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Ⅰ.カグロイ✕有望なる復讐者

初連載です! 素人なりに全力で作りました。ゆっくり読んでいってください!

 ある時、奴らは突如この世界に現れた。


 そして容赦無く世界を荒らし回り、蹂躪した。


 奴らと出会ってしまった者は皆等しく思い知らされた。


 圧倒的理不尽、果てしなき絶望、底知れぬ恐怖、異次元の力、その全てを。


 どこから来たのか、何が目的か、それは恐らく奴ら以外に知る術は無いのだろう。


 だが1つ確実に言えることがある。


 界遊楽団(かいゆうがくだん)、こいつらには決して関わってはならない──。




******




 ここはとある荒廃した巨大惑星。


 地上には一切の生命の気配が無く、元々先住民が暮らしていたであろう廃墟のみがそこには広がっている。


 そんな廃墟の一角にて、5人の男女がそれぞれリラックスしながらくつろいでいた。



「しっかしまた良い拠点を見つけたもんだなァ。前の拠点より全然住心地良さそうだぜェ。ガナハークの安眠妨害しやがった野郎にある意味感謝だなァ」



 青髪の青年が快適そうにくつろぎながらそう呟く。



「タイミングが良かっただけで、安眠妨害そのものはあまり褒められたものじゃないけどね。まぁ結局当本人は、こうして私の膝枕の上でぐっすりだけど。ああ……それにしても相変わらず可愛らしい寝顔だこと♪」


「…………んにゅーう……もう眠れない……」



 赤髪ポニーテールの女が、寝言を呟く白髪おかっぱの女を膝枕で寝かせている。



「ハハハッこいつ夢の中でも寝てやがんぜェ。ホント寝る事に関しちゃ全世界一だなァこいつ」


「あたしも少し前にダンノンに膝枕してもらったことあるけど、すっごく寝心地良いんだよー! ユウガも一度味わってみたらー?」



 銀髪ツインテールの少女が話に割って入ってくる。



「ンなもん興味ねェよ。それよか偶然とはいえ、ガナハークのお陰でせっかく新たに良い感じの拠点ができたってのに、カグロイの野郎どこほっつき歩いてやがんだァ?」


「んー、ちゃんとカグ君にもテレパシー送った筈なんだけどなぁ?」



 赤髪ポニーテールの女──ダンノンにはテレパシーで相手の脳内に直接メッセージを送れる能力がある。


 仲間内であれば、距離に関係無く伝達が可能なため、普段はバラバラに活動している仲間達にも、すぐに連絡を取ることが可能となる。



「ふむ、それなら余が事情を聞いておる。こちらへ向かう際、偶々(たまたま)あ奴とすれ違ってな。フレアリス星団の者共に殴り込みに行ってから向かうそうだ。あの辺りは第1級不可侵領域に指定されていたからな。強者(つわもの)が多いと踏んだのだろう」



