第24話:いざ鎌倉
これは1時間目の前から昼休みに起こった出来事である 8:20〜13:20
「おはよう、達也」
太一は朝っぱらからテンションが高い
「ああ、おはよう」
対して達也はテンションが驚く程低い
「俺いいもん買ったぜ
これ見ろよ」
太一がそう言って、手に持っていたのを見せた
それは携帯のストラップになりそうなくらい小さい土偶だった
(土偶が分からない人は自分で調べましょう
自分で調べないで人にばっかり聞くのは自分を成長させませんよ)
「こんなしょうもないの買ったのか?」
「しょうもなくなんかねえよ
これはモテモテ土偶君と言ってな、これを身につけているとモテモテになるんだってよ」
何と言うネーミングセンスの無い名前なのだろう
「お前、馬鹿だろ
土偶でモテモテになんかなる訳ないだろ」
達也は呆れたような口調だ
「これはな、オーパーツと言ってな、かの有名なムー大陸から発見されたものなんだ
だから、土偶でもモテモテになれるんだよ」
太一は気持ち悪いぐらいに力説している
「それ何円で買った?」
「5500円で
道端に並べて売ってたんでな」
「お前やっぱ馬鹿だろ
ムー大陸なんて存在しないんだからさ
もし存在したら、歴史的快挙なんだから、そんな安い値段で売らずに莫大な価格で博物館なり考古学者に売りつけるだろ」
「そんなー
じゃあ、これは偽物なのか?」
太一は椅子にへなへなともたれかかった
「当たり前だろ
と言うか本物なんてないと思うが
そんなんでモテモテになったら、皆買うだろうが」
達也の言葉を聞いて、太一は魂が抜けたようにぐったりとしている
「(こいつにあおいちゃんはもったないよな
でも、聞かないと亜紀に怒られるしな)」
達也は二つを天秤にかけている
「なあ、お前って妹系と付き合いたいと思うか?」
達也はそれとなく聞く
「当たり前だろ
俺は妹と結婚する会の会長なんだからな」
太一はがばっと起き上がった
「ああ、そうだったな
じゃあ、あおいちゃんはタイプなのか?」
達也はそれとなく聞いて見ると言った割りには、ストレートに聞いた
「あおいちゃんって水樹の友達の森山あおいちゃんの事か?」
「そうだよ」
「あの子だったら俺の彼女にはぴったりだな」
その言葉を聞いて、達也はお前はどんだけ自分に自信があるんだよとか、お前なんかあおいちゃんと全く釣り合わねえよと思ったが、
ぐっと抑えて
「じゃあ、告れば?」
と冷静に聞いた
「それはちょっと」
太一は小さい声で言った
「はあ?
何でだよ?」
達也は訝しげに聞いた
「俺とあおいちゃんは全然お互いの事を知らない訳だから
まずは交換日記から始めないと」
「お前はいつの時代の人なんだ?
確かに高校生で交換日記やっているのもいるけど、それは女同士でやるんじゃん
恋人で交換日記なんて今時珍しいぞ」
太一は机をバンと叩いた
「ばっか
俺をそこら辺の高校生と一緒にすんじゃねえ
俺はな清き正しい交際をしようとしてるんだよ」
「お前からそんな言葉が出ると思わなかったよ」
「校則に書いてあるだろ
不純異性交遊はしてはいけないってな」
「うちの高校にそんな校則はない
それに不純異性交遊って性行為をするって事じゃないのか?」
「違うな
不純異性交遊って言うのはな、異性と付き合っちゃいけないって事だよ」
「それ10年くらい前の話しじゃないか?
それに、もしお前の言う通りだとしたら、お前らカップルになれねえよ」
と達也は当然の事を言った
「あ
そっか」
太一は今更気付いたらしい
大きく口を開けてびっくりしている
「何かすげえショック
馬鹿に馬鹿って言われて」
達也は悲しみを漂よわせている
そうやって話していると先生が来たので、太一はじゃあなと言って自分の席へ戻って行った
1時間目の授業が終わって休み時間になったので、達也は亜紀のいるクラスへ向かおうとした
なぜ亜紀のクラスを知っているかと言うと、文化祭の時に何組とくむか分かるからだ
「ここか」
扉の上の板に1-6と書いてある
達也は外から亜紀がどこら辺にいるか探してから教室に入った
「よっ」
達也は右手を上げながら言って、近くの椅子を拝借した
そこには亜紀の他にあおいと未来がいた
亜紀とあおいは自分の席の椅子に座っているが、未来はどこからか椅子を持ってきたようだ
「どうしたんですか?
