表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

あさをおこしに

 コンコン。

 よる、ふうこちゃんがねむろうとベッドにはいると、まどをたたくおとがしました。

 カーテンをひらくと、おほしさまが、まどのそとにいました。ふうこちゃんは、まどをあけます。おほしさまは、ふうこちゃんてのひらくらいのおおきさのからだをもっとちいさくして、


「どうかおたすけください」


 とふうこちゃんにたのみました。


「どうしたの」


 ふうこちゃんがたずねると、おほしさまは、かなしそうなかおをしていいます。


「わたしたちはまいにち、おひさまをおこしにいくのです。おひさまはおねぼうで、おこされないとおきないのです。ところが、おひさまをおこしにいくほしが、けがをしてしまいました。このままではあさがきません。どうか、わたしといっしょにおひさまをおこしにいってくれませんか」

「わかったわ」


 ふうこちゃんはおほしさまをたすけることにしました。ふうこちゃんは、あさがすきです。おほしさまのぴかぴかひかるよるもだいすきでしたが、あさがくるとわくわくするきもちになるのです。


「ありがとうございます。じゃあ、わたしについてきてください」


 おほしさまは、ちぢめていたからだをぱっとひろげます。そうしてからだをみぎにひだりにゆらしました。

 すると、まっくらだったよるのそらがぴかぴかとひかりだしました。ひかりはながいじゅうたんのようになって、とおくまでつづいています。


「このみちのさきに、おひさまがいます。さあ、いきましょう」


 ふうこちゃんは、ゆうきをもって、まどのそとにみをのりだしました。ぴかぴかのみちは、そらのうえにういていましたが、ふうこちゃんがあしをのせると、そこはちゃんとみちになっていました。ふうこちゃんはおうちのにかいよりもたかい、そらのうえにたちました。

 あしもとがぴかぴかとてらされて、ふうこちゃんのおきにいりのパジャマがにじいろにかがやきます。ふうこちゃんはわくわくとしたきもちになってきました。


「ヤッホー!」


 さけんで、とびはねると、ふうこちゃんのこえはにじいろのボールになって、ぴかぴかひかるみちをぴょんぴょんとはねていきました。おほしさまはうたいだし、ふうこちゃんのまわりをとびまわりました。


「さあゆこう おねぼうさんの あさをおこしに

わたしのひかりは みちをてらす

このこのこえは きんのにわとりよりも

おおきなこえさ」

 ふうこちゃんとおほしさまはとびはね、スキップしながら、ぴかぴかひかるみちをすすんでゆきました。


 みちは、やまのようになったり、たにのようになったり、まっすぐになったり、くねったり、いろんなみちになりましたが、ふうこちゃんはげんきにすすんでいきます。

 そうして、いちばんおおきなさかをのぼったら、とうとうおひさまのべっどにたどりつきました。そこは、おおきなおおきなあなになっており、そのあなのそこにおひさまはねむっているのです。ぐうぐうというおおきないびきが、あたりにひびいています。


「さあ、おひさまをおこしましょう」


 おほしさまが、ひらひらととびながら、ふうこちゃんにいいました。ふうこちゃんは、ぴかぴかひかるみちを、おおきくさんかいステップして、いきおいをつけると、


「お、は、よーっ!」


といちばんおおきなこえでさけびました。するとおおきなにじいろのミサイルがとびだして、あなのそこにいくつもむかっていきます。

 ちゅどーん!

 おおきなおとがしたとおもったら、あなのそこが、ぱあっとひかりかがやきました。ふうこちゃんはそのまぶしさに、「あっ」とめをとじました。




「ふうこ、ふうこ」


 めをあけると、ふうこちゃんはベッドのなかでねていました。


「はやくおきなさい。おねぼうさん」


 ママがふうこちゃんのかおをのぞきこんでいます。まどのそとをみると、おひさまがのぼり、あたりをまぶしくてらしていました。

 そのひのあさごはんは、おほしさまのようにきいろくぴかぴかかがやいたオムレツでした。


《完》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