました
なぜか分かりませんが、ビルの屋上に行って、フェンスを越えて死のうとした瞬間に携帯の着信音が鳴ったんです
そのまま気にせずに死ねば良かったんですが、なぜか気になってしまって携帯を見てみたら、母からのメールでした」
亜紀は少し疲れたのか分からないが、ふっーとため息をつく
そしてまた話し始める
「母からのメールには今日の夕食何にすると」
「それだけ?」
「はい
それだけです
最初は凄い母の事を憎みました
母が父と結婚したせいで私がこんな目にあったのに、何呑気にこんなくだらない事をメールしてくるのって
でも、その後に小夜からもメールが来たんです」
「小夜からのメールには今日の夕食お姉ちゃんの大好きなハンバーグだよって
それを見た瞬間に死ぬ事が馬鹿らしく思えたんです」
「え?
何で?」
「だって、小夜も父親にされて私と同じ、いえそれ以上に苦しんでるんです
それがですよ、表明的かもしれませんが、あんなメール送ってきたんですから、馬鹿らしく思えます」
「そんなもんなのかなあ
……それで他人の為に生きようと思ったの?」
「いえ、違います
家に帰って、夕食の時に母に私が死んだら悲しいって聞いてたら、当たり前の事聞かないでって言われたんです
小夜にも私もお姉ちゃんが死んだら悲しいよって言われたんです
その時に私は他人、母と小夜の為に生きようと思ったんです
私は父親を絶対に許さないですし、これが神様の試練だとも思っていません
他の被害者はそう思わないかもしれないし、綺麗事かもしれません
でも、私はそう思ったんです」
レイプが神の試練などと言うのは馬鹿げた話しである
レイプされた被害者の一人が次のように言っている
その日、私だった人間は私から奪われ、私の家族から奪われた。
私は今後死ぬまで決して元通りにならないだろうと
また一部の女性は乱交に走り,その人らしくない行動をとる。
乱交する理由は様々だが一例を上げると、無理矢理されるのではと言う恐怖がいつも付き纏うが、乱交している時は、自分が積極的にするので、その時だけは無理矢理されると言う恐怖から逃れられるかららしい
その人の人生を壊して置いて、それが神の試練だとか、前世の行いが悪かったからだと言う馬鹿はこの事を知っているのだろうか
知っていないのなら、許せないだろうが、まだ救える馬鹿である
知っていて言っているのなら、極悪非道な人物である
「でも、それってさ、悲しんでくれる人がいたらの話しだろ
そういうのがいない人はどうすんだよ
それにそういう人がいたとしても、自分なんかと思ったらどうするの?
別に亜紀の考えがおかしいって訳じゃないし、父親に酷い事されたのにそう考えるのは凄いけどさ」
「それは無責任なようですが、私にも分かりません
考えるのは自分であって強制されるものではありませんから
でも、達也さんには悲しむ人がいるじゃないですか
達也さんだって、それは分かってるはずです」
「悲しむ人ねー
母親ぐらいしか思いあたらないけど」
「十分じゃないですか
それに、達也さんが死んで悲しむ人は、みゆきちゃんや藍沢先輩や山口先輩、いっぱいるじゃないですか」
「いっぱいねー
亜紀が言ったのは俺が死んでも悲しまないと思うけどな」
「そんな事ないです
みゆきちゃんは妹だし、藍沢先輩や山口先輩は親友なんですよね
だったら、思うに決まってるじゃないですか」
「仲が悪い兄妹って結構いるよね
それに俺は親友だと思ってるけど、あの二人はそう思ってないかもしれない」
「達也さんとみゆきちゃんは仲悪くないでしょ
達也さんはみゆきちゃんの事好きだし、みゆきちゃんも達也さんの事が好きです
藍沢先輩と山口先輩は達也さんの事親友だと思ってますよ
そうじゃなきゃ、達也さんなんかと一緒にいませんよ」
「最後のがひっかかるけど、そう信じたいね
……まっ、考えてみるよ」
「考えた末に死ぬなんて言わないで下さいね」
亜紀は心配げに言った
「そんな事言わないから安心しろ」
「良かった」
亜紀は安堵の声を出す
「蒸し返して悪いんだけどさ、自殺ってさ人から見たらそんな事で死ぬなんてって言うのが大半だよな
でも、その人にとっては重要なんだよな、うん」
と達也は自分で言って自分で納得してしまった
何だこいつはって感じである
人の悩みの大半は他人からみたら些細でくだらないものである
しかし、本人にとっては重大で深刻なものなのである
悩みって言うのは当人になってみないと分からないものと言う事なのであろう
「私の悩みは些細な事なんですね」
「そ、そんな事ないぜ
亜紀の悩みは世界で一番重大だよ」
達也はしまったと言う顔をする
しかし、時既に遅し
「男の人がそう言う考えだから、性犯罪はなくならないんですよね」
亜紀の言葉を聞いて、ナイフでぐさっと刺されたような痛みが胸に走る達也
お前はナイフで刺された事あんのかよと言うツッコミはなしでお願いしたい
「ごめんなさい」
達也はいたたまれなくなって、謝りの言葉を述べる
「何で達也さんが謝るんですか?」
この空気が嫌だったからとは言えないので、
「男を代表して謝ったんだよ
一応俺も男だからさ」
と達也は言った
「達也さんって男だったんですね」
あまりのショックに、達也は床に倒れる
「大丈夫ですか?」
言葉とは裏腹に、全く心配していない声である
達也はぴくりとも動かない
「返事がない
ただの屍のようだ」
「俺死んでねえよ
って言うか、何でお前それ知ってんだよ」
達也ががばっと起き上がる
「何でって、そのゲームした事がありますから」
「え?
亜紀ってそう言う系統もやるの?」
「はい
色々なジャンルのやりますよ
ギャルゲーばかりしてると思ってたんですか?」
「はい、そう思ってました」
「さっきもそうじゃないのについて話しましたし、前の時も話したじゃないですか」
「ああ、そう言えばそうだっけな
でも、俺の中では亜紀=ギャルゲーの図式が出来上がってるんだよね」
「それも間違いではありませんがね
あ、そう言えば、前も土下座してましたよね」
「前もって?
今日は土下座してないけど」
「床に頭を擦りつけてる点では一緒ですよね?」
「そうですね」
もう本当にどうでもいいやと言う感じに、今まで以上になる達也であった
何でこんな話しになってしまったかと言うと、一つはもしかしたら、レイプされたから達也と出会えたと思われたくなかったからです。 その為にこの内容を書いたんです。 しかし、どうしてもその内容になってしまう。 昔の自分に会ったら、お前絶対後で苦労するから、レイプされた話しは書くなってね。 なぜこの話しを書いてしまったのかは秘密です。そして自殺についての話しなんですが、親友と呼べる女性に、何で人って生きようとするのかなって聞いたんですよ。これは一概には言えませんが、半数ぐらいは生きようとするでしょう。それは何故かなって思って。こう言うの他の友達には聞けませんから。 はあ?とか言われたり、死んじゃだめだよと言われたりしますから。 でも、この親友は考えてくれるんですね。 その親友が言ったのは、死ぬ理由がないからだと言ったんです。 その後も話しあいましたそれをこの物語に当てはめて書いたんです。 ギャルゲーとかの知識はまたまた女友達が大好きでして、その子にいつも無駄な知識を聞かされましてですね。 まあ、半分以上聞き流してるんですけど。 それで思ったのが、ギャルゲー大好き女の子とギャルゲーに全く興味ない男のやりとりって面白いんじゃねえと作ったのがこれなんです。 まあ、あんまり面白くないのが実情ですが




