第22話:愛は地球を救わない
メロスとセリヌンティウスは竹馬の友です。 ここ試験に出ますよ
ゴーン、おっす、早く起きねえとやっべえんじゃねえのか
ゴーン、おっす、早く起きねえとやっべえんじゃねえのか
とド○ゴンボールに出てくる大人バージョンの悟空の目覚まし時計から声が流れてくる
達也は目を開けないままよろよろと右手を伸ばして、目覚まし時計を叩く目覚まし時計は、やっと止まった
今日は日曜日なのでいつまででも寝ててOKである
なので、達也はまた夢の世界へと旅立つのであった
〜2時間後〜
「ふぁー」
達也はようやく起きて、大きく背伸びをした
なにげなく目覚まし時計を見ると、
「やっべえー」
達也は大きな声を出した
近所迷惑な奴である
達也は何か用事があるのか、急いでパジャマから私服に着替えて、二階の自室から一階の居間へと降りて行った
「たっくん
おはよう
あのね」
達也の母が達也に話しかけた
たっくんとは達也の事である
「おはよう
母さん
ごめんね、今話しを聞いてる余裕はないんだ」
達也はあんパンを探しながら言った
「だめ
話しを聞いてくれるまで逃がさないから」
「(別に逃げれるんだけど、後がめんどくさいんだよな)
わかったよ、何?」
達也は椅子にドカっと座った
「たっくんってまた女装するの?」
「しないよ
何でそんな事思ったの?」
「だって、女物の服縫ってたから」
「あれは友達の為に縫ってたんだよ」
友達とはAの事である
Aは言っては悪いが、料理も裁縫もできないのである
(後、私事だがAって村人A見たいで嫌なので、藍沢炎夏と言う名前にする)
「そうなんだ
せっかく、また、たっくんの女装姿見れると思ったのに」
母は世界が終わるぐらいに残念そうだ
「俺は二度と女装なんてしないから」
達也は凄い嫌悪の念を表わしている
達也は物心がついてからは一度だけ女装した事がある
それは中二の時の文化祭である
達也の中学校では文化祭は演劇をやると決まっていたのだが、達也のクラスは、生物学的には男だが性自認(自分のことを男と思っているのか、または女と思っているのかという自己イメージのことを指す)は女と言う所謂性同一性障害の話しの演劇をした
その時に性同一性障害の役を達也がやったのである
もちろん、生物学的には男で性自認が女であっても女装するとは限らないが、そこは中学生なので、あまり知識がない為しょうがないだろう
その時に達也は女装したのである
「ええー、似合ってたのに
文化祭の時写真まだ持ってるよ」
母は自慢げに言った
自慢げに言う意味がわからないが
「そんなのはすぐ捨てて下さい」
達也はなぜか敬語になった
まあ、親だから敬語でも別に問題ないと思うが
「ダメ
これはたっくんの成長の思い出だから」
どういう成長の証なんだろうか
「はあー
もういいよ」
達也は抵抗する事を諦めたようだ
「もう行っていい?」
「うん
いいよ」
母の言葉を聞くと、達也はあんパンを手に持って夕食までには帰るからと言って、玄関へと向かった
外に出て行こうとする時
「通り魔に気をつけてね」
と妙に生々しい事を言う母であった
達也はハアハアと息が荒い
別に変な事をしていた訳ではない
達也の家から全速力で走ってきたからである
もちろん、あんぱんはとっくの前に食べてある
今達也は亜紀の家の前にいる
なぜいるかと言うと、一号はメイド服を縫うのが上手いし、達也はクレープの作り方がうまい
しかし、一人だけでは教えるのが大変なので、亜紀・一号・二号・達也が集まろうと約束したのである(炎夏は料理はできないし、太一は異性と喋るのが苦手だから呼んでいない)
(またまた私事だが、一号二号も人造人間見たいで嫌なので、一号を山本未来、二号を森山あおいと言う名前にする)
「やっぱり嫌だな」
嫌なのは亜紀の家に行く事だろう
しかし、行かない訳にはいかない
そう思って達也は呼び鈴を押した
「はーい」
と言って、亜紀はドアを開けた
「よう」
申し訳なさそうに言う達也
「遅いですよ
何時間待ったと思ってるんですか?」
亜紀は機嫌が悪いようだ
まあ、当たり前と言えば当たり前だが
「しょうがないんだよ
異世界の人が俺を必要としてたんだから」
異世界とは夢の世界の事だろう
夢の世界で魔王でも倒していたのだろうか
「頭大丈夫ですか
病院行きます?」
亜紀は冷たく突き放す
「大丈夫です」
達也がそう言った後、亜紀の家にいれてもらった
「そう言えば、家には何度か来た事があるけど、お前の部屋に入るのって初めてだよな」
「そうですね」
そう言って、二人は亜紀の自室へと向かう
亜紀の自室のドアを開けると、
「うわー」
と達也は声を上げた
驚くのも当然である
部屋を見渡すと、深夜やそっち系の人しか見ないようなアニメの人形やギャルゲーやそっち系の漫画やアニメが散らばっていた
すこしは整理しようとは思わないのだろうか
偏見かもしれないが、この部屋に女の子が住んでるとは思わないだろう
「うわー」
達也はうわーとしか言えないぐらい驚いている
「そんなに女の子の部屋が見れて嬉しいんですか?」
亜紀は勘違いをしている
「女の子の部屋に入った事あるし、そもそも別に女の子の部屋を見たいとは思わない」
「女の子の部屋に入って何したんですか?
