第28話:怒られるうちが花
ニャー
早く起きないと噛み付くぞ
ニャー
さっさと起きやがれ
物騒なのが目覚まし時計から聞こえる
ドラ◯ンボールの目覚まし時計は壊れたので、これに替えたのである
達也は眠たそうな目をしながら目覚まし時計のスイッチを切る
「ふぁー
……やっぱ目覚まし時計替えようかな
憂鬱になるし」
と言いながら、ちらっと目覚まし時計を見る
「まだ8時じゃん
もっかい寝るか」
そう言って、布団に入り込もうとする
しかし、
「あれ?
俺何か用事なかったけ?」
と思い悩む
うーんとしばらく考えたら、
「あ、そっか
俺亜紀とデートするんだった
……良かったー
思い出して」
達也は恐怖からの解放という安堵の気持ちを表すのに十分な声で言った
「(強制的なデートだけど、一応俺にも負い目はあるし、遅刻したら何言われるか分からんからな)」
「さてと、じゃあ、飯でも食べるか」
そう言って、達也は二階の寝室から一階への居間へと降りて行く
達也は居間に入ると、一人余計なのがいた
「あ、おはよう」
達也を見た炎夏が朝の挨拶をする
「何で炎夏がいるんだよ」
「私が呼んだ」
そう炎夏の隣に居たみゆきが言った
「何で?
こんな朝っぱらから」
達也は椅子に座りながら聞く
「9時からちょっと用事があって、炎夏さんと一緒に行くの」
「へえー
まあ、炎夏がいれば大丈夫だな
……お前はさっきから何で他人の家で朝飯食ってるの?」
達也は炎夏に言った
炎夏はさっきから、朝の定番、ご飯とみそ汁を食べている
「だって、たっくんの彼女だよ
当たり前じゃない」
と台所から居間に来た達也の母は言った
「だから、何度も言ってるでしょ
俺と炎夏はそんな関係じゃないって」
「そうですよ
私達は親友なだけですから」
「炎夏さんが私のお姉さんだったら、良いのにな」
「俺はこんなのが姉だったら、毎日地獄だと思うけどな」
「人にこんなの呼ばわりするのって人間として最低だよ」
「ごめんね
私の育て方が悪いばっかりに」
「いえ、おばさんは悪くないですよ」
「そうだよ
お母さんは悪くないよ
悪いのは全部達也だよ」
「わあー
凄いアウェー
誰か味方はいないのかよ」
「私、準備してくるね」
みゆきは言った
「うん、分かった
私はご飯食べたら、達也の部屋に居るから」
炎夏がそう言うと、みゆきは頷いて、自室へと歩いて行った
「無視かよ
しかも、何で俺の部屋に来るんだよ」
「すいません、おばさん
ご飯お代わり良いですか?」
「ええ
良いわよ」
達也の母は炎夏からお茶碗を受け取って、母は炊飯器へと向かう
「ずうずうしい奴」
「いいじゃん
私とおばさんとは家族みたいなものなんだから」
「親しき中にも礼儀ありって言葉知ってるか?」
「私は親しくなくても、礼儀はないから大丈夫」
「それは人間としてどうかと思うぞ
そんな奴に最低と言われたくないな」
「良いの
私は適当に生きるんだから」
炎夏がそれってダメ人間じゃねえの的な事を言う
「はい
召し上がれ」
母が炎夏に茶碗を渡す
「ありがとうございます」
炎夏はそう言うと、凄い勢いでご飯を食べる
「じゃあ、行こっか」
食べ終わった炎夏が言う
「まあ、暇だから良いよ」
達也がそう言うと、二人は達也の自室へ向かった
「相変わらず殺風景な部屋だね」
「まあな
……って、何してるの?」
炎夏は本棚にある本の中身をパラパラめくったり、ベッドの下を覗いている
「うん?
何って?