もしかして、私に愛の告白を?」
亜紀は目を輝かせている
「そんな事する訳ねえだろ
あおいちゃんの話しで来たんだよ」
達也は冷たく言い放った
「どうでした?」
未来が心配そうに聞いた
もしかしたら、未来ちゃんは友達思いなのかもしれない
あおいもびくびくしながら答えを待っている
「清き正しい交際なら良いってさ」
達也の言葉を聞いて
「え?」
三人とも同時に言った
何言ってるのって感じである
それを察した達也は、さっきの太一との会話を三人に話した
「うわー
凄い重い」
未来は顔をしかめた
「あんなんからは想像できませんね」
亜紀は馬鹿にしたように言った
「あんなん言うなよ
一応お前らの先輩なんだから」
「先輩だからってあんなんって言っちゃいけない事なんてありません
それにあれの前ではちゃんと名前に先輩付けて呼ぶんで大丈夫です」
亜紀は堂々と言った
あれとは山口太一の事である
「何が大丈夫か分かんないけど
あおいちゃんは、本当に太一で良いの?」
「は、はい
私は、その、そんな、山口先輩が好きですから」
あおいは顔を赤らめながら言った
達也は今時こんな子珍しいなと思って、
「(こんな良い子太一にはもったいないよな)」と心の中で呟いた
でも、
「じゃあ、交換日記から初めよっか
余ってるノートとかある?」
と言った
まあ、太一も変な奴ではあるが、悪い奴ではないからいいかなあと思ったのである
「すいません
ないです」
とあおいは申し訳なさそうに言った
「いや大丈夫だよ
持ってないと思ったけど、一応聞いただけだから」
「男って何でこうも、ぶりっ子が好きなんだろうね」
未来ははあーあとため息をついた
「そうそう
その癖ぶりっ子なんか嫌いだけどって言うんだよね
男って単純だからすぐ騙されてるのに、それに気付かないんだから」
亜紀は達也を見ながら言った
「あおいちゃんはぶりっ子じゃないだろう」
達也はすぐに反論した
「もうそれが騙されてるんですよ
だって、あおいトイレでタバコ吸いながら、学校なんてかったりーよって言ってましたから」
と未来が言ったら
「そ、そんな事してないし、言ってないよ」
とあおいはおろおろしながら言った
おろおろすると、やっているように見える
未来が友達思いと言うのは撤回しなければいけないかもしれない
「あのオヤジ生でいれた癖に、金まけようとするんだよ
セコいオヤジだとも言ってました」
亜紀はにやっと笑いながら言った
「そ、そんな事してない」
とあおいは顔を真っ赤にしながら言った
顔を真っ赤にすると言う事は、あおいは意味が分かってるのだろうか?
それならば、純粋ではなく純情にランク(?)が下がってしまう
達也は二人をキっと睨みながら、
「お前らさ、何でそんなひどい事言うんだよ
友達だろ?」
といらいらした声で言った
「冗談が通じない男はモテませんよ」
亜紀はまだにやにやしている
「これは冗談の範囲に入るのか?」
達也は亜紀のにやにや顔が気に入らないのか、イライラ度を増している
電流イライラ棒は越すのが難しかった
「だ、大丈夫です
い、いつも、こんな風にされてますから」
あおいは達也を落ち着かせようとした
しかし、それが大丈夫と言えるのだろうか?