あれですか?」
亜紀はすぐに不機嫌になる
「あれって何だよ
意味わかんねえよ」
「あれはあれはです」
と意味不明な事を言う亜紀
「はあ?
何言ってんのお前
病院行く?」
達也はさっき言われた事を言い返した
子供の喧嘩である
「そっちこそ刑務所行きですよ
浮気したんだから」
「何度も言うけど、付き合ってねえから浮気じゃねえよ
しかも浮気で刑務所行きって何だよ?
確かに結婚してたら法律で貞操義務はあるけど、それで捕まる訳ないだろ」
(これは日本での話しで韓国では姦通罪と言うのがあります)
「捕まらなかったら何してもいいんですか?」
「そんな事言ってねえよ
付き合ってないのに浮気っておかしいだろって事を言いたいんだよ」
「そんな事はどうでもいいんです
誰の部屋に入った事があるんですか?」
そんな事をけしかけてきたのは亜紀なのに、何と言う言い草だろう
「結構女友達の家に行った事はあるけど、1番多いのは炎夏かな」
「藍沢先輩の家で何してたんですか?」
炎夏と言う事を聞いて、安心したのか、少し機嫌を直す
炎夏となら何も起こらないと思ったのだろう
「マ○オテニスかな」
ちなみにNINT○NDO64のマ○オテニスである
「何でそんな古いのやってるんですか?」
亜紀が疑問に思うのも当然である
「ばっか、お前
マ○オテニス舐めんなよ
故きを温ね新しきを知るって諺があるだろ
古いもの舐めんなよ」
ちなみに四字熟語にすると温故知新である
「まあ、どっちでもいいですけど」
二人の温度差に明らかな違いがある
「お前ってさ、母さんと気が合いそうだよな」
達也はため息をつきながら言った
「そうなんですか
これで嫁姑関係も大丈夫ですね」
気が合うからと言って、嫁姑関係がうまくいくとは思わないが
「そうなんだよ
父さんがいる時にテレビで不倫とか浮気と言う言葉が出る度に母さんが父さんに浮気したら死刑ねって言うだよ
目がマジで怖いんだけどね」
嫁姑関係の事は聞かなかった事にした達也
「お父さんはそれに何て答えてるんですか?」
「ああって一言真顔で答えただけだよ」
「それだけですか?」
「ああ
父さんって、表情をあまり顔に出さないし、必要以上って言うか、無駄口は叩かないからな」
「それじゃあ、食事の時とか静かなんじゃないですか?」
「父さんは喋らないけど、母さんが一人で喋ってるからうるさいぐらいだな」
「本当私と気が合いそうですね」
亜紀は達也の母を思い浮かべながら言った
「妄想癖もあるからな」
そう言った瞬間達也はふと思った
「(俺何でこいつが苦手か分かった
母さんと似てるからだ)」
それは達也にとって達也の母が苦手と言う事になる
事実だけれども
「す、凄いお母さんですね」
突然の出された声に二人はびっくりした
振り返ると、そこに森山あおいがいた
「あおいちゃん、いつからいたの?」
達也は森山あおいが後ろにいるのに全然気づかなかったようだ
「女の子の部屋って所からです」
あおいは申し訳なさそうに呟いた
「最初の方じゃん
言ってくれればどいたのに」
二人はまだ亜紀の部屋に入ってなくて、ドアの前に突っ立っていたままだったのである
だから、トイレに行って戻って来たあおいは二人が部屋に入るのをずっと待ってたのだ
「ご、ごめんなさい
お話を邪魔しちゃいけないと思って」
凄い良い子である
「謝られても困るんだけど」
「ご、ごめんなさい」
達也はこれでは無限ループになると思って、話しを変えようとして、
「そう言えば未来ちゃんはどうしたの?」
と聞いた
「未来は何で人に教えなきゃいけないの、めんどくさいと
教えるなら、三人でやればって言ってました」
「未来ちゃんらしいな」
達也は苦笑いを浮かべた