エロ本チェックだけど」
「ねえよ
そんなの
っていうか何でお前は母親みたいなマネしてるの?」
「おばさんに頼まれたから
自分で探すのは後でばれた時達也に嫌われるのやだからって」
「体よく押し付けられたって訳か」
「後、おばさんはこうも言ってた
エロ本を見るのは健全だけど、過激すぎるのは嫌だなって」
「だから、持ってねえよ」
「うーん
探したけど、ないみたいだね
つまんない」
と炎夏はがっかりした声で言った
「やっぱり、自分が楽しみたいだけなんだな」
「準備できたよ」
達也の部屋に入ってきたみゆきが言った
「そう
でも、9時まで後30分もあるから、達也にレッスンしてあげよう」
「レッスンって何の?」
達也は訝しげに聞いた
「デートを成功させる為のレッスンだよ」
炎夏は言った
「あ、それ面白そう」
「結構です
俺は別にデートを成功させたくないから
そう言うのは、もっと必要な人にやってやれよ」
「ダメだよ
デートするんだったら、亜紀ちゃんを楽しませないと」
「まずは、亜紀さん以外の女性を見ない事だね」
「それは無理だろ
歩いていたら、絶対目に入るんだから」
「そう言う意味じゃないんだよね
見とれちゃダメって事だよ」
「見とれはしないけど、女性を見るのはしょうがないだろ」
綺麗な人だなとか可愛いなぐらいは思うであろう
「はあー
本当達也は乙女心が分かってないね」
炎夏は呆れたように言った
「(炎夏に乙女心とか言われたくないな)」
心の中で毒づく達也
「まあ、達也に分かれって言う方が無理なんじゃない?」
妹にまで言われてしまった
「確かに
亜紀ちゃんに生理前とか聞くぐらいだからね」
「えー
何それ?」
みゆきは嫌悪感丸だしの声で言った
炎夏はみゆきにあの事件の内容について話す
「うわー
最低」
「本当
人間の風上に置けないよ」
「(何でそこまで言われなきゃいけないんだよ)
それはですね、もう十分反省してますから、広めるの止めて欲しいんですけど」
「ダメだよ
これ10人の人に言わないと呪われるから」
「何その不幸の手紙みたいの」
「あ、そういえば昨日チェーンメール届いたよ
血液足りないから輸血して欲しいって」
「で、それ送ったの?」
「うん、5人くらいに一斉送信で」
「で、だいたいが結局自分の所へ戻ってくるんだよね」
炎夏がしみじみと言う
「チェーンメールって例え善意だとしても、送らない方がいいよ」
「何で?」
みゆきは不思議そうに言った
「嫌がらせの為に他人の名前を語って善意を装って送ったり、楽しくてやってるの多いからな
それなのに、病院や行政に問い合わせが来て、業務を遂行できなくなるんだよ
それにチェーンメールって言うのは迷惑以外の何物でもないからな
だから、送らない方がいいし、送られてきたらすぐ消すべきなんだよ」
「あ、もうそろそろ出ないと」
炎夏が言う
「本当だ
じゃあね、達也
あ、後ちゃんとエスコートするんだよ」
二人は達也の自室を出て行った
「絶対あの二人は教育がなってないね
……みゆちゃんは俺にも責任があるか」
みゆきがあのようになったのも、達也が甘やかしたのに一因があるだろう
「しかし、あと一時間何するかね」
「たっくん
下に降りてきて」
一階から母の声が聞こえる
「次は母さんかよ
面倒くせえな」
達也はぶつぶつ言いながらも、一階に降りて行った
母は居間に戻っていたので、達也は居間に行った
「何?