「そう
ならいいんだけど」
と納得する達也
そこは大丈夫じゃないだろとツッコむ所である
「(あれ、あおいちゃんはいつもこんな下ネタを二人に言われてるんだろうか?)」
あおいのちょっと可哀相じゃねえ的な立ち位置には納得して、その事は疑問に思う達也
未来が下ネタを好きだろうと嫌いだろうと、どっちでも良い
問題は亜紀である
小夜が亜紀は下ネタは好きじゃないと言っていた
しかし、今あおいはこのような状況はいつもの事だと言っていた
と言う事は、亜紀は下ネタが好きとなってしまう
いや待てよと達也は思い直す
未来だけが下ネタを言ってあおいをからかってるだけではないだろうかと
と言うかそう思いたいのであろう
なぜなら、小夜に亜紀は達也を試す為に下ネタを言っているのだと言われたのである
だから、身体目当てじゃないと言う情けないやら恥ずかしい事を言ってしまったのである
もし、小夜の言ってる事が間違いなら、身体が漫画見たいにバラバラに砕け散ってしまうであろう
そう思ったので、
「あおいちゃんはいっつも二人に下ネタ言われるてるの?」
と恐る恐る聞いて見た
すると、あおいは首を横に振って、
「未来はたまに言いますけど、亜紀はそう言う事は言いません」
と途切れ途切れに言った
「女に言ったって詰まらないですしね
近くに男がいたら、女に言って男の表情を確かめたりはしてますけどね
面白いですから」
と亜紀は何となしに言った
「そっか」
達也は安堵の声を出した
やはり、亜紀の言動からすると小夜の言う通り亜紀は下ネタが好きじゃないとか達也を試していると言うのは間違いではないかもしれない
これで、達也が身体目当てじゃないと言った事は無駄だったかもしれないけど無駄じゃないのである
「じゃあ、もうすぐチャイム鳴るからダメだけど、後で太一の所行こっか
やっぱこう言うのは自分で言った方が良いと思うから」
「ええー」
とあおいは顔をりんごのように真っ赤にした
「女なら当たって砕けないと」
と未来はさも楽しそうに言った
「そう言えば、当たって砕けた人っているんですかね?」
と亜紀は違う事に疑問を持ったようだ
「例え話しなんじゃないの?
砕けるぐらい辛いとか」
達也がそう言うと、
キーンコーンカンコーン
とチャイムが鳴った
「まあ、授業中ゆっくり考えといて
また後で来るから」
そう言って達也は自分の教室へと戻って行った
教室に戻ると先生がいて遅いぞと言われたので、すいませんと微塵にも思ってない事を言って、自分の席に着いた
達也は2時間目の授業が終わったので、あおいの所に行こうと思ったが、あの調子だとまだ心の準備が出来てないから次の休み時間で良いかと思って、ボーっとしていると、
「なあ、お前さっきの時間どこへ行ってたんだ」
と太一が聞いてきた
「それは秘密だ
まあ、お前に良い事をしてやろうと思ってな」
「俺はゲイじゃないぞ」
太一は真剣にそう言った
「一回お前の思考回路がどうなってるか見てみたいね
と言うか、そう言う意味じゃないから」
達也は呆れながら言った
「じゃあ、どう言う意味なんだよ?」
「それは見てのお楽しみだな」
と達也はもったいぶった言い方をした
たわいもない話しをしていると、チャイムがなったので太一は何があるんだろうと顔をしながら自分の席へ戻って行った
「(やっぱり止めようかな)」
太一にはあおいはもったいないと言うか、性格の不一致から付き合ってもすぐ別れるんじゃないかと思った訳である
恋人として付き合うと言う事は好きだけじゃ駄目なような気がするのである
お互いの時間も合わず、話も合わず、趣味も合わずだと駄目なような気がする
達也はそう思ったのである
「(まあ、その時はその時か)」
何度も言うが、太一は性格的にも悪い奴じゃないし、女の子にひどい事をする様な最低な奴でもない
だから、お互いが好き同士なら良いかなと思ったのである
そう思ってから、達也は数学自体は面白いのかもしれないが、つまらない授業をしている先生の声を遠くに聞きながら夢の世界へと旅立ったのである
「ふぁー」
と言いながら、椅子に座りながら大きく背伸びする
変な態勢で眠っていた為か、首を寝違えたようで少し痛い
「やっぱり寝るんだったら、保健室だな」
そう思って辺りを見回すと、教室には誰もいない
そして誰もいなくなった
by アガサ・クリスティ