それから三人は亜紀の部屋に入って、森山あおいに本物のメイド服のデザインと合っているかとか全体のサイズが合っているかをチェックして貰った
達也が縫った炎夏のと亜のメイド服はデザインはほぼ合っていて、細かい所がほんの少し違っていただけだった。
「お前って、裁縫もできるんだな」
達也は感心したように言った
亜紀は料理の他に裁縫もできるようだ
達也に褒められたので、ニコっと笑って
「これでお嫁に行っても大丈夫ですね」
と弾んだ声で言った
「でも、ホントにあおいちゃんって上手いよねー」
達也はわざと聞こえない振りをした
その為亜紀は不機嫌になって、達也を睨む
亜紀が機嫌が悪くなった為か、褒められたからか分からないが、あおいは困ったような嬉しいようなという複雑な心境に陥った
「そ、そんな事ないです」
「いや、マジで上手いって
もしかして、あおいちゃんって料理もできる?」
達也は亜紀の方を見ないようにしている
「ちょっとは」
あおいは恥ずかしそうに言った
「凄いな
これでお嫁に行けるじゃん」
高校生でそんな事を考えるのは早いと思う
それを聞いた瞬間亜紀は世にも恐ろしい非難の形相になって、近くにあったそっち系(そっち系ってどっちやねん)の人形を達也に投げ付けた
「痛っ」
達也は人形が顔に当たった
「何すんだよ」
達也は怒った
かの暴君に(意味不明)
「私というものがありながら、あおいといちゃいちゃしてるからいけないんです」
あおいは困ったような顔をしている
「てめー、何度もいわせんじゃねえーよ
てめーと何か付き合ってねえんだから、誰と仲良くしようが人の勝手だろうが」
さすがの温厚(?)な達也も我慢の限界のようである
お前からてめーになっている
「女の子にてめーなんて言っちゃダメですよ」
論点がずれてるような気がする
あおいはこの場を何とかしようとして、おろおろしている
「ストップ」
この呪文は相手の動きを止める事ができるのである
この呪文の為、亜紀・あおい・達也は止まった
と言うのは嘘で、そこに小夜とみゆきがいたからである
亜紀の部屋にはクーラーや扇風機がない
だから暑い
その為、ドアも窓も開けていたので、話しは丸聞こえだったのだろう
と言うのも違い、小夜とみゆきは二人で遊びに出て行ってまだ帰ってくる時間ではなかったからである (Maybe)
文章が意味不明になってきたので、話しを戻すと
「二人とも何でここにいるの?」
小夜は達也の質問に答えずに、達也の前に立ちはだかった
「な、何?」
さっきの怒りはどこへやら、今は恐怖におののいている
パチンと小夜が達也の頬を平手打ちした音が部屋に鳴り響く
いきなり叩かれたので、達也はびっくりしたのか、目を大きく見開いた
そして、痛みを感じても信じられないのか、自分の頬を手で摩っている
「な、何で?」
達也は声が上擦っている
「達也がお姉ちゃんにひどい事言ったから」
小夜は激怒した
彼の残虐非道な王に
「ひどい事?」
達也は見に覚えがないらしい
「亜紀ちゃんにてめーって言った事だよ
女の子にてめーって言っちゃ駄目なんだよ」
みゆきもいつも以上に達也を非難の目で見ている
達也はみゆきにいつも以上に嫌われた事にショックを受けた
最愛の妹にそうされたら誰だって傷付くだろう
「お姉ちゃんに謝って」
小夜に睨まれた
達也は小夜に睨まれて怖かったので、謝ろうと考えたが(へたれですね)ふと思ったのである
確かにてめーと女の子に言う事は悪い事かもしれないが、そもそも亜紀が(達也にとって)意味が分からない事で怒って人形を投げ付けたのがいけないのではないだろうか
そう思って、じゃあ俺謝らなくていいじゃんと思って小夜を見たら、頭に角が生える勢いの形相だったので、すぐさま