何か用?」
「みゆと炎夏ちゃんに頼まれたから、私がデートを成功させる方法を教えてあげる」
「(何やってくれてんだろうな
あの二人は)
いいよ、そんな事してくれなくても
気持ちだけで十分だよ」
達也は心にも思ってない事を言う
「だーめ
本当は炎夏ちゃんとくっつけたかったんだけど、炎夏ちゃんは亜紀ちゃん?って言う子を応援してるらしいから
あ、でも、付き合うんだったら、一度家に連れてきてね」
「母さんの考えを俺に押し付けないで
それに、何で家に連れてこなきゃいけないの?」
「だって、付き合うんだったら、親に紹介するのが普通でしょ」
「普通じゃないでしょ
そんなのはごく少数だと思うよ」
「周りなんかどうでもいいの
それが麻倉家の家訓なの」
「そんな家訓聞いた事ないし、そもそも家に家訓なんてあった?」
「聞いた事ないのは当たり前だよ
だって、今作ったんだから」
「うわー
今聞き捨てならない事言ったよ
そんな事で良いの?」
「今法律作ったから、その前のは裁けないけど、今からは絶対だから」
「なんか法律にランクアップしてるんですけど
しかも破ったら、裁かれるの?」
「うん
罰は毎日私と2時間喋る事」
「(それ凄いきついな)
そんなの罰にしていいの?
少し悲しくならない?」
「だって、そうまでしないと、たっくん喋ってくれないでしょ?」
「それは俺と母さんは心で通じあってるからだよ
だから、話さないんだよ
(自分で言ってて気持ち悪いな)」
「本当
じゃあ、この罰はやめにしよう」
母は嬉しそうに言った
「うん
やめよ
(この人、あんなんで信じちゃったよ)」
「ええっと、何教えるんだっけ?
あ、そうそう、たっくんにデートの成功法を教えるんだったね
女の人にみとれちゃいけないって事とエスコートするって言うのは習ったよね?」
「はい、習いました」
達也はもうどにでもなれという感じだ
「じゃあ、次は共感だね」
「それって、教官は自分の恩人でありますみたいなの?」
達也の母は首を傾げる
「何、それ?
共感って言うのは、共に感じるって書くのだよ」
「いや、分かってますよ
ただ言ってみただけです
で、その共感が何だって言うの?」
「話しをする時、男性は反論やアドバイスをするけど、女の子は共感して欲しいんだよ」
「そう?
そうじゃないよって言って欲しい場合もあると思うけど」
なぜか知らないが、全く頼りにならないのを知っているのに、女性に彼氏について相談と言うか愚痴を聞かされた事がある
本当うちの彼氏って最悪なんだよと悪口を聞かされたから、じゃあ別れりゃいいじゃんと言ったら、でもね良い所もあるんだよとなぜか説得されそうになった事がある
あれは、そんな事ないと思うよと言えば良かったのかもしれない
ここから女性は面倒くさい生き物だと言う仮説も立てられる
「そこは見極めないとモテないんだよ」
「全くモテなくても問題ないけどね」
達也のような考えと姿勢でモテようとしていたら、馬鹿以外の何物でもない
「あ、もうそろそろ時間じゃない?」
「そうだね」
「これでデートはばっちりだね」
「そうかもね
(全く役に立たないと思うな
どこか間違ってる気がするから)」
達也はそう思いながらも、表には出さない
財布など取りに行こうと、一度自分の部屋に戻る
部屋の中に入って財布を取る
一応財布の中身を確認すると、
「すげえ
500円玉二枚しかない」
「さすがにこれじゃまずいよな
(いや、いいか
中国では理想の上だとしても、誘った方がおごる習慣があるからな)」
「まあ、何とかなる」
そう言って、達也は自室を出て玄関へと向かった
「行ってきます」
「頑張ってね」
そう言う母に達也は愛想笑いをして、家を出た
◯◯駅前の銀時計
「5分遅れか
ええっと、あいつは来てねえか
まあ、予想通りだな」
達也はやれやれと言う感じだ
待つ事10分
「おはようございます」
亜紀がやって来た
一応服装を説明すると、上は黒いインナーの上から白い服を着て、下はミニスカートである、以上
「誘っといて遅れるってどう言う事だよ?」
「女は遅れてるのが常識ですよ」
「ずっと前も言ったけど、それは絶対間違ってるよ
それにこんな事毎回やってたら、待たされた方怒るだろ」
「他の人はダメかもしれませんけど、達也さんは何だか言ったって、最終的には許してくれますから」
「何かそれだと、俺がダメな奴みたいじゃん」
「良い事ですよ
懐が深いって事なんですから」
「そうかねー
(良い用に利用されてるとしか思えないんだが)」
「そうですよ
あ、今日の予定ですけど、まず映画見ますから」
「映画?」
「はい
この近くに映画館あるじゃないですか
そこで見ようと思って」
「俺1000円しか金ないから、無理だよ」
「何でそれだけしかないんですか?
