第三十二話 プルプル講座
プルから、魔法やスキルに関していろいろと聞くことができた。
フラウは相変わらず魔獣と追い掛けっこをしているみたいだ。
プルいわく、
スキルは天性による所が大きく、強力なものは生まれつき備わっている場合がほとんどで、後天的なものは、その者の努力などによって培われたものを補助・補正するものらしい。
後天的に獲得する際も、明確な基準があるわけではなく、鍛練を続けた結果、ある日突然、その技能に関するスキルを獲得しているのだそうだ。
まれに、ギリギリまで追い詰められた結果に、短期間で獲得することもあるらしい。
それに対して、魔法は汎用性が高く、鍛練次第で生活魔法程度なら誰でも修得できるという。
実際、学校に通ったことがある者なら、マッチ程度の火をつけるとか、一口分の水を出すといった、簡単な魔法を普通に使えるようになるらしい。
専門の学院に進学すれば、より高位な魔法も修得できるし、優秀なら研究所や国軍の魔法部隊へと進むことも出来るそうだ。
また、魔法には魔力、ゲームで言うとMPのような上限があり、魔法を使えば使うほど魔力は消費され、なくなれば魔法は使えない。
もちろん自然回復はするが、時間がかかるため、戦闘中には魔力の残量を常に気にしていなければならない。
スキルの方には、魔力のような明確な残量といったものはないが、通常以上の力を引き出すことになり、脳や身体に負担がかかることになるため、長時間の使用や多用はオススメ出来ないらしい。
まあ、常に全力疾走していたら疲れるから、どちらも適度に休みをはさめということだろう。
あと、強力すぎる一部のスキルには、まれに制限がかかることがあるらしい。
つまり、スキルを持ってはいるが、それを使うことが出来ないというわけだ。
これは、スキルの強さに対して自身のレベルが追い付いていないためで、成長や修練を積むことでアクティベートされるようだ。
ちなみに、サポートシステムさんに『百万長者』内のスキルにも制限がかかっているスキルがあるのかと尋ねると、そのスキルに色分けをしてくれた。
制限がかかっていないスキルは無色。
制限ありはグレーらしい。
グレーのものは、どれも戦闘用に分類されているものばかりだった。
【魔力徴収】
【魔導武具精製】
【上級悪魔召喚】
【天の呼び声】
他には、【龍】の名がつくものは軒並みグレーだ。
これらは、そのスキルを使える者に貸与する際にアクティベートされるらしい。
まあ、分かりやすいな。
あ。
そこまで聞いて、俺は重大なことに気が付いた。
フラウには、スキルの長時間連続使用はしないようになんて説明していない。
ま、なんとかなるか!
プルにそのことを言ったら、
「鬼」
その一言だった。
いやいや!
あの子を育てるためなら、心を鬼にしなければ!
「鬼、悪魔、クズ、カス、最低、死ね、変態」
ちょっと言い過ぎじゃない!?
分かった!
勝負だな!
表出ろ!
え?
もう表だって?
その通りですね、はい。