「ごめんなさい」
と亜紀に謝った
「いい……」
と亜紀が何かを言おうとした瞬間、
「駄目
心がこもってない」
となぜか小夜と言う第三者が割り込んできた
「めっちゃ心こもってたよ」
「不満と言う心はこもってたけど、ごめんなさいという気持ちは入ってなかった」
名探偵並の推理力である
「だって、」
と達也が反論としようとしたが、
「うっさい
文句言わずに謝れ」
とみゆきが達也の腹を蹴った後に言った
達也は後ろに吹き飛びはしなかったが、声が出ないくらいの衝撃を受けた
ホント思うんですけど、これ逆だったら、警察呼んだり、非難されまくりですよ
それなのに、女の子がやったらあまり非難されないんですよ
不公平ですよ
何が男女平等だって感じですよ
だいたい男女平等だと言いながら、平等じゃないんですよね
女の子は男に平気でひどい事言う癖に、男が女の子に酷い事言ったら、女子全員で最低とか◯◯ちゃんが可哀相じゃんとか言うんですよ
これは男尊女卑ならぬ、女尊男卑ですよ
と日頃の愚痴を言った所で話しを戻すと、
「分かった
謝るから、蹴られないで」
達也は哀願するように言った
もう不満はないようだ
その代わり悲しみと恐怖が湧き出てきてるようだが
「てめーなんて言ってごめんなさい」
達也はこれ以上何かされないよう必死で謝った
こんな事で謝られて、被害者は嬉しいのだろうか
「私も人形投げてごめんなさい
達也が怒るも当然ですよ
付き合ってないのに、怒って、人形まで投げちゃって」
亜紀は途中からうつむきながら、話した
「いや、別に嫌いって言ってるんじゃないんだよ
だけど、恋人って言うのはどうかなと思った訳で」
達也はこういう場面が苦手なのか、焦っている
それでもまだ亜紀は下を向いている
「好きじゃないと言ってる訳でもないんだよ
親友として好きなんだけど、愛し合う関係ではないかなと思いまして」
達也は自分でも何を言ってるのか分からなくなっている
「もうそろそろいいんじゃない?
お姉ちゃん」
「そうだね」
亜紀は顔を上げた
涙を流してないし、涙の跡もない
「え?」
達也だけでなく、あおいも驚いている
「泣いてたんじゃなかったの?」
「ただ下を向いただけですよ
別に鼻をすすった訳でもないし、鼻声になってませんし
達也さんが勝手に思ってただけでしょ?」
亜紀は嘲るように笑った
「それはそうだけど……」
達也は納得できないようだ
「騙すよりは騙される方が悪いんだよ」
小夜は事もなげに言った
「いやいや
絶対騙す方が悪いでしょ?」
「そう言えばみゆちゃん驚いてなかったけど、みゆちゃんは亜紀が泣いてないって事知ってたの?」
達也はみゆきに聞くと、うんと頷きながら、
「だって、見れば分かるじゃん」
と当たり前のように言った
「まあ、良い経験になったでしょ
これで、女に騙される確率減りましたよ」
それは偽善と言うものではないだろうか?
「それ炎夏にも言われたけど」
達也は苦笑いを浮かべながら言った
「え?
炎夏さんにもされた事もあるの?」
みゆきは言った
「藍沢先輩知ってるの?」
亜紀が驚いてみゆきに聞いた
「うん
結構家に遊びにくるし」
「まあ親友だからな」
「ふーん
……それで藍沢先輩がした事って何ですか?」
亜紀は少し声のトーンが下がった
「え?
涙流してたからやべえと思ってたら、嘘だよって言って目薬見せられた事だよ」
「藍沢先輩がやりそうな事ですね」
「まあな
……ええっと、これって許してくれたって事でいいの?」
達也は恐る恐る聞いた
「いいよ」
なぜか、小夜が答えた
「うん、私も許してあげる」
さらに、みゆきも便乗した
「え?
何で二人に許してもらわないといけないの?
