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イタズラ

作品も勿論ですが、主人公である『モカ』と『モモ』のふたりも皆様に可愛がって頂ける様に精進して参ります。

リビングに有るデジタル時計が午前10時を表示する頃。

学校や会社へと向かう人々のラッシュはとっくに過ぎ、街には穏やかな空気が流れていた。

窓から燦々とした太陽の光が差し込み、ソファの一部分を明るく照らしている。

その部分へ徐に近付くと眩しさよりも心地良さを覚えたモモ。

目を開けている事さえ煩わしい。

そう感じるや否や横になりそのままウトウトと眠りに落ちてしまった。


スヤスヤと寝息を立てていると、別の部屋からモカがやって来た。

何かして遊ぼうと声をかけようとしたが、モモは気持ち良さそうに眠っている。

それを受け、少しの間不貞腐れるも何か思いついたのかニヤっと不敵な笑みを浮かべながらモモの傍へ行く。

そして口をすぼめ耳元へ近付けると、そっと息を吹きかける。


「フーッ・・・。」

その直後、モモは驚いた様子で大きな声を出しながら目を覚ました。


「はにゃあ!」


目を丸くしながら起き上がる彼女を間近で見たモカは余りの滑稽さに腹を抱えて笑った。


「モモったら、大げさだよぉ~!」

「酷いわよモカ、ビックリするじゃない!」

大笑いしながら平謝りをするモカの横で、モモは寝込みを襲われ機嫌が悪くなった為か腕を組みながら頬を膨らませた。


そんな出来事が有った数時間後。

リビングに有るデジタル時計は午後2時を表示していた。

午前中よりも気温が高くなったリビングはまるで布団の中に居る様に温かい。

昼食を済ませ、ソファの上でまどろんでいたモカはそうしている間に意識が遠くなり自分でも気が付かない内に眠ってしまった。

それを確認すると今まで何処に身を潜めていたのか、モモが動き出す。

理由は勿論、モカに仕返しする為だ。

意外と執念深い一面が有る彼女は、この時に備え食事の後の昼寝を我慢して虎視眈々とチャンスを伺っていた。


「《フーッ・・・。》」

「《ふにゃあ!》」

「《ふふふ。さっきの仕返しよ。》」

「《もう、モモのいじわる!》」


頭の中でこの後起きるかもしれない出来事を想像していると、思わず吹き出しそうになってしまう。

しかし、ここで笑ってしまっては折角の苦労も水の泡。

逸る気持ちを抑えながらゆっくりとモカの傍へ。


備え付けのクッションを枕にしているモカは、頭を横に向けた状態で寝ている。

モモにとって、耳に息を吹きかけるのには絶好の体勢だ。

背中を丸めながら自分がこれから吹きかける息が耳の奥まで十分に届くだろう位置を確認し、納得のいく場所を見付けると深く息を吸ってすぼめた口をモカの耳元へ近付ける。

だが、その瞬間。


「ふにゃ?」


何かの気配を感じたモカは、顔を正面に向けながら目を覚ました。


「え、モカ?」


意図せぬ動きに驚くモモ。

しかし、寝ぼけているのかモカはそのまま身体を起こそうとする。


『ゴチン!』


物凄い音をさせながらお互いの額をぶつけたふたり。

余りの痛さに両手でぶつけた場所を押さえてうずくまる。


「あぅ。あんまりだよ、モモ。いきなり頭突きだなんて・・・。」

「うぅ。そんなつもりじゃぁ・・・。」


イタズラをするのも意外と難しいのだ。

鈍い痛みに悶絶しながらモモはそんな事を思うのであった。

いかがでしたでしょうか?

もし宜しければ、コメントや評価をして頂ければと思いますのでよろしくお願いします。

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