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名もなき村の領地開発  作者: スズヨシ
第二章 古い考えと新しい風
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閑話 02-1.5?(おまけ)

【この話は読み飛ばしていただいても問題はありません。】


当初『閑話 02』の1と2の間に挟んでいた内容です。

一度書き上がった内容を見返したら『不要かな?』と思って後半パートから削除したのですが、なんかもったいないので公開しちゃいました。

今後本筋できちんと差し込むので、ちょっとした「閑話 02」のおまけ程度で考えて貰えると幸いです。


 ここで一度、両親とランドさんとユキさんの関係と俺のこと、俺が知らされた村の現状について考えてみたいと思う――。


 ――俺の両親は、昔は冒険者としてランドさんとパーティを組んでいた。パーティ仲間は、ランドさんとユキさん、俺の両親にルナの両親の六人だ。

 現在は、元パーティ仲間としての信頼や冒険者としての実績から、定期的に近くの街へ不足品、特に塩の買い付けや、豊作の年なんかは村で取れた作物の行商を代行している。

 ランドさんからの信頼や実績もあるのだろうが、周辺地域の情報収集や狩猟で採れた毛皮などの素材を売却し資金調達を頼まれることもあり、かなり自由な行動をしていると聞いたことがある。


 そして俺は、剣の技術の高さに憧れを抱き、両親に頼んで弟子にしてもらったのがきっかけで、ランドさんに剣技を学んでいる。

 普段とは違い師弟関係での時間はとても厳しく、未だに生傷は絶えないが、それなりに技術は身についてきていると自負している。

 ランドさんにはまだまだ及ばないが、自惚れでなく村では上位に位置しているはずだ。

 そんな理由から、自宅でランドさんとユキさんとルナの両親を交えて話をすることも多く、三年程前からは俺も同席する日があった。親父からは近い将来後を継ぐことになるのだから、今から学び考えろとのことだ。


 そしてこの村だが、ランドさんを長にしているが一枚岩ではない。

 村の前身となる最初の集落は親父やランドさん達が中心になって作ったそうだが、年月が流れるにつれ、原因は様々だが徐々に人が流れ着き、移民の寄り合い所帯のようになっていった。

 最初は二、三十人程度の集落で、狩猟を中心に暮らしていたらしいのだが、人が増えるにつれ、狩猟だけで暮らすのには限界を感じ、農耕に手をつけたとのことだ。

 移民の中には農耕経験者も多く、ルナの母親が使う魔法もあり、土壌の改良にも苦労は少なかったことで、必要な食料を生産できるようになるまでに多くの年月は必要なかったそうだ。


 だからこそ、ここで失敗をしていた。

 合流時期に差があり、農耕地は移民グループごとに割り当てられ、それが現在の歪みの元になってしまったのだが、当時はこうなるとは微塵も思っていなかった。

 詳しくは知らないのだが、各グループには元からなのか既に力の上下関係があったみたいだ。

 生活に困窮していた時期は表にでなかったのだが、僅かでも余裕が出始めればよからぬ考えが巡るのだろう。

 現在は農耕地内の格差が広がり、時折農耕地内で主権争いの小競り合いも起きているらしい。らしいというのは、直接現場を見ておらず又聞きだからだ。

 こんな小さな村でと思いたくもなるが、こんな小さな村だからこそ裕福な家の影響力は大きい。それは俺の両親を見てればわかる。普段大きな口を叩く人であろうとも、表立って俺や両親に何かを言う人は少ない。両親が買い付けてくる塩の影響は大きいのだ。

 ランドさんは生活の厳しい家庭には食料を放出していて、それほど備蓄ができていない。だから作物が不作になれば助けを求める人も限られてしまう。それが意味する所を最近やっと理解できるようになった。


 最近整えたばかりの農耕地はランドさんの影響力が強く出ている。

 しかし他の四つの農耕地、特に収穫量が多い家の長六人とそれに追従する人達は、自然と態度にも表れている。

 利己の利益と立場、持ち上げ続けられることでの勘違い、他者を見下し助けた以上の見返りを求める醜さ。

 この話を聞いた時は、親父もランドさんも汚い言葉で罵っていた。


 いつかランドさんのポジションに座りたいがために、自分達に不利に働きそうな物事には関わらず、むしろ人手を出さないことで阻害しランドさんの評価を下げる。蹴落とせないなら立場を変えたくないがために、今の生活を取る。

 なのに、利己の利益になることだけには手を貸す。

 それが解っていても、親父もランドさんも手を下せないでいる。住民が増えすぎたために、親父もランドさんも手を打てずにいたんだ。

 少数ではできることは限られてくる、数に勝るものはないのだから……。



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