本人に許してもらわないと意味ないと思うけど」
そうである
いくら、周辺が許しても、本人が許さないと意味が全くない
「もうとっくの前に許してますけど」
亜紀はあっけらかんと言った
「ほら、許さないって
……ええー
もう許してたの?」
「ベタなノリツッコミですね
はい、あんなんでいつまでも怒ってたら、達也さんの相手できないでしょ?」
正論だ
あんな事と言ったら失礼かもしれないが、あの程度でいつまでも怒っていたら、達也と友達などやってられない
「確かにあんなんでずっと怒っていたら、妹なんてやってられないよ」
実の妹にまで言われてしまった
実の妹だから言われるのかもしれないが
「何か達也が凄い可哀相になってきた」
小夜は憐れみの目で見てきた
そんな目で見られると、余計悲しい
「俺蹴られ損じゃない
何だよ
殴られたり、蹴られたりひどい事も言われたし」
「まあ、いいじゃん
解決したんだし
じゃあ、私とみゆきは部屋にいるから」
そう言って、小夜とみゆきは小夜の部屋へと向かった
「(あの二人がいなければ、もっと早く解決したんじゃないのか?)」
心の中で毒づく達也であった
確かに周りが騒がなければ、早く解決する場合もあると思う
「ねえ、好きな子の話ししませんか?」
亜紀は唐突に言った
まるで修学旅行のノリである
修学旅行と言えば、好きな子の話しをしたり、枕投げをしたりであるが、絶対先生は枕投げしている事に気付いてるはずだ
なぜなら、枕はあちこちにばらまかれてるし、人は明らかに先生が来たから急いで寝るふりしましたって感じだからである
後、枕投げする時は器物破損をしないように注意しましょう
「どういう経路でそんな話しになるの?」
達也は何こいつという顔をした
達也にそう言われた亜紀は、
「じゃあ逆に聞きますけど、どういう経路を辿れば好きな子の話しになるんですか?」
と聞き返した
「もういいよ
好きにすれば」
達也はさっきの一連の騒動で肉体的にも精神的にも疲れているから、これ以上反論する気力はないらしい
「じゃあ、まず達也さんから」
亜紀はみ○○んたばりにズバっと達也に指をさした
人に指をさすのはいけない事である
「俺?
恋愛感情で好きな人なんかいないぜ」
「はあ〜」
達也の言葉を聞いた亜紀はこれみよがしに達也の顔を見てため息をはいた
「(何か俺が悪い事した見たいに思えてくるな)」
と何ら悪い事をしてないのにそういう気分になってしまう達也
「まあ、いいですけど
じゃあ、次は私ですね」
「私は達也さんが好きです」
と亜紀は顔を赤らめず、恥ずかしさも全くなく言った
「(こいつの事ある意味尊敬するな)」
達也からすれば、告白という一大イベントは死ぬ程恥ずかしいのである
それを平然と言える亜紀はある意味で凄いと思ったのである
「じゃあ、次はあおいだね」
「わ、私?」
あおいにそう言われた瞬間、顔を真っ赤に火照らせた
「(そう、これが普通なんだよ)」
言わせてもらえば、亜紀もあおいも所謂普通と言うモノではないだろう
あおいは俯むいてしまった
「別に嫌なら言わなくても言いんだよ」
達也はあおいを見兼ねて言った
「駄目です
私も達也さんも言ったんだから、あおいも言わないと」
連帯責任見たいな事なのだろうか
「別に俺達が言ったからって、あおいちゃんが言う必要ないだろ?
そもそもいるかどうか分かんないし」
「いますよ
私聞きましたから」
「じゃあ、わざわざ言わなくていいじゃん」
聞き出す為に私達も言ったんだから、あおいも言えと言うなら(それもそれでおかしいが)分からなくはない
しかし、知っているのなら、聞く必要はないだろう
「駄目です
なぜなら、あおいが好きな人は達也さんが知ってる人だからです」
「俺の知っている人?」
達也は訝げに言った
達也は友達または知り合いを思い浮かべた
「分かんないけど」
ヒントも何もなしで分かる訳がないだろう
「何と、山口先輩です」
ここでジャジャーンという効果音でも鳴りそうだ
「ええー
あんなの好きなの?」
達也はあおいを見て言った
友達にあんなの呼ばわりとは酷い奴だ
「は、はい」
あおいは顔をこれ以上できない程真っ赤になり、消え入りそうな声で言った
「あいつのどこが好きなの?