普通デートにそれだけで来ます?」
「俺は誘った方が全ておごるって言う習慣だから」
「まあ、いいですけど
もらった券がありますから」
「券?」
「映画鑑賞券です
母の友人がくれたんです
ちょうど二枚分あります」
「まあ、する事何もないからいいけどね」
達也が了解した事によって、二人は◯◯駅近くにある映画館へ仲良く(?)向かった
現在映画館の中
「何見ます
私は赤い糸の伝説が見たいんですけど」
「そんな恋愛物は嫌だ
俺はアクション系が見たいね」
「ええー
アクション系つまらないですよ
やっぱり恋愛物の方が面白いです」
「じゃあ、最初から聞かないでくれる?」
「一応達也さんの意見も聞こうと思って
まあ、私の見たい物と違ったら無視しますけどね」
「もう一度言うけど、だったら最初から聞かないで下さい」
「後で言われるより、聞いて無視した方が良いじゃないですか
ほら、行きますよ」
亜紀はチケットカウンターにすたすたと歩いて行く
「何その凄い自己中的考え
って、おい待てよ」
達也も急いで亜紀の後を追う
亜紀はチケットカウンターの人に手際良く答えていく
映画鑑賞券を座席指定券に引き換えてもらった
「さて、行きましょうか」
「何か手慣れてたな」
歩きながら喋る二人
「そうですか
あれぐらい普通だと思いますよ」
「そうなのか
あんまり映画館来た事がないから分かんないんだよな
ってかどこに向かってんの?」
「NO.6です」
「NO.6?
何だそれ?」
「番号です
ここは複合映画館だからたくさんスクリーンありますよね
その為にそれぞれに番号をつけてるんです」
「へえー
凄いな」
達也は感心しきりである
二人はNO.6に到着して、両開きの扉を開けた
扉を開けると広いホールになっていて、大勢の人がいた
「やっぱりカップル多いですよね
恋愛物だから当たり前かもしれませんけど」
「男と女が一緒だからってカップルと言うのは飛躍してると思うけどな」
「でも、そう考える人多いと思いますよ
私達もカップルに見えてるかもしれませんしね」
「そうかもね」
達也は淡々と言った
「でも、達也さん私より背低いですから、弟と思われるかもしれませんね」
「ああー
そうかもしれんな」
「大丈夫ですか?
どこか調子でも悪いんですか?」
「何で?」
「だっていつもの達也さんなら、お前とカップルに見られるなんて最悪だとか、背低くくて何が悪いんだとか言うはずですから」
「そこまで言わないよ
……あのさー、いつまでここに突っ立てんの
さっさと席につこうぜ」
達也がそう言ったので、亜紀はわかりましたと言って、歩き出した
達也は亜紀の後に続く
「(そう言えば、エスコートが何かって言ってたけ
ってか、エスコートってなんだよ
そんなの舞踏会ぐらいしか知らないぞ
舞踏会行った事ないけどな)」
「達也さん、達也さん」
亜紀の声が聞こえる
「え?」
声がした方を振り向くと、亜紀はワンブロック後ろにいた
あれと思って達也は亜紀の所に戻る
「どこまで行ってるんですか?
