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パラレルワールド・俺ハーレム  作者: 小野山由高
PART 4 : はるなつあきふゆラプソディア
22/50

No.22 四季嶋さん家の寝床事情

◆  ◆  ◆  ◆  ◆




 並行世界を巡る短い旅も終わり、ハルの部屋へと戻って来た一行。


「流石に4人は狭いな……というか、ナツたちはどこで寝るつもりなんだ?」


 ハルの部屋で全員が寝るのは無理があるだろう。

 仮に床に布団を並べたとしてもぎゅうぎゅうになってしまう。


「だいじょーぶだいじょーぶ! そのための準備もちゃんとしてきたから!」


 ナツがそう言うと共に、自分の収納ボックスから『扉』を取り出す。

 ……某どこにでもワープできるドアをハルは思い起こすが、結果としては半分くらい正解であった。


「『超科学お泊りセット』ー!

 えーっと、この辺でいいかな? ハル、この壁のところに設置しちゃうけどいいよね?」

「? いや、そもそもそれは何なんだ?」


 ナツが示したのは廊下の壁――その納戸の横にあたる壁であった。

 そこへと『扉』を置くと、ピタリと壁に吸い付くように嵌る。


「これはねー……んーと見た方が早いかな?

 アキ姉、フユちゃんもこっちきて」


 きょろきょろと物珍しそうにハルの部屋を見ていた二人も呼び寄せ、ナツが『扉』を開くと――


「……おお、マジか」


 『扉』の先に小さな部屋が出来上がっていた。

 広さは4畳半ほど。ちょうど正方形に近い形をしており、窓はないがそこそこ高い天井ときちんと灯りはあるため、そこまで閉塞感はない。


「この『超科学お泊りセット』は、こんな感じで異空間を作ることができるの。

 私たちはこっちの部屋で寝ればオッケーでしょ! それか、寝る時だけハルがこっちで、っていうのでもいいけど」

「デブリを警戒するならそれもありだが――いや、流石に自分のベッドを明け渡すつもりはないな」


 昨夜の様子からして、少なくともナツはハルのベッドでも嫌がることはないだろうが。


「アキ姉、フユちゃん。部屋の説明するわね」


 部屋の入口は一つだが、扉についているダイヤルを弄ることで別の部屋に切り替えることができるようだ。

 その説明をし、各自の部屋を割り当てていくのをハルは他人事として聞いていた。


(……皆が俺の部屋に住むってのはもういいとして――これからどうするかか……)


 考えるべきことは『今後の行動』についてだ。

 デブリから自分の身を守る=生き抜くことは()()()()()()()()()()()()()

 目的は、ハルへとデブリを送り込んでいる張本人を突き止めて事態を収拾することなのだ。


(今のところ『犯人』の目星はついていない。()()()()()()()()()()が妄想の域を出ない。

 そもそも、『犯人』がいるのかどうかもまだわからない状態だ)


 厄介なのは、『デブリを送り込んでいる者』など()()()()()()()のかもしれないということだ。

 理屈は不明なれど自然発生したデブリが現れているだけという可能性も十分ありえる。

 もしそうだとすると、事態の収拾はかなり難しくなる。

 そうでないことを願うしかない――が、『犯人』がいたとして、ハルたちでどうにかできる相手かもわからない。


(N世界側に頼るしかないんだろうな、やっぱり。その辺りはナツに確認しないとわからないか)


 今のところのハルの想像では、『犯人』がいる場合――()()()()()()()()()()()()()()()となっている。

 並行世界の技術を実現しているのがN世界なのだ。ハルが『特異点』と知ってデブリを送り込めるのは、N世界の者以外には考えにくい。

 『犯人』がいない場合だとしても、デブリが出てくる『穴』のようなものがあると仮定して、それを塞ぐことができるのもN世界側しかない。

 結局、事態の収拾にはN世界側の行動が必要になってくる。

 ……そこのところがどうなっているのかは、ナツ以外にはわかりえないだろう。




「ハルー、一通り説明終わったわよー。

 ね、ねぇ。夜ご飯どうするの? じゅるり……」

「…………なんでおまえ、そんな食いしん坊キャラなの……?」


 まだ夜ご飯には早いが、買い物等も考えれば行動すべき時間帯でもある。

 呆れながらも、ハルは別の意味での今後のことを考えるのであった。

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