明らかに顔じゃないよね」
確かに、太一はかっこ良くはないから、一目惚れはされないだろう
「あの、髪飾りを拾ってもらったんです」
「それだけ?」
達也は疑問に思ったようだ
それもそうだ
髪飾りを拾ってもらったぐらいで好きにはならないだろう
その人がカッコ良くない限り
「髪飾りを落としちゃって探してたんですけど、見つかなかったらしいんですよ」
亜紀はあおいをフォローした
隣であおいがそうだと言わんばかりに頷いている
「それでどうしようと迷っていたら、山口先輩が来て一緒に探してくれたらしいんです」
「はあ〜
で、髪飾りは見つかったの?」
達也はどうでもよさげに聞いた
「それが何と
……見つかったんです
あおいが髪に付けてたんです」
亜紀はもったいぶった言い方をした
「何だそれ
馬鹿じゃん
どっちかが普通気付かない?」
達也は呆れ果てている
「しょうがないですよ
山口先輩はあおいの顔見ずに喋っていて、あおいは異性と喋ったて事で、どきどきしてたらしいですから」
「ああー
そう言えばそうだったな」
達也は懐かしむように言った
太一は異性と喋るのが苦手で、あおいは人見知りが激しいのである(異性はもっと苦手である)
「それでも怒ったり馬鹿にしたりせずに、よかったねと喜んでくれたですって」
「それで好きになったんだ
(まあ、怒ったり馬鹿にしなかったの余裕がなかっただけだろうな)」
太一は異性と喋ってると言う事で頭が一杯だったのだろう
「は、はい」
あおいは恥ずかしがりながらも嬉しそうに笑った
「そこで達也さんの出番です
山口先輩の好きなタイプを教えて欲しいんですけど」
「あいつ異性だったら、誰でもいいんじゃないのか」
「でも、限度はあるんじゃないですか?」
「ああー
うーん
あいつ、妹が好きだから年下が好きなんじゃない?」
達也は少し考えながら言った
「妹と言っても色んなのがいるでしょ
朝お兄ちゃん起きてといって身体を揺すったりとか、愛妻弁当作って来てくれるとか」
亜紀はいきなり力説しだした
「そんな妹いねえよ
しかも愛妻弁当っておかしいよ
もし言うなら、愛妹弁当だろ」
「みゆきちゃんは違うかもしれないけど、世の中は広いんですから、いるかもしれませんよ」
亜紀の話しは一理ある
なぜなら、全ての妹を見てきた訳ではないから、本当にいないかどうか分からないからだ
「現実にそんなのいねえよ
大体ギャルゲーとか恋愛物って言うのは、有り得ないから面白いんであって、現実でも有り得たらつまらないだろ」
達也の言い分にも一理ある
「うっ
確かに現実にいる恋人達や兄妹の日常をドラマにしたら凄いつまらないと思いますけど」
「だろ
確かにみゆちゃんだってたまには起こしに来てくれるが、布団をはいで枕をテーブルクロス引き見たいに奪って、その枕で起きるまで叩いてくるからな」
達也は自嘲気味に言った
あおいはそれを聞いて
「え?」
と驚いた顔をした
「悲惨な朝ですね」
憐れみの声で言った亜紀だった
「何か自分で言ってて悲しくなってきたけど
まあ、あおいちゃんは太一好みだと思うけど」
「そ、そうですか?
でも、私可愛いくないですし」
確かにあおいは万人受けするような可愛いさではないだろう
あおいは身長は150センチぐらいで髪は黒で首までかかっている
前髪は目が隠れるぐらいだ
髪と髪の隙間から無垢で純粋そうな瞳が見えた
化粧を全くしていないので、地味に見えるがリス見たいな小動物のような可愛いさなのである
「そんな事ないよ
凄い可愛いよ」
と達也は言った
達也と太一は外見では好みが一致していると言えよう
あおいのような外見に制服のスカートを短くしたり、加工してない買ったまんまの長さの子がタイプなのである
あおいは制服のスカートも今履いているスカートも長いので達也と太一のストライクゾーンばっちりである
しかし、中身の好みは正反対である
太一は守ってあげたいタイプが好きで、達也は短気で気が強いのがタイプである
なので、太一はあおいの事を恋愛感情で好きになるかもしれないが、達也は妹見たいにしか思ってないだろう
また、あおいも達也は兄見たいにしか思ってないだろう
「あ、ありがとうございます」
あおいはまさか褒められと思ってなかっのか、驚きながら言った
「まあ、太一にそれとなく聞いて見るわ」
「お願いします」
そう頼んだ亜紀であった




