第3話:媚びる先輩とあいつと俺
ある日のある教室に泣き崩れている男と申し訳なさそうにしている男がいる
「なぁ、太一そろそろ元気出せよ」
「ドゥアって」
涙をぽろぽろ流している
あの<俺は童貞です事件>からクラスの対応はひどかった
男は『よう、童貞』と名前で呼ばなくなって、女の子は太一が消しゴムを拾ってあげたのに、きゃあ、けがれちゃった
もう、これ使えないとか、太一が通るだけでサッと道をあけるのだ
クラス内だけなら良かったのだが、女の子は他のクラスの友達にもいってしまったのだ
「人の噂も75日って言うじゃん?」
「元はと言えば、誰のせいだと思ってたんだよ?」
「俺です。すいません」
そう、クラスの対応より俺の方が最低だ
こんな事になるのは、予想できたのに、嫌、予想できなかったとしても、させるべきではなかった
今俺は心から恥じた
「女の子紹介してあげるから、泣くなよ」
俺は自慢じゃないが、男友達より女友達の方が多い
「どうせ、その女の子も、この事は知ってるから、意味ないよ
ちょっと一人になりたい」
「おい、まさか自殺する気はないよな?」
「自殺したら、真っ先にお前の所に化けてでてやりたい所だが、あいにく、お前はただ一人の友達だから、今回は許してやるよ
でも、次やったら、許さないからな」
「ごめん」
俺は心の底から謝った
「そんなに謝らなくたっていいって
じゃあ、どっか一人になってくるわ」
笑って教室を出て行った
「あいつ、大丈夫かな?」
もう、これからは、ああゆう事は言わないようにしようと思ってると、
「達也ぁ〜」
と声をかけてきた
かわいいと言うより綺麗な女の人だった
この人は先輩で、(ついでに言うと、俺は二年生だ)名前は浅見里奈
髪は茶髪で、首までかかってるぐらいだ
身長は160センチぐらいで、透き通った白い肌にくりくりっとした瞳だ
胸も程よく出ていて、良い感じの女の子だった
でも、里奈先輩は、亜紀とは違って、男に媚びている感じだった
それゆえに、女の子からは嫌われてるようだ
「どうしたんですか?
そんな落ち込んだ顔して
もしかしてまた振られたんですか?」
「そうなの〜」
里奈先輩は今にも泣きそうな顔で言ってきた
里奈先輩は綺麗だから、結構告白されるのだが、なぜか、一、二週間で振られるのだ
「ねぇ、なんで私ってすぐ振られるのかな?
私のどこが悪いの?」
「う−ん、里奈先輩は綺麗ですし、性格も悪くないと思うんですけど」
「じゃあ、何で?
達也は私の相談相手でしょ」
そうなのだ
俺は里奈先輩の恋愛相談相手なのだ
なぜ、こうなったかというと、俺が部活に二年生で途中入部した時、里奈先輩がいて、部活内の男どもはメロメロだった
俺は綺麗だとは思ったけど、顔で選ばないし、ギャル系は嫌いだったので、見向きもしなかった
そしたら、先輩は私に興味がないのと聞いてきたので、驚いたが、興味ないですと答えると、じゃあ、私の恋愛相談相手になってと言われたのである
どうゆう訳かというと、他の男は私に好意を持っているから、好きな人を悪く言うかもしれないと
その点、俺は先輩に興味ないから、正直に言うし、更に男の気持ちもわかるからと言うのだ
「もしかして先輩って、スト−カ−化してません?」
振り向くと、亜紀が居た
「何だよ?
スト−カ−化って?」
「だから前にも達也さんに言いましたけど、今日はどこに行ってたのとか、昨日はだれに会ってたとか、知られたくなかったり、忙しい時もあるのにって事ですよ」
「ああ、そう言う事か
先輩、心当たりはありますか?」
「うっ、あ、あるよ
今日は用事があるからって言ってたのに待ってたりとか、昨日はどうしてたのって、逐一聞いたりしてた」
「重いです
先輩は達也さんぐらい重いです」
「だから俺は重くねぇって」
「ああ、なんか、軽いと思って付き合ったのに、イメ−ジと違うって言われた
重いとも言われた
それが理由なのかな」
先輩は涙ぐみながら思い出していた
「確かに先輩って見た目と正反対ですもんね?」
そうなのだ
先輩は見た目はギャル系だけど、尻軽女じゃないというか(別にギャル系が尻軽女と言うわけではありません)、初々しいというか、純粋なのだ
俺も最初は正直驚いた
「だったら、尻軽女になればいいんですよ」
亜紀は突拍子のない事を言った
「はぁ、お前馬鹿じゃないの?
尻軽って事は誰とでもやるって事だろ?
先輩は好き人としかしないだろう?」
「そっちの方が馬鹿ですね
いろんな男とやって、軽くなれば問題解決です」
こいつ正真正銘の馬鹿か?
「それは問題解決になんねぇよ
それに俺はそういう女は嫌いだ
先輩、顔だけ見て性格を知ろうともしない男はろくでもない男が多いですよ
先輩は変わらなくっても、大丈夫です」
「じゃあ、達也、私と付き合ってよ」
「え、どこにですか?」
「ばっかじゃないですか?
付き合うっていうのは恋人になるって事ですよ」
「ええ、俺とですか?
なんで、俺となんかと?」
「だって達也優しいし、本当の私でもいいんでしょ?」
「え、いや、まぁ、そうですけど」
「私じゃ嫌なの?」
先輩はウルウルした目で見てきた
うわぁ、そんな目で言われたら、嫌でも嫌って言えないでしょ
「なんて−、冗談
私イケメンが好きだから
達也ってかわいい系って感じだし
後20センチ背が高かったら、付き合って欲しいけど」
このあま−
俺は女は殴らないって決めてるけど、今無性に先輩を殴りたくなりました
そうなんです
俺は身長154センチで、ちょっとの化粧とエクステをつければ、そこいらの女の子より可愛いよってよく言われるんですよ
男に向かって女の子みたいってなんなんじゃ−
でも、不細工よりはましかもしれないけど、男としては微妙なんですよ
「もお、俺女の子から好かれるのはあきらめて、新宿二丁目で働こうかな?」
最近まじで思うようになってきった
「ダメですよ
そしたら、私と結婚できませんよ」
「あ−あ、どこかに俺を好きな女の子いないかぁ?」
「だから、ここにいますって」
「ふふ、二人を見て元気が出たわ
そうね、本当の私を知っても嫌にならない人探すわ
ありがとう
じゃあ、私これで帰るね?」
「はい、じゃあ、また」
そうして、先輩は自分の教室に戻っていった
「そう言えば、お前なんで付き合ってって言われた時ダメですって言わなかったの?」
「ああ、あれは嘘だとわかってたからですよ
女は女の嘘を見抜くものですよ
でも、男は演技を見抜けないんですよね?」
「まぁ、基本的に男は馬鹿だからな」
男の嘘はすぐばれるけど、女の嘘はしたたかで、ばれにくいからな
恋愛に関しては数的にいえば、女の方が上手だよ
そう思いながら、一日が過ぎていくのだった
身長とかは事実です。女の子みたいだねってよく言われるんです(涙)。 女友達が多かったのは、モテるからではなく、男として見られてなかったような気がします。はぁ男して見られたいですね




