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駆けつけた騎士

 アンドラーシュが神楽のもとに駆けつけるまでの彼視点から送ります。


 私はシシル国侯爵家の若き当主にして王宮騎士第二団騎士長 アンドラーシュ・グランヴェル 


 先の戦で前当主であった父を亡くし、同時に戦で上げた功績で第二団騎士長になった。


 今回、我が国では隣国アバンギャルドの支配から脱却して新しく国を建てた日を祝う祝典『創国蔡』が行われる。


 その創国蔡に、去年の春に侵攻してきたアバンギャルド国の者も訪れることと相成った。


 本来ならば侵攻してきた国の者をわずか一年足らずで国内に招くのは正気を疑われる行いなのだろうが、アバンギャルド国に於いては例外である。


 アバンギャルドは大陸全土を統一するという馬鹿げた理想を掲げ、近隣諸国に無断に侵攻侵略を繰り返している。そのせいでアバンギャルドに因縁のない国は無いのではないかと言われている。


 アバンギャルドの被害にあった国で連盟を集い逆にアバンギャルドを攻め滅ぼす提案も出されていたようだが、彼の国は攻め滅ぼした国の王族、もしくは領主の親族との婚姻を繰り返しその子供に侵攻侵略した地を治めさせてはいる。


 領地を取り戻すさい。その領地を治めていた領主の一族は侵略者の一族として葬られるが、元々治めていた一族の血をひいているので下手に手出しが出来ないのである。


 そんな国家最重要危険人物のアバンギャルドの使者が宴の席から隠れるように抜け出した時から嫌な予感はしていた。


 舞姫の舞に皆が夢中になっている広間は、どうやら私以外の者はアバンギャルドの使者が立ち去ったことに気付いていない。


 私自身も、意外なことに舞姫という存在に魅せられていたが、彼の者が抜け出すさまを見ながら暢気に舞姫の舞を見ている時ではない。



 私はすぐさま彼の者の後を追って宴の席を抜け出すのだった。



 広間の宴を抜け出したアバンギャルドの使者は広間近くの廊下の先で控えていた自身の配下に、何やら指示を出しているようだった。


 その様子に私は思わず目が据わる。


 大国とはいえシシルに負けた敗戦国の使者が王城で何を企んでいる。どこまで我が国を侮れば気が済むのだ…………。


 アンドラーシュは隠れている物陰からアバンギャルドの使者である第三王子マテウスを睨みつけた。


 視線の先にいるマテウス王子は、何がそんなに嬉しいのかスキップしながら廊下を歩いている。端から見ればただの変人である。


 その様子に若干……いや、かなり苛立ちを感じたがマテウス王子が何をするつもりなのか見極める必要がある。しばらくは様子見しようとマテウス王子の後をつけた。


 ………しばらくすると来賓客の方々が泊まわれる離宮にマテウス王子は足を踏み入れた。


 まさかそのまま部屋に戻るつもりなのかと一瞬思ったが、マテウス王子の様子がおかしい。明らかにソワソワし、こちらがマテウス王子に用意した部屋とは別の廊下を急ぎ足で進んでいく。


 そしてマテウス王子は急に曲がり角の死角からチラチラとある部屋を伺っていた。


(あの部屋は、確かクルト公爵が手配なされていた………)


 思わず考え込んでいた時、マテウス王子が伺っていた部屋から何やら争っているかのような物音が聞こえてきた。


 するとマテウス王子はその部屋に向かってすぐさま走り出した。


 私も辺りを警戒しながらすぐにマテウス王子の入った部屋に向かった。


 そこで目にしたのは先ほどまで広間で舞を披露していた舞姫に向かって手を伸ばしているマテウス王子の姿だった。


 私はマテウス王子の腕をとり舞姫を自身の背後に隠した。我ながら素早く動けたなと思いつつ呆気にとられているマテウス王子を身の内に湧き上がる怒りを抑えながら極めて冷静に聞いた。


「何をしているのだ、アバンギャルド国の使者殿」


 口に出した声が冷めきっているのが、自分でも分かった。




 アンドラーシュさん。マテウス王子にかなりご立腹です。ここから神楽視点に戻すつもりです。


 次回、氷炎の貴公子


 マテウス王子VSアンドラーシュになるかも?のお話です。はい。

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