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かくれんぼ

今回はかくれんぼをテーマにしたエピソードです。

ごゆっくりご覧下さい。

主不在の平日のリビング。

そこでは何時もの様に何かして遊ぼうとしているモカとモモの姿が有った。


「じゃぁ、100数えるからモモはそれまでに隠れてね!」

「うん、分かった。それじゃぁ隠れるね!」


どうやらこれからかくれんぼを始めようとしているらしい。

鬼役のモカが目を閉じて顔を手で覆うと大きな声でカウントを始めると、モモは隠れる為リビングを後と一先ずキッチンへと向かう。


「うーん、何処に隠れようかな?」

迷った様子のモモは室内を物色し幾つかの候補の中からなかなか決められずにいたが悩んだ末、調理場のとあるスペースに隠れる事にした。


「ふふふ。此処なら絶対、見つからない・・・。」

蹲る様に身を潜めると自信の表れからか声を潜めながらクスクスと笑う。


一方、リビングではカウントを終えようとしているモカが家の何処かに隠れているモモに聞こえる様に大きな声で呼び掛け様としていた。


「きゅーじゅきゅう、ひゃ~く! も~いいか~い!?」

「も~いい~よぉ~!」


程無くしてモカに聞こえる様にと大きな声で返事をするモモ。

さぁ、かくれんぼの開始だ。


手始めにモカはリビング内を捜索するが、幾ら何でもこんな近くにモモが隠れていないと気が付くのにそう時間はかからなかった。


「流石に、此処には居ないよね・・・。」


苦笑いをしつつそう呟くとキッチンへと場所を移す。

テーブルの下や家具の後ろ等をくまなく捜した後、調理場へと移動した。


「う~ん、何処に隠れたのかなぁ・・・?」


歩きながら左右を見渡すと、向かって右側に設置されている冷蔵庫と壁の隙間から『何か』が微かに動いた。


「ん?」


モカはその『何か』に視線を向けると、シルバータビー模様の尻尾らしき物体が不規則な動きをしているのが確認出来る。

モモの尻尾だ。

そう確信したモカは近くまでやって来ると後ろ向きの状態で隠れているモモの姿を発見した。


「モモ、見~っけ!」

「あぁ、見つかっちゃったぁ~・・・。」

モカは見付けるや否や大きな声を出しながら手を伸ばすとモモの背中を優しく叩く。

対して見つけられたモモは振り返りながらモカを見ると、悔しがる素振りをしつつ微笑を浮かべた。


リビングへと戻ると今度はモモが鬼の役になってかくれんぼを再開する。


「じゃぁ、いくよ。いーち、にーい、さーん、しーい・・・」

モモは目を閉じて手で顔を覆うとカウントを始めると、勇み足でリビングを後にするモカ。


「さぁ~て、何処に隠れようかなぁ・・・。」


追う立場から追われる立場になったモカは先程モモを見つけたキッチン以外での選択肢で隠れる場所を探していると、脱衣場の前に辿り着く。


「脱衣場かぁ・・・。」

そう呟きながら徐に中へ入っていくと辺りを見渡し隠れるのに適したスペース等を物色する。


洗濯機。

万が一作動してしまったら危険だ。


棚に置いてあるラックの中。

畳んで置かれているタオルを汚してしまったら主に叱られてしまう。


洗面台の収納スペース。

モカの力では2枚扉を開閉する事が出来ない。


こうしている間にも時間は刻々と流れていき、急がなければ鬼役のモモがカウントを終え捜しに来てしまう。

焦燥したモカはそのまま浴室へと向かうとある物が目に留まる。


「(そうだ! この中に隠れよう!)」


モカが目にしたのは浴室の半分程の面積を占める浴槽。

普段から入浴後に残り湯を抜いて次の日に浴室の掃除をするという習慣をモカは知っていた。

しかもよく見ると、浴槽の上に置いてある蓋が1/4程開いておりモカの大きさならば余裕で中に入る事が出来る。


この身を隠すのに申し分無い場所を見付け一安心したモカは隠れる為、歩みを進めた瞬間ある事を思い付く。


「(そうだ、ついでにモモを驚かそう。)」


風呂蓋の真下に隠れればすぐに見つけられる事は無いだろうからこちらにやって来たタイミングでいきなり姿を表したらきっと驚くに違いない。

臆病なモモの性格を考えれば、悲鳴を上げながら尻もちを付いた後に泣いてしまうかもしれない。


「《はにゃぁ!》」

「《もう、モカのバカ!》」


そう言いながら激高するモモの姿を想像し、いたずら心に火が付いたモカは居ても立っていられず勢い良く風呂蓋に飛び乗ると助走を付け浴槽の中へと入り込む。


しかし、今日に限って浴槽の中にはお湯が張っているままになっており気付いた時には既に遅く、モカは勢いよく残り湯の中へ飛び込んだ。


「も~、いい~か~い!?」

ちょうどその頃、カウントを終えたモモはリビングから家の何処かに隠れているモカに対し、大きな声で呼び掛けを行っていた。


『ザブーン!』

浴室の方から何かが落水する音が聞こえ、その直後悲鳴の様な叫び声が聞こえる。


「ふにゃああああああ!」


モカに何か有ったのか。

居ても立っても居られないモモは急いで浴室へ向かうと、そこにはずぶ濡れになったモカの姿が在った。


「どうしたの、モカ。そんなにビショビショで・・・?」

「かくれんぼ、今日はもうやめよ・・・。」


驚いた様子で尋ねるモモに対しモカは鼻声交じりにそう言った後クシャミを1つした。

いかがでしたでしょうか?

ご意見ご感想等が有りましたらお気軽にどうぞ・・・。

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