席はこの列にあるんですよ」
「ごめん
ちょっと考え事してたから」
「本当大丈夫ですか?」
亜紀は心配そうに聞く
「大丈夫、大丈夫」
達也はそう言って、一人で階段を下りて行った
「どこか分かってるんですか?」
亜紀はそう言って、達也を止める
「いや、知らない」
達也は苦笑いだ
「だったら、先に行かないで下さいよ」
亜紀は呆れたように言う
達也はあははと笑う
亜紀はもうと言って、(達也にとっては)どこにあるか分からない席へと進む
「(ちょっと
まずったかな)」
「結構良い位置じゃん
前過ぎず、後ろ過ぎずで」
「でしょ?」
二人は席に座る
ちなみに達也は1番右の通路側、亜紀はその隣りである
別に説明した意味はない
「あ、ポップコーン買って来ましょうか?
やっぱり映画館と言ったら、ポップコーンですから」
「これ終わったら昼飯なんだから、別に良いだろ」
「それもそうですね」
その後は雑談をしながら、映画が始まるのを待つ
ホールが暗くなる
「あ、始まるみたいですよ」
「え?
ブザー鳴ってないけど」
「最近は鳴らないんですよ」
「マジで?
時代を感じるね」
予告やらCMがあって、ついに本編が始まる
一時間経った頃
達也は大きくあくびをする
「(凄いつまんないんですけど
良かった、金払わなくて)」
達也はふと亜紀の方を見ると、亜紀はぽろぽろと涙を流している
「(うわ、泣いてるよ、こんなので
まあ、趣味って言うのは人それぞれだから別に良いけどさ)」
「(でも、亜紀とは趣味合いそうにないな)」
いつもの達也なら、(達也にとっては)つまならい映画をエンドクレジットなんぞ見ないのだが、亜紀がまだ感動して涙を流しているので、留まった
「良かったですね」
亜紀はハンカチで涙をふく
「そうだね
(ある意味な)」
達也は努めて本心を語らないようにした
それを聞いて亜紀が怪しい物を見る目つきになる
「な、何?」
「絶対怪しいです
……あ、分かりました
あなたは達也さんじゃなくて、双子の兄か弟ですね」
「そんな奴いねえよ
俺の兄弟はみゆちゃんだけだよ」
「それは達也さんが知らないだけです
実は双子がいたんです
それがあなたです」
「何だそれ?
お前は漫画やドラマの見すぎだ」
「え?
本当に達也さん何ですか?」
「はい、そうですよ
私が達也ですよ
やっと分かりましたか?」
「分かりました
達也さんの皮を被った宇宙人ですね」
「おおー、それなら俺であって俺でないな
って、違うわ」
端から見たら、何このカップルと思われるような会話をする二人
二人は映画館を出る
「どこに食べに行きます?」
「マ◯クで良いんじゃない?」
「フランス料理が食べたいです」
「そんな金が高校生にあるか」
「冗談です
私はチロルチョコで大丈夫です」
「一気に小1レベルに下がったな」
「そう言う事でマ◯クに行きましょうか」
「日本語の使い方間違ってると思うんだけどな」
何だこのしょうもないのは、と言いたくなるやりとりをしながらマ◯クに向かうのであった
マ◯クに入る二人
「俺が買ってくるから、亜紀は席とっといて」
「え?