「あれ?」
おかしいなと思って黒板の左横に壁に貼ってある授業時間割表を見ても、
「今国語じゃないの?」
確かに4時間目は国語と書いてある
おかしいなと思って教室全体を見回すと、後ろの黒板(達也の学校の教室には、教壇の後ろと1番後ろ席の壁の所に一つずつ黒板がある)を見ると、
国語の授業は図書室でやりまーすと書いてあった
「うそー」
と言いたくなるのも無理はない
普通は前の黒板に書くだろう
達也は何だよと悪態をついた
そして、全速力で走るとかと思ったが、教室の前の方へゆっくり歩きながら黒板の右横にかけてある鍵をとって教室を出た
「ったく
誰か起こせよな」
そう文句を言いながら、教室を閉めて鍵をかける
いまさら走っても無駄と思ったのか、ゆらゆらと歩きながら図書室へと向かった
案の定、先生に遅いぞと怒られた
表面上はすいませんと謝りながら太一がいる方に向かって行って太一の左に座った
「何で起こしくれなかったんだよ」
と達也は太一に小声で聞く
「起こそうとしたけど、後5分と言うべたな事言ったから、置いてったんだよ」
とこちらも小声で言った
「ってか何で図書室何だよ?」
ともっともな事を言う達也
「好きな本を読んで、あらすじや背景やらこの本は何を伝えたいのかとか考えて書くらしいよ
読解力がつくとか何とかで」
「ふーん」
自分で聞いた癖に興味がなさそうである
その後は太一が漫画も本ですと言ったら先生がじゃあ今日欠席にした事にしようと言われたので、しぶしぶ漫画を戻の場所に帰しに言ったりと有り触れた事件が起こって、今は昼飯を食べている最中である
「なあ、良い事って何だよ?」
「まあ、そう焦るなって
この昼休みには分かるからさ」
「まさか、風俗に連れてってくれるとか」
「そんなのは自分で行け
お前はいい加減エロい事から離れろ」
「男は皆エロいんだよ」
と太一は無駄にカッコ良く言った
「俺も一応男だから、エロい事に全く興味がない訳じゃないけど、お前見たいにエロい方向にはいかないな」
「それはお前が異常だからだ」
さもお前は男とじゃないと言わんばかりである
達也は太一を見てはあーとため息をついて
「焼却炉に行って、そこで待ってろ
そしたら何か起こるから」
と言って、あおいがいる教室へと向かった
達也は今あおいの教室へ向かっている
「(まあ、あいつもあおいちゃんにはエロい事言わないだろ)」
太一は女の子と喋るのが苦手だから、エロい事は言わないだろう
なぜ言って欲しくないかと言うと、あおいちゃんにはいつまでも純粋でいてほしいと言う達也の完璧なるエゴからである
しかし、下ネタを聞いて真っ赤にすると言う事から、その願いはすでに打ちすてられたが
しかし純潔と言うのは失って欲しくないのである
「(しかし、つくづく俺は焼却炉に縁があるよな)」
達也は前世で焼却炉と関係でもあったのだろうか
そうやって考えているとあおいがいる教室に着いて中へと入っていった
「心の準備はできた?」
と達也はあおいに聞いた
「は、はい
だ、大丈夫です」
「じゃあ、行こっか?」
「ファイト」
と無駄に元気な亜紀と未来はあおいを応援した
う、うんとあおいは頷きながら、達也と一緒に太一のいる焼却炉へと向かって行った
ついに焼却炉にいる太一が見える所まで来てしまったと言う顔をするあおい
あおいは二、三回深呼吸してから太一の所へと向かって行った
そんなに緊張する事かよと思いながら後に続く達也
「あ、あれ?
何で森山さんがいるの?」
と驚く太一
「用事があるのがあおいちゃんだからだよ
わざわざ俺がこんな所に呼び出す訳ないだろ」
「いや、何か危ない物くれるのかなと思って」
「危ない物って何だよ
核兵器の作動させるボタンとかか?
……まあ、そんな事はどうでも良い
あおいちゃんから話しがあるんだよ」
「は、はい
あ、あの、こ、交換日記しませんか?」
あおいに言われて
「え?」
と驚く太一
まあ、無理もない
いきなり交換日記しませんかと言われて驚かない人間はそういないだろう
この二人では埒があかないと思ったのか、
「あおいちゃんはさ、太一の事が好きなんだよ
お前もあおいちゃんも異性と喋る事になれてないから、交換日記からの方がいいんじゃないかなと思ってさ
それにお前もまずは交換日記からと言ってたし」
とフォローした
「え?