 黒髪オールバックの初老の男が、カグロイという男の行方について説明する。



「カグ君も相変わらずの戦闘おバカねぇ。せっかくガナちゃんが見つけてくれた新しい拠点で、団員全員でささやかなパーティをしようと思ったのに」


「なぁに、あ奴ならそう時間は掛かるまい。どうせ『ハズレだ』などと抜かして戻ってくるであろう。余の見立てでは、あと2分程でここに来るであろうな」


「へっ、クロトマーダの予測ならほぼ間違いねェなァ。ンなら適当に暇つぶしして待つとするかァ」


「ユウガー、カグロイが来るまでの間たたかいごっこしなーい?」


「おめェホントごっこ遊び好きだなァイルユ。ンじゃ拠点ぶっ壊さねェように遠く行くぞォ」


「わーーい!! キャハハハハハハ!!!」



 そう言ってイルユ、ユウガの2人は勢いよく空の彼方へ飛んで消えていった。


 拠点にはガナハーク、クロトマーダ、ダンノンの3人だけが残った。



「ふふふっみんな相変わらず楽しそうで何よりだわ」


「当然であろう。楽しく生きることに関して、我らはこの世の誰よりも素直で忠実だ。故に我らは界遊楽団なのだ」


「それもそうね。うふふ……」




******




 広大な宇宙の中でも、一際美しく輝く星団の1つ、フレアリス星団。


 宇宙大百景の1つとして知られるこの星団は、かつて多くの侵略者が、我が物にしようと攻め入ってくるのが日常茶飯事だった。


 しかしこれまで、誰も星団の侵略に成功した者はいなかった。


 星団には先住民族──バルタ族が広く繁栄しており、星団の実質的な支配権を握っていた。


 バルタ族は武闘派種族として、一人一人が一騎当千の力を誇る戦士であり、更にその戦士の数は凡そ18億人。数も質も全てが最高レベルの正にスキなしの種族であった。


 バルタ族は元々文明レベルが低いことで知られていたが、その理由は至ってシンプル。


 彼らは持ち前の圧倒的な戦闘力によって、機械や武器に頼らずとも、持ち前の腕っぷしのみで全てを解決してきたからだ。


 侵略者が如何に高度な文明を用いて攻めようとも、バルタ族は丸腰で正面から挑み、侵略者を撃退してきたのだ。


 これにより、バルタ族の存在は多くの種族から恐れられ、同時にフレアリス星団は第1級不可侵領域として広く知られることとなった。


 以降誰も侵攻目的で星団に近づく者はいなくなった──これまでは。



 それは一瞬のできごとだった。


 具体的には12秒。


 侵攻に気づいた時にはもう遅かった。いや、そもそもそいつに目を付けられた時点で既に彼らは詰んでいたのだ。



 「──ハズレか」



 そう呟くのは紫髪の紺色の道着のような服を着た筋肉質の体を持つ男。


 男の周囲には、先程まで戦っていたバルタ族の死体が宙に浮いていた。


 僅か12秒の間に行われたバルタ族との戦いは、あまりにも一方的な虐殺であり、最早戦いとすら呼べるものではなかった。


 結局18億人いたバルタ族の戦士達は侵略者の男の手によって為す術もなく全滅させられた。


 しかも皮肉にもバルタ族と同様、丸腰で。



「時間の無駄だったな。禁武(きんぶ)を解放するどころか、単なる小手調べ程度でこの有様とは……」



 侵略者の男は落胆していた。


 1対18億という絶望的な数の暴力を、絶望的な個の力でねじ伏せる。


 それだけの力を奮えば当然消耗も膨大なものとなる。


 しかし侵略者の男にとっては、ただの軽いストレッチ程度のものでしかなく、むしろこれから体が温まるという時に決着が着いてしまったために、消化不良でしかなかった。



「……な……なぜ……」



 その時1人のバルタ族の青年が、消え入りそうな声を掛けてきた。



「なぜ……私を殺さない……」



 ボロボロの体でそう呟く青年は、弱々しくも激しい憎悪の感情を、その顔に貼り付けていた。



「簡単なことだ。お前からは、他の者とは比べ物にならん程の将来性を感じた。本気で鍛錬を続ければ、お前は遥か高みの強さへと至る。ここで潰すのは惜しいと思ったまでだ」


「……ふざけているのか……貴様……!! 同胞を皆殺しにされた上に……敵に塩を送られて生かされるなど……これ以上の屈辱はないぞぉおおお!!!!」


「そうだ、俺を憎め。恨め。呪え。その感情を糧に生き延び、死ぬ気で鍛錬に励むがいい。そして更なる力を身に付けて再び俺に挑みに来い。こんな消化不良のままで終わるなど俺が許さん。俺を戦いで楽しませることこそが今のお前の義務だ。そのために生かされているのだと自覚しろ」



 背筋も凍るような表情で語る侵略者の男。


 一瞬たじろいだ青年だが──



「……絶対に……絶対に貴様を許さない……。どこまでも我々をなめやがって……! 後悔させてやる……必ずだぁ!!」



 恐怖よりも、圧倒的に憎悪が勝っていた。



「……名を聞かせろ」

 

「界遊楽団のカグロイ。お前の名も聞いておこう」


「……シウ……そう、シウだ。カグロイ……貴様を殺す者の名だ。その頭に……よぉく刻んでおけぇ!!」



 そう言ってシウと名乗るバルタ族の青年は、傷付いた体を引きずるように宇宙の闇の中に消えていった。



「……まぁ、期待値は5、6割といったところか。そういえばさっきダンノンから招集があったな。はじめからダンノンの招集に応じた方が良かったかもしれん。まぁ過ぎたことを考えても仕方あるまい。早いこと行くか」



 思い出したように、カグロイは目にも止まらぬ超スピードで、ダンノンが事前に指定した招集先へと飛んでいった。


 美しく輝くフレアリス星団において、大量のバルタ族の死体が浮いているという、なんとも釣り合わない異様な光景だけがそこには残った。


 界遊楽団の手に掛かれば、第1級不可侵領域であろうと関係無い。


 下手に関わってしまった者は、皆例外無く蹂躪されるのみなのだ。


初投稿の瞬間ってめちゃくちゃ緊張しますねぇ

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