良いんですか?」
「ああ
映画おごってもらったから、マ◯クは俺がおごるよ
割に合わないかもしれないけどさ」
「そんな事ないですけど、雨が降りそうですね」
そう言って、亜紀は席をとりに行った
「俺っていつもどんな風に見られてんだろ」
達也は軽くショックを受けながら、カウンターへと並ぶ
「(しかしマ◯クって凄いね
500円でたくさん食べれるんだから)」
言っておくが、マ◯クの回し者ではない
マ◯ック一年分とか欲しくはない
「(そう言えば、俺、亜紀の食べたい物聞いてない)」
今更ながらに気づく達也
「(ま、いっか
チ◯ズバーガーは世界最強だからな
後はオレンジジュースか)」
達也の順番が来たので、店員と(これは)手際よく注文する
あまり待たされずに注文した物全てが用意される
注文した物が乗っているトレイを持ちながら(当たり前)、亜紀を探す達也
探してると、手を振っている人を発見
達也はそれが亜紀だと分かって近づく
達也は注文した物を置いて、席に座る
「ありがとうございます」
「いいよ、別に
あの、亜紀の食べたい物聞いてなかったけど、チ◯ズバーガーとオレンジジュースで良かった?」
「あ、はい
大丈夫ですよ
私好きですから」
「良かった」
むしゃむしゃと食べる二人
「やっぱチ◯ーズバーガーは最強だな」
チーズバーガーを食べ終えた達也が言った
「食べ物に最強って日本語おかしくないですか?」
「確かに食べ物に使うのは間違ってるけど、チ◯ズバーガーはそれで正解なんだよ
芳醇な香りなんて言う馬鹿げた表現はいらないんだよ」
「でもチ◯ズバーガーが最強なんて可哀そうですよね」
「そんな事、テレビに出てた4、50代のおっさんがいってたな
まあ、一理あるけどな」
ファーストフードが1番うまいなんて味の分からない人が言う事だという考えがあるのだろう
これは決して間違いではない
「でもさ、食事って言うのは何を食べるかではなく、誰と食べるかだろう」
「言ってて恥ずかしくなりません?」
「ちょっとな
でも事実だろ
凄い美味しいのでもさ、一人で食べててもあまり美味しくないだろ
でもさ、コンビニのサンドイッチでも友達とわいわい楽しく食べる物は凄く美味しく感じるだろ」
「そうですよね
私は今達也さんと一緒にいるから、凄く美味しいです」
亜紀がにこっと笑う
「それはどうも」
「何ですか?
その反応
もっとこう、ありがとう嬉しいぜマイハニーとか言えないんですか」
「全体的に有り得ないな
最初の方は付き合ってたら言うかもしれないけど、マイハニーなんて言ってる奴がいたら、俺はそいつを殴るね」
「警察に捕まりますよ」
「示談金を払うから大丈夫だ」
「達也さんにそんな金ないでしょ
それにお金で解決しようだなんてダメです
ちゃんと罪は償わないと
ほら、私も一緒に警察行きますから」
「したら行くけど、してないからね」
「ノリが悪いですよ
こう言う時は、お、そうだなって言って下さいよ」
「こう言うのに、ノリとかいらないと思う
もうそろそろ行く?」
ずっと前に二人が食べ終わっていたのだが、少し落ち着く為に留まっていたのだ
「そうですね」
亜紀が了解したので、達也はトレイを持ってごみ箱へ行って、トレイの上に乗っている物を捨てる
そしてトレイをごみ箱の上に載せる
そして、マックを出る
「これからどうする?
って言っても、俺もう金ないから、服を買うのについてくぐらいしか出来ないけど」
「私も500円しかないですから、それもダメです」
「俺に文句言った癖に、何でお前はそれだけしか持ってないの?」
「ほら最近不景気ですから
お母さん内定取り消しとかされちゃって」
「亜紀の母さんって働いてたんじゃなかったけ?
それを言うなら、派遣切りとか給料カットじゃないの?」
「いえ
母は正社員ですし、給料カットもされてません
ただ、言ってみたかっただけです」
「何だそれ?」
「お金ないですから、私の家でのんびりしましょうか? 」
「別にいいけど、それはデートって言うのか」
「家で仲睦まじくしてるカップルは意外とたくさんいますよ
不景気でもっと増えました」
「もうその不景気ネタいいから
まあ、お前が良いんなら良いけどさ」
「じゃあ、そう言う事で」
亜紀は嬉しそうに言った
そして、なぜか亜紀は深呼吸をする
「(何で深呼吸なんかしてるんだ?
嫌な予感って言うより、面倒くさい事になりそうだ)」
ユニークアクセスが2万突破しました。これも読者の皆様のおかげです。 こんなつまらない小説を読んでくださってありがとうございます