俺の事好き?
え?」
太一は状況把握ができないようである
モテない男によくある事だ
「ああ
な?」
と達也があおいに確認すると、
「は、はい
す、好きです」
と恥じらう乙女
「だろ」
と言って太一を納得させようとした
「マジで?
達也のいたずらなんじゃないの?
それか藍沢とか
……もしかして、水樹の仕業か」
一応言っておくと、藍沢とは藍沢炎夏の事であり、水樹とは水樹亜紀の事である
「お前本当馬鹿だろ
確かに俺はいたずらは好きだが、こんないたずらはしねえよ
炎夏や亜紀も同じだよ
それにあおいちゃんがそんな事了承する訳ないじゃん」
達也は最初からめんどくさかったが、(一応)友達の太一と妹的なあおいの為にこの役にかって出たのたが、太一のこの態度によってどうでもよくなってきた
「わ、私は、本当に、山口先輩の事が、す、好きなんです」
凄い恥ずかしいはずなのに、自分の想いを精一杯伝えようとするけなげさに達也はあおいを抱きしめたい衝動にかられたが
それをすると、犯罪行為にあたるんじゃないかと思ってやめたのである
まあ、この時点で変態じみてる気はするが
「お前はさ、ここまで言われてまだいたずらだと思ってるのか?」
いらいらしながら聞いた
「そ、それは
違うと思う」
やっと、あおいの想いに気付いたのか、あおいと同様に顔を赤らめる太一
「じゃあ、その返事はどうなんだよ?」
と聞きながら、何か俺が告白してるみたいじゃんと思う達也
やはり、告白と言うものは、自分で最後までしなければならないと思いながらも、ついつい手助けしてしまうのである
「そ、そりゃあ
も、もちろん、あおいちゃんの事好きだよ」
「じゃあ、いいじゃん」
しかし、太一はいつあおいの事を好きになったんだろうか?
あおいには一応好きになった理由があるが、太一にはあまり理由が見受けられない
髪飾りを拾った時に一目惚れでもしたのだろうか
「わ、私じゃダメですか?」
涙目になりながら聞いた
もしこれで太一がNOと言ったら、半殺しにしてやると思う達也
「お、俺で良ければ」
「良かったな」
達也は良かったとは全く思ってない声で言った
一連の事でもう本当にどうでも良くなったのだろう
「じゃあ、二人で教室まで帰れば
予行演習見たいな感じで」
達也は自分で言っておきながら、予行演習ってなんだよと思った
あおいと太一は見つめ合って、それから教室へ歩いて行った
「あの二人大丈夫なのか?」
二人は、全く喋ってないようだし(口が開いてないので)、物理的な距離もだいぶ離れていて、これを見て二人が恋人同士だとは思わないだろう
「大丈夫なんじゃないですか?」
少女らしき声が聞こえた
「うわっ
何でお前らここにいるんだよ」
と達也はびっくりした声で言った
振り返ると、亜紀と未来がいた
「だって、こんな楽しい事私達が逃すはずないですよ」
と笑いながら言った未来
「お前ら、それ人としてどうかと思うぞ」
「私は心配で来たんです
未来と一緒にしないで下さい」
「麻倉先輩の前だからってぶりっ子しないでよ」
未来がそう言うと、自分だってぶりっ子の癖にと言い返す亜紀
それを聞いて、お前らのどこがぶりっ子なんだよと疑問を持つ達也
「達也さん知ってます
未来に好きな人いるんですけど、その人の前では猫被ってるんですよ」
「そんな事言ったら、亜紀だって麻倉先輩が好きな癖に、あの人カッコ良いよねって言うじゃん」
低レベルと言うか不毛な闘いである
「それとこれとは別
ジャ◯ーズ見たいに憧れの人って言うだけで、恋愛感情は持ってない」
「まあ、別にどっちでもいいけど」
と達也は興味なく言ったが、一つだけ思った事がある
女って怖